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奇怪音頭  作者: 頭隠尻見ヱ三郎


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5/10

解明と謎

放火、殺人─


三通目は、二通目を読み終わった頃自席へ届けられた。

今までとはっきり違うこと。


文体が変わった。

どういうこと?

前半は、おかしな女性のおかしな文章って感じ。いつも通り。


でも後半は、明らかに違う。

怒りに震えた、母の・・・怨み。


ちょっと待て。

覚えがある。


交通事故被害者遺族の、復讐。


「交通事故、遺族、放火」


ウェブで検索する。あった。


十日未明、北区の一軒家で火事があり、住人と見られる焼死体─


別の記事


北区の一軒家火災で、北署に女が出頭し─


「怨みがあった」


まさか・・・。


一通目の手紙。

日本でサッカーの大きな大会。ワールドカップ。2002年。

娘が母を殺害。いや、当時七歳とか八歳か。もう少し後か?この時期のだと、ネットには残っていないかも。

資料室へ走る。新聞のスクラップや、報道記事のデータベース。

資料室のパソコンで、2002年以降。娘が母を、殺害。


あった。2010年。


西区の住宅で女性の遺体が発見され─

死因は絞殺とみられており─

娘と名乗る少女が「自分がやった」と証言しており、警察は慎重に─


二通目。

ハンケチ。2006年。その時中学生に上がったところで、高校生の時だから、2009年から2012年あたり。

元議員。孫。殺害。


元県議会議員の男性が死亡しているのが見つかり─

第一発見者は高校生の孫で、事情を─


高校生の孫を、殺人の疑いで逮捕。


「・・・なんだ」


どれも、実在の事件。

実在の事件をもとに、おかしなキャラクターにそれを喋らせる。おかしなバックグラウンドを付けて。コミカルに。


「やっぱただの、怪文書じゃん。手の込んだネタだ」


はは、手間取らせやがって。うざ。


資料室を出る。腹の虫が鳴った。そういえばお昼を食べそびれてた。


「カレー食べ行こ」


自席に戻ると、デスクに二通の封筒があった。


『きになるニュース御中 私、怒ってます宛』


「え?また?ていうか、さっき来てたのに」

「郵便局っぽい人が、それだけ紗和さんのデスクに置いて行きましたよ」

あたしの独り言に、総務の今井ちゃんが反応した。

「直接?」

「はい、デスクの方には行かないでって言おうとしたら、ささっと出てっちゃいました」


封筒を見て、あ、と声が出た。


切手がない。


三通目までの封筒を、デスクから取り出す。


切手がない。


気づかなかった。

ダイレクトメールとか、料金後納とかと混ざってたから、気にかけてなかった。


切手がない。


じゃあこの手紙は、どうやって、ここに来たの。

郵便局の人が、持ってきたはず。


「今井ちゃん、この三通の封筒、郵便局の人だった?他の郵便と一緒に来てたんだよね」

「うーん、どうだったかな。投書みたいなのですよね?確か最初は、下のポストに入ってた気がします。二通目忘れちゃったんですけど、さっきのは、それだけ持って来てました」


わざわざ、直接、あたしのところに。届けに来た?


四通目の封を、開いた。



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