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〜異世界卓球〜 混沌の章   作者: 不滅のピン太郎
第2章 魔王杯予選編!
38/84

第24部 魔王杯予選3日目

始まった3日目。

「ってかいつまで寝てるんだコイツ…」

サツキは長い戦いの末、疲れて寝てしまった。

普段は凛とした顔をしているのに寝顔は可愛いというより少しだらしない。

それよりジェイドたちは大丈夫だろうか。

そこまでしても守るのだから彼女は特別という言葉だけでは表現できないほどの力があるのだろう。

まあ盗賊に襲われないようにステルスだけはかけておいた。

ステルスは気配を消す魔法。

姿は見えるけど気づかれにくくなる魔法だ。

簡単に言えば、「え?お前そこにいたの?」的なやつだ。

ジェイドに教わった。

本当、アイツは何でもできる野郎だ。

ヨロズハンターとも呼ばれていたらしい。

あのメロンパンを作ったのも彼だ。

ま、メロンパンに魔力を詰めただけなんだよな。

サツキの力を倍増させるのは勿論だがその分負担が大きくなる。

そこで力を使い果たしたサツキを保護するのが役目なんだが俺たちのいるところはアナザーキングダムの西部であることは確かだ。

アナザーキングダムは中央区、西部、東部、北入口、南入口に分かれている。


「むっ……ふぁー。えっと…僕は……」

サツキが起きたようだ。

「説明は後だもう少し寝てろ」

テレパシーで感じとったが赤い方は熟睡している。

二重人格なんてテレパシー全開で生活するより辛そうだ。性格の違う自分が2人もいるのだからな。

「………来るっ…」

考え事をしていると何かの気配を感じた。

恐らく集団だ。30いや、40はいるだろうか。

「…ふぁ…どうかしたの?」

「寝てろって言ってんだろ。あとトゲメガネは辞めろ」

「えぇ…」

思考を読まれて少し引き気味のサツキは睡魔に勝てず、その場で倒れこんで死んだように眠った。


「コイツの相手も大変だな…」

来た!俺がテレパシー、千里眼などの能力を最大限に引き出すには一定の距離感が必要。

ざっと150m程度で近ければ近いほど良い。

一応、何千里離れていてもテレパシーは使える。

だが、ここまでくるとかなり細かいところまで情報を集める事ができる。

住所特定もカンニングも楽勝だ。

そいつが何をするかは勿論、そいつのステータスや種族、下手をすれば過去の記憶までも見ることができる。


オークの群れか。

1人だけがオークキングだ。


様々な役割があるゴブリンとは違ってオークは上位種とそうでないもので分けられる。

格差が激しいのだ。

知性のないものに限ってそういうものになりがちだが、例外が1つ。

魔法使いの多いエルフや手先が器用なドワーフより賢いオークがいるという噂は耳にしていたが。

まさかここでお目にかかれるとはな。

日本が異世界に召喚されてから2日も経たないうちに情報を集めていたがまさかここで有名人に出会えるとは思わなかった。

ブルシュ・オークリー。

一部の地域ではブリュシュオークリーやオークス・ブリュシアと言った名でも呼ばれている。

彼がオーク史上最も賢いオークだ。

ロバラー王国の騎士軍首領であり、オークの中でも最強の種族、オークキングだ。

彼の知性は計り知れない。

日本とこの異世界の技術を合わせようと提案し、日本と異世界を繋ぐワープホールや電気やガス、ネットを全世界に繋げたのも全て彼が計画したものだ。

だが、そんな有名人と会うのはノーサンキューだ。

奴らの狙いはサツキだ。

ロバラー王国と帝王 カイザーの国、ハスノハイ王国はめちゃくちゃ仲が良い。

どうやら派遣されたみたいだな。

だが、ミカエラ、ガイア、アーク、この3人の方が強敵とも言えるだろうしむしろ本戦で当たれば厄介な相手だろう。

まあ、コイツもコイツで有名なのだろう。

というよりやり過ごすのは無理みたいだな。


「ヘッ、ステルスを使ったみたいだが俺には通じないぜ。鼻がちょっと他よりも効くんでな」

「なっ!」

流石に見つかったか。


「で、アンタもその娘を狙ってんのか?」

最初は殺す目的だったがそれは最善の方法ではない。

ニャリルのように予言に従ってやっていたことだ。

俺の目的はあくまでも超能力で世界を救う事じゃない。

クソみてぇな世界でいかに自分を出せるかってことだ。超能力に縛られてるだけじゃただの操り人形に過ぎない。

だから俺は俺の答えを出す。

その答えはサツキの可能性に賭けるってことだ。

ユキムラサツキは無限に等しいくらいの可能性を秘めている。

もはや人間のものではないかのように。

この力を失えばまた希望が消える。

だから俺はあの時殺すと決めたコイツを守る!


