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核戦争から二百年、人類に嫌われるグールの俺だが、なぜか少女にだけ懐かれたので最後まで面倒を見ることにした  作者: R666
第二章

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第7話 グールさんは殺しの手を止めない

「まずは……相手の数を減らさねぇとな」


 廃屋から慎重に顔を出して、彼は相手の動きを詳細に観察する。


 すると一人の兵士が広場に置かれている物(木箱や樽)を破壊しながら探索をしており、その一瞬のタイミングを大介は見計らい、廃屋から静かに出ると壊れかけのクレーンへと乗り込み、それを巧みに操作して転がるドラム缶を吊り上げた。


 クレーンを操作する大介の腕は確かなものであり、瞬時にドラム缶は宙を漂い一人の兵士の頭上まで動くと、適切な位置でボタンを押してドラム缶を離す。


 すると、その兵士は先程の手榴弾のせいで耳がやられていたのか、何一つ頭上を警戒する素振りを見せることなく、上から落ちてきたドラム缶が直撃した。


 轟音と共に突然地面に叩きつけられた兵士は、一瞬で命を奪われて周囲に肉と骨と血を撒き散らし血肉の塊と化して、そこには血の水溜まりが出来上がる。


「うぅぅ~! 最高じゃねぇか! まさに、ど真ん中ストライクって感じだな! よし、まずは一人だ」


 一人の兵士を殺す事に成功して気分が上がると、思わず指を鳴らして反応してしまう大介だが、すぐさま冷静な思考を取り戻すと次の標的を見定めて、周囲の兵士に気づかれないように慎重に置く。


 彼は素早くクレーンから離れて瓦礫を飛び越えて移動すると、視界の中央に新兵らしきクリアリングが下手な一人の兵士を捉え、忍者のように音を殺して静かに忍び寄る。


 彼は太腿のホルスターから鋭利な刃を持つ、ダガーナイフを引き抜いて柄を確実に握り込む。

 そして次の瞬間、大介は相手の軍服の袖を掴んで強引に背から地面へと叩きつける。


 突然の出来事に兵士は混乱していたが彼は反撃の隙を与える間もなく、ナイフを相手の首に突き刺して捻りを加える事で確実に命を奪う。


「どんまいだな、新兵。俺みたいなアウトローを相手にする時は、最低でも二人以上で行動しないとな。でないと、呆気なく死ぬぜ。まっ、もう手遅れだがな。はははっ! ……さて、これで二人だ」


 兵士の首に突き刺したナイフを引き抜きながら大介は笑うと、刃に付着した血を相手の軍服で拭い綺麗な状態に戻すが、矢継ぎ早に周囲に視線を配り警戒を強める。


 すると彼の視線の先には周囲を警戒しながら、パワーアーマーを纏うナターシャが歩いて来る姿が映り、直ぐに殺した兵士を抱えて近くの物影に身を潜めた。


「くそッ! あのグールは一体どこに居る! なぜ見つからん! ……ちっ、全員集まれ!」


 大介が見つからないことに苛立ちを募らせているようで、その場で足を止めるとナターシャは廃墟の壁に目掛けて拳を突き入れて粉砕すると、露骨に言動が荒くなるが直ぐに散開させていた部下達を招集した。


「おい、二人足りないぞ! アイツらは一体、どこをほっつき歩いていやがる! く”そ”ッ”! 帰ったら罰を与えてやるからな!」


 部下達が続々と自身の元に集まると人数が足りないのは明らかで、ナターシャは喉が潰れそうな程の声を出すと、今度は蹴りで廃墟の壁に穴を空けて破壊し、消えた部下達の事に対し文句を吐き捨てる。


「……だが今は、そんな事よりも、グール野郎を殺す事の方が大切だ。おいッ! そろそろ出て来い! お前に逃げ場はないぞ!」


 部隊の隊長である事から取り乱している場合ではないと判断したのか、彼女は瞬時に気持ちを切り替える素振りを見せると、大介に投降するように呼び掛けながら、集結した部下達を周囲に配置して再び広場を歩き始めた。


 しかし大介は、その声を無視すると廃墟の奥へと移動して、その身を影と一体化させるように動き、残るV.R.Lの兵士たちを殺すべく攻撃を仕掛ける。


 そんな彼の行動は非常に残忍で無慈悲だ。

 廃墟が生む影と同化するように動き、周囲の瓦礫や物を利用して巧みに身を隠しながら相手の裏を取り、気づかれないように兵士の背後に立つと、ダガーナイフを使い一人ずつ確実に息の根を止めてゆく。


 首の動脈を断ち確実に殺していく、その冷徹な手際は大介の戦闘経験の豊富さを物語る。

 それから彼による兵士の処刑は淡々と進んでいき、瞬く間に残りの兵士たちがナターシャを含めて三人程度となった。


 そして大介は残りの兵士も先程と同様に背後から殺そうとしたのだが、そこへついに何かしらの異変を感じ取った様子のナターシャが振り返る。


 彼女は自身の背後で何が起きているのか、部下達の亡骸と血まみれのナイフを握る彼を見て瞬時に理解すると、なにも言わずにガトリング銃を構えて引き金を引き銃口から火が吹く。


 それに対して大介は予想外の展開に驚きながらも、冷静に動くと瞬時に横へと飛んで廃墟(工場)へと入り身を隠す。


「よくも……! よくも我の部下達を殺してくれたな! 絶対に許さんぞ! 貴様だけは確実に生きたまま捉え、足先から頭頂まで、ゆっくりと切り刻み殺してやる……ッ!」


 ガトリングの銃口を彼が逃げ込んだ廃墟へと向けると、ナターシャは部下達の無念を心で受け止めたかのように狂気的な発言をするが、銃弾の雨を次々に瓦礫や壁や周囲の物を粉砕してゆく。

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