第5部 猛威を奮う牙
「サツキよ!新必殺技を見せてやるのじゃ!」
「はい!」
(おう!)
「さあ、お手並み拝見といこうか。期待の新生ユキムラサツキ…」
「何故ジェイドは2000越えの私たちのレートを狙わないんですの?」
「多分だが、俺たちが知らない間にユキムラサツキの情報が拡散されているのかも知れない。ユキムラサツキは俺たちでも知らない情報は沢山ある。狙うのも不思議じゃないな」
「あくまで情報収集……ですのね…それにしては気迫が違うと思いますの」
「……ジェイドはわざと弱い者に挑む野郎じゃないって事は確かだ。とにかく俺たちはユキムラサツキの試合を見届けよう」
1セットマッチ
11ポイント
サーブ権 ジェイド
0 ー 0
「さあ、狩りを始めよう!」
ジェイドはトスを上げた!
(くるぞ、相棒!)
ジェイドはフォアショート側にサーブを出した。下回転がかかっていたがここはツッツキで様子を見る。
ジェイドはクルッとラケットの裏表を入れ替えるとツッツキを仕掛ける。
サツキが更にツッツキをするが、
(……!待て!相棒!)
赤サツキが叫ぶがもう遅い。
カタン……
ラケットからボールが飛び上がり
ボールは勢いを無くしたかのようにコートの外へと落ちていった。
1 ー 0
サーブ権ジェイド
「おい!ユキムラサツキ!大丈夫か!?」
「黒サツキさんがオーバーですの?」
「ふーむ。流石は元殺し屋。瞬時のテクニックがそこまで影響するとは、興味深いの」
「相棒。相手、何回転?」
(フォアサーブで下回転。ツッツキのとこの回転は分からなかった)
ジェイドのフォアサーブをバックで受ける、
そしてまたツッツキのラリーが始まった。
「せいっ!」
サツキがドライブを仕掛ける!
それに対してジェイドはまたクルッとラケットの裏表を入れ替え下方向にプッシュした。
ボールはふわりと飛びフォア側に着地して跳ねた。
「もらった!」
サツキがスマッシュを打った時!
カタン…カタン……と虚しくボールの音が響く中、ボールには下回転がかかっていてネット側にボールを落としてしまう。
2 ー 0
サーブ権 サツキ
「その程度か?ユキムラサツキさんよ。アンタにはスゲえ力があるって聞いてるんでな」
(相棒。もう理解したよな?)
「ああ、わかってる。赤サツキ、交代」
(ふふっ、その言葉待ってたぜ)
眼の色が変わり人格も入れ替わる。
しかし、足に何か弱い痛みを感じた。
「ってて、サツキ昨日どっかぶつけたか?」
(わからないけど多分筋肉痛かな)
サツキがトスを上げフォアサーブをバックロング側に出す。
ジェイドはそのままツッツキに持ち込む。
(やっぱりツッツキ軸の戦法……)
「相棒、俺はラリーを続ける!やつの動きとラケットを観察してくれ!」
(了解、相棒)
最初はジェイドのツッツキに翻弄されていたが赤サツキはフォアドライブとツッツキを交互に繰り出して応戦していった。
「せい!」
「はっ!」
「まだまだ!」
唐突に仕掛けた速いドライブにジェイドはバックショートに少し高めのツッツキを出した。
「威力は弱まった!行くぜ相棒!」
「任せて!相棒!」
「眼の色が変わった!?」
「サンダーボルト!」
ピシャァン!
「相棒!いい電力だ!」
ショート付近でバックを構える。
(ライメイ!)
「チキーター!」
少し足に痛みが走る。
「いって、足にも負担がかかるのかこの技…」
7 ー 6
サーブ権ジェイド
「いい技を見せてもらったよ」
ややサツキ劣勢。
「さてはお前、粒高使いだろ?」
「な、ジェイドの野郎、粒高使いだったのか!」
「ここからじゃラバーは見えませんの。見分けがつきにくいのも当然ですわ」
「やはり気づいていたか。流石だ。だがそれを見破っだところで、俺を倒せるか?」
「上等だぁ!」
ジェイドがフォアサーブを出す。
サツキは容赦なくドライブをかけるが、プッシュで返される。
そこをサツキがバックにツッツくとジェイドもバックにツッツキ。
「もらったぁ!」
少し上がったボールをサツキがスマッシュ!
しかし、ジェイドは手を前に出した。
「封印の鎖!」
四方八方から鎖が出てきてボールを縛り付ける。
「な、サツキのスマッシュが!」
「止められてしまいましたわ!」
フッと笑うとラケットを短剣を持つかの様に逆手に持った。
「俺の必殺技見せてやるよ。腰抜かすなよ」
「くっ、来い!受け止める!」
「ディザスターファング!」
鎖を砕き、切り上げられたボールは弧を描くように飛んだ。
「デビル・ロンギヌスよりはマシだ!」
サツキがボールを取ろうとしたその時、
「く、うがぁぁぁぁぁぁぁあ!」
手脚を押さえてサツキは倒れこんだ。
「ユキムラサツキ!」
「サツキ!大丈夫ですの?!」
「ディザスターファングはただのカーブボールじゃねーよ」
魔王の部屋
今日もサツキちゃんに来てもらいました!
「どうみょ、ふろいほうのしゅきふらさふきれふ」
メロンパン食べながら喋らないでよ……汗
まあいいや。
「モグモグ、今日は粒高ラバーについて解説します」
卓球場とか温泉卓球のレンタルラケットとかによくあるあのつぶつぶのラバーのことだね。
あれは普通のとどう違うの?
「むしゃむしゃ、結構違うんだよね。まず普通のラバーよりコントロールがしづらい上に威力は最弱クラスのラバーだよ」
使わないからってそれは酷くないかな?
「まあまあ、そのかわり粒高は普通のラバーとは違う事ができるんだ。まず、相手の回転に対して、逆の回転をかける事ができるんだ」
え?強い!強いじゃん!
「ドライブとかも甘い回転ならかけ返せない事もないよ。防御的かつトリッキーな戦法が取れるんだ。簡単に言えば、下回転をツッツいたら上回転になって上回転をプッシュすると下回転に変わるんだ」
トリッキーな戦法、、、でも難しそう…。
「そこが弱点でもあるんだよな。粒高は結構技術と頭が必要なんだよ」
遠回しに僕のことバカにしてない?
「それにこのラバーはブロックやカウンターがほとんどできないし、自分から回転をかけられないっていう致命的な弱点があるんだ」
意外と弱点も多いんだね。じゃ、普通のやつの方が多いの?
「まあ、粒高の人気はソフトには負けてると思うよ。だけど、このラバーをあえて使う人も多いし、何しろ対策を知らない人を完封できるんだ。
一方的だけどトリッキーな戦法を上手く使いこなせるかが鍵だね。初心者の皆様の為に次回はvs粒高使いはどうすればいいか解説しようかな」
はい、ありがとうございました!
またねー!
「メロンパンご馳走様でした!」
そっちなの?!∑(゜Д゜)