「悪いが生憎サツキさんは熟睡中だ。先に俺の相手してもらおうか、退屈してたもんで」


「ブハハッ、いいだろう!この俺、ブルシュ・オークリーの力見せてやろう!」

オークリーがラケットを取り出す。

少しラケットが大きいのがわかる。

あれじゃ持ちにく……。

まさかコイツ…!








魔王杯3日目。

ランキング9位のミカエラと17位のアスタロトはランキング1位のカイザーの対策を練っている。


「せいっ!」

ラケットを二本の指で受け止める。

「甘い。もっと速く」

そしてラケットを指で弾いた。

「はっ!」

また、アスタロトはラケットを二本指で受け止める。

「っ……まあまあだ」


カイザーに負けてからはずっとこの特訓。

とは言え、数時間ほどランキングを保つため他のプレイヤーとの試合もしている。


「休憩だ」

その言葉にミカエラは違和感を感じた。

「貴方から休憩なんて言い出すなんて珍しいですわね」

彼は返事せず、小さな木の家の方へと歩いて行った。

扉を開くとすぐに彼は椅子に腰かけた。

テーブルを挟んで彼女も椅子に腰かけた。

「おい、クソ天使」

「なんですの。あと言葉遣いくらい直しなさい」

「うるせぇな」と言いたげな顔で少し黙り込むとアスタロトは話を変えた。

「お前なんか、俺に隠してることねぇか?」

ピクッと頭の輪が動いた。

瞬きが止まらずあちこちを見ていてソワソワするかのように背中の翼が小刻みに震えている。

「図星だな」

「はい…」

もう言い訳も通じず、いっそ殺されてもいいから洗いざらい話そうと思った。

「いや、別に嫌なら話さなくていい。真面目なお前が裏切ることなんて考えるわけないからな」

「………」


もう、言ってしまおうと口を開こうとしたその時…。


「俺はエリート悪魔、アスタロト様だ。だが俺は昔アスタロトじゃなかった」


「……どういうことですの?」


「俺は孤児で前世も分からないまま魔界を彷徨っていた。そこで何もない俺を拾ってくれたのが姉貴だ」


「アスタロトにもお姉様…がいらしたのですか?」

「ああ、血は繋がっていないが下級の悪魔だった俺をここまで育ててくれたのは姉貴、いや初代アスタロトだ。そしてとある日、俺は上級悪魔になり、姉貴は人界への外出を認められた。姉貴は戦争もない魔界で俺に戦いを教えてくれた。姉貴は結構退屈してて、よく人界や天界にも行ってみたいと話していた」


「よかったですわね……ぜひお会いしてみたいものですわ」


その言葉を聞くとアスタロトは俯いた。


「初代アスタロト、姉貴はハスノハイ王国で無実の罪で処刑された」


「そ、そんな…」


「そんで、姉貴を殺した張本人…それがカイザーだ」


「…………」


「姉貴の弟子ということでもあって実力を認められた俺はアスタロト・ルルビデに改名し、姉貴の尊敬する方である、魔王ローラン様に仕えることになった」


「………」


(私はサツキを殺そうとしているのに……)


姉の仇を討つ悪魔。

仲間を殺す運命に葛藤し、悶える天使。


(これではどちらが悪魔か分かりませんわ)

ミカエラはいつの間にか出ていた慈悲の涙を右腕で拭って消した。

魔王の部屋


今回は卓球革命について解説!

卓球革命とは魔王であるこの僕が起こした革命。

細かい点もあるけど大まかに分けると3つ。

1つ、戦いや争いの物事は卓球で決めるなどのルールを定める。

2つ、知能が低い、一定の知能がない生き物を消滅させる。

3つ、ペナルティは異界追放。


1つ目は大体わかるよね?

物事の争いを卓球できめる。

それ以外の殺害や暴行などの禁止。

異世界卓球へのルールの改変とかだね。


2つ目は家畜や虫、多くの生き物を消滅。

じゃないとまともに卓球出来ないからね。

このせいで日本が上陸するまでは食料不足に困っていたんだって。


3つ目。

ペナルティは色々あるけど代表的なのは異界追放。僕の特殊能力には異次元を操る能力もあってね、そこにポイって捨てるんだよ。

ちゃんとルールは守ろうね。


じゃ!みんな予選頑張ってねー!

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