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核戦争から二百年、人類に嫌われるグールの俺だが、なぜか少女にだけ懐かれたので最後まで面倒を見ることにした  作者: R666
第二章

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第5話 殺されていく兵士たち

「くそがッ!」


 仲間が撃たれた事で感情が爆発したのか、スラッグ弾を散弾銃に装填しながら葛葉は叫ぶ。


「ちっ、腐っても凄腕の賞金稼ぎって事だな。銃の腕前は我らよりも上かも知れん。全員、気を抜くなよ!」


 パワーアーマーを完全装備しているナターシャは、部下達に前進の合図を手で出しながら突撃銃を構えつつ、着実に足を進めて大介たちの元に接近した。


 しかし彼女は突如として足を止めて手を挙げると、その場で停止の合図を部隊に出し、先程まで構えていた突撃銃を地面に投げ捨てるが、すぐさまパワーアーマーの背部に装備されていたガトリング銃を手に取る。


 そしてナターシャは引き金に指を添えて力を込めると、ガトリング銃は軽やかな回転を始めるが、次の瞬間には重々しい轟音と共に弾丸の雨を降らせた。


 物陰から相手の様子を見ていた大介は、ガトリング銃から放たれる禍々しい発砲音を聞き、更には無数の弾丸を視認すると直ぐに顔を遮蔽物の影に隠すが、その殺意の勢いに圧倒される。


「くそッ! あのアマ、パワーアーマーの力を存部に発揮していやがる! ちっとは遠慮っつうものを考えやがれ!」


 悪魔のような(ガトリング)から放たれた無数の弾丸により、建物の壁が蜂の巣のように穴が空いていき、木端微塵に破壊されていく光景を目の当たりにすると、歯を食いしばりながら彼は、その場に身を屈めて回避行動を取り愚痴を吐く。


「ふっ……ははははっ! 見よ、これが我らV.R.Lの力の一旦だッ! ひれ伏せ、グール!」


 愉快な笑い声を上げつつナターシャは、ガトリング銃を発砲し続けながら前進を続けた。

 そんな彼女の動きには迷いがなく、アーマーの重厚さを感じさせない軽やかさすらある。


「これが終わったら、貴様の首を本部に届けてやる。そうすれば我が部隊には特別報奨金が与えられ、組織内で安定した盤石の地位が与えられる筈だ。まさに良いこと尽くめだな! ははっ! こんな辺境の地で、お前に出会えたこと、神に感謝するぞ!」


 前進を続けていたナターシャが唐突に足を止めると、ガトリング銃の引き金から指を外して射撃を止めるが、自身が威圧的な戦力を保有しているからなのか、大介に対して冷やや且つ煽り気味な声を投げ掛けた。


「ああ、そう。俺の首が欲しいのか! なら、頑張って取ってみるんだな! まぁ、もっとも? 俺の首は躾がなってねぇから、例え切り落とされようとも、てめぇの首の動脈を噛みちぎっちゃうかもな! はははっ!」


 冷静に相手の言葉を受け取ると、彼も負けじと煽り気味の言葉を返し、盛大に笑いながらダブルバレルショットガンを、背中のホルスターに戻すが矢継ぎ早に、腰のホルスターからマグナムピストルを取り出して、崩れた建物の影から顔を覗かせて相手の様子を伺う。


 そしてガトリング銃の弾幕が止んでいる、今という一瞬の好機を大介という男が見逃す訳もなく、


「おい、アンナ。俺はちーっとばかし、あのブリキ人形と遊んでくる。お前は身を屈めたまま、目立たないように、気配を殺しておけ。あと……できるだけ流れ弾は避けてくれ。じゃ~なぁ~!」


 自分の隣で依然として生まれたての小鹿のように、震えながら屈んでいる彼女に対して、軽く左手を振り満面の笑みを晒しつつ、無茶な注文を与えてから物影から飛び出した。


「えっ、ちょっ、まっ!? そそ、そんなの無理ですよ! 一人にしないで! グ、グールさんぁぁぁん!」


 突拍子もなく無理難題を押し付けられて、その場に一人残されたアンナは混乱しながらも、遠ざかる彼の背中を視界に収めつつ、涙混じりの悲痛な叫び声を上げて右手を伸ばす。


 それから物影から飛び出した大介の足は今更止まる事はできず、背後から聞こえる彼女のか細い声を耳にしつつも、自身の前方に立つ大勢の兵士たちに意識を集中させた。


 そして長年の放浪生活で鍛えられた卓越した技術を披露するかのように、彼は走りながら即座に引き金を引いて視界に映る複数の兵士をマグナムピストルで撃ち抜いてゆく。


「うがぁっ!?」

「ぐはぁっ!?」

「ぶへはっ!?」

「ぬぁぁっ!?」


 マグナムピストルの弾を、その身に受けた兵士たちは、短い声を漏らして次々と地面に伏せる。


 その中には当然の如く佐々木も含まれており、彼は反撃を行う前に腹部を撃たれると、その反動で散弾銃を手放し僅かに後方へ飛び、背中から地面に倒れ込むと、死に掛けの虫のように手足を動かし藻掻き苦しむ。


 そして大介が攻めの姿勢に転じて複数の兵士を撃ち倒した事により、ナターシャは怒声を吐き捨てると止めていた手足を動かして、再び悪魔の銃(ガトリング)の発砲を開始させて弾丸の雨を容赦なく降らせた。


 しかし彼は弾丸の雨に身を晒そうとも足を止めることなく、近くに転がる木箱や樽などを次々と犠牲にしつつ確実に彼女の元へと近づく。


 タイミングを逃せば一瞬で、命を刈り取られる弾幕を掻い潜ると、大介は一瞬の隙を突いてナターシャに肉薄した。


 すかさず大介はマグナムピストルの引き金を引くと、銃口から火花が飛び散り放たれた弾丸は、ナターシャのパワーアーマーに直撃するも、弾は表面の装甲を僅かに削り弾かれる。

 だが、その一撃は全くの無意味ではなく、彼女の動きを一時的に止める事に成功。

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