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奇怪音頭  作者: 頭隠尻見ヱ三郎


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東条豆子の手紙 三

心の臓♩

心の臓♩

心の臓ったら心の臓♩

はらわたかきわけ心の臓♩


おほほ、ちょっと、「てんしょん」が上がってしまいました。

いけませんこと。今日は例の音頭がとっても調子がいいようで。あどりぶを挟んでしまいましたわ。

わたくし、臓物というものを食される方々が、どうも理解できませんで。

他所様の嗜好にとやかくは言いませんけれど、ライオンじゃあるまいし。

あんな気持ち悪いもの、食べなくてもやっていけると思っておりますの。この飽食のご時世、栄養は色んなものから摂れますわ。そう、豆からでも。おっほっほ。


わたくしは、お肉でしたら、よく焼いて食べたいところです。うぇるだん、でございます。よく焼いたお肉に、テレビジョンのコマーシャルで踊る牛さんの着ぐるみがとってもかわいかった、あのタレをかけるのです。

やっきにっくやいても家やくな♩

歌いながら。おほほ。


そう。ご覧になられたことあるでしょうか?

目の前で臓物が散らばるようなところ。


一度でも見たら、食べられるわけがありませんもの。


それが、愛した我が子だったら、なおさらよ。


車の事故って、ほんとに軽い罰。ほんとに。


こっちからしたら、殺人事件と変わらないのに。


わかるかな?

この気持ち。

わからないよね。


待ったよ。あたし。出てくるの。


あたしが殺すんだ、って。


家族がいたよ、そいつ。子供も。


ごめんね、あなたたちに罪はない。


怨むなら、パパを怨んでね。


燃え盛る家を見ながら、あたしは歌った。


やっきにっくやいても家やくな♩


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