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核戦争から二百年、人類に嫌われるグールの俺だが、なぜか少女にだけ懐かれたので最後まで面倒を見ることにした  作者: R666
第三章

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第12話 平和守護隊のリーダー

「そこの二人よぉ! 直ちに止まれやぁ! なにもんだ、てめぇら!」


 見張り台の者が連絡したのか門が開かれると、そこから一人の粗野の若い男が姿を現して叫ぶ。

 彼の手には見るからに、整備不足の散弾銃が握られている。

 その視線は警戒心に満ち、簡単には通す気がないことを物語るようだ。


「待て待て、俺達は別に怪しいもんじゃねぇよ。こいつの指を治しに立ち寄っただけだ。ほら、さっさとその物騒なものを下ろせ」


 両手を僅かに挙げる事で、大介は自身が無害である事を装う。

 

「あぁん? 指を治しに来ただぁ? 怪しいなぁ……怪しいぞぉ、おめぇ。それに、その顔どっかで見た事あんぞ」


 彼の言動を見て不信感を強めたのか、男は眉を寄せて暫く相手(大介)の顔を凝視する。


「……っ”! お前まさか、あのホロコーストか!? 賞金稼ぎのホロコーストだなッ!」


 難しい顔付が途端に緊張感を帯びたものへと変化すると、彼は大介の正体に気がついたようで声を大きく震わせていた。


「あー……グールさんって、やっぱり有名人なんですね……」


 何処か気の抜けた声でアンナは言うが、その言葉には微かな恐怖が含まれている様子。

 

「有名なのは結構だが、こんな形で注目を浴びるのは嬉しくねぇな」


 苦笑しつつも大介は、周囲の敵意を真面に受け入れる。

 そして散弾銃を構えた男が無線で報告を行うと、数分も経たないうちに続々と門から、武装した増援が集まり出した。


 その数は十を超えて、やがて二十、三十へと膨れ上がる。

 彼ら彼女らの手には、粗悪な銃や戦争中に軍が使用していた、突撃銃や拳銃が握られていた。


「賞金稼ぎのホロコーストが、ここに居るってだけで問題だ! どうしても街に入りたいなら……ここで死んでもらうしかねぇな」


 増援として出て来た一人の若い男が低く唸るような声で言い放つ。

 その背後で他の増援たちも銃を構え、いつでも発砲できる態勢へと移る。


「やれやれ、また厄介事か。本当に面倒な奴らだ」


 大きく溜息を吐き捨てると大介は怪しまれないように、極自然な流れで挙げていた手を動かして背中に装備していた、ダブルバレルショットガンを取り出して構えた。


「ちょっ、グールさん! 一体なにを、する気ですか!? こんな所で戦うとか、頭は正気ですか!?」


 大介の攻撃的な行動を目の当たりにしてアンナは目を丸くすると、甲高い声を響かせながら全身で不安を表すように手足を震わせる。


「何をする気だって? そりゃぁ、撃ち合いに決まってんだろ。なんせ、こいつの脳みそが、ミュータント並みに馬鹿だからな」


 淡々と言い放つ彼の言葉には、冷静な分析と状況への適応力が込められていた。


「おい、早く決めろよ。ヴォイダーたちにみたいに撃つのか、知性ある人間のように話すのかをよ」


 わざと軽い調子を見せながら大介は、相手を馬鹿にするような言葉を使い煽る。


「黙りやがれ! お前みたいな奴を街に入れて、好き勝手にされてたまるか! どうせ、そこの女も俺達を油断させる為の奴隷だろうがよ!」


 拳銃を構えた一人の中年の男が煽られた事で怒声を上げると、その者の表情は冷静さを失い段々と赤く染め上げられてゆく。


 そして空気が極限にまで張り詰めると一触即発状態が続き、大介が一人の若い男の眉間に狙いを定めて先制攻撃を仕掛けようとすると――突如として一発の重たい銃声が空に向けて放たれた。

 すると突然、響き越えた銃声により、その場の全員が一瞬だけ全ての動きを止める。


「落ち着いてくれ、みんな」


 空に向けて発砲した張本人なのか男の低くて温厚そうな声が場に響くと、その者は大きく手を振る事で自己主張しながら人混みの中を割るように突き進む。


 やがて隊員たちの波を掻き分けて、大介たちの前に姿を現した。

 その者は身長が百七十ほどで、外見的な年齢は二十六である。


 鮮やかなカフェオレ色の髪は、やや長めに整えられ、前髪は額を柔らかく覆う。

 後ろ髪は軽く跳ねる形で、きっちりしすぎない軽さを感じさせる。

 

 瞳は深い青色で、まるで静かな湖のような透明感があり、穏やかさと冷静さを同時に感じさせた。

 高い鼻筋と程よい厚みの唇が、整えられた顔立ちを更に引き立てている。


 細身ながらも均衡の取れた体型。

 適度に鍛え上げられた筋肉が、襯衣越しにも分かるほどで、運動能力の高さを伺わせるようだ。


 手足が長く、立ち姿はモデルのようであり、首元にはペンダントを着けている。

 そして彼はスリングを付けた突撃銃(AK-66)を首から下げており、それは深いガンメタルグレーの銃身が特徴的だ。


 木製の銃床と銃把には、丁寧な手入れの跡が見られ、使い込まれた温かみがある。

 更に、その突撃銃のカスタムも施されており、スコープと小型のランプが装着されているようだ。


 そして彼の腰には、短剣のような刃物が装備されており、刃渡りは十五センチ程である。

 それから服装としては、彼は平和守護隊のリーダー的な存在のようで、一般の隊員たちの格好とは大きく異なるのだ。


 それは旧時代の軍服を改良した見た目(デザイン)である。

 濃いグレーを基調としたコート型で、肩章と胸元のエンブレムが、リーダー敵な存在の価値を象徴していた。


 そして右腕には、平和守護隊のシンボルが刺繍された、腕章を巻いている。

 そのコートは見るからに内側に防弾加工が施されており、デザインだけでなく防御力も有しているようだ。


 さらに肩から腰に掛けて弾薬ポーチや、小型の通信機が装備されており、戦場での即応性も高めている。


 コートのボタンには、古代ローマの硬貨を模した、装飾が施されていた。

 ブラックのタクティカルパンツは、耐久性の高い素材で作られており、膝部分にはパッドが内臓されている。


 足元は頑丈な軍用深靴(ブーツ)で、泥や砂塵を寄せ付けない、防水仕様のようだ。

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