第五話 錆びた血
話数が減っちゃって、努力が泡になってしましました、、、
「……これ、死んでるよね?」
「あぁ、脈がない」
星蘭は冷静に手首に手を当てていた。さほど驚いているように見えない。慣れたような手つきであった。
「死因はどうやら、腹部の損傷っぽいぞ」
「犯人は、武器を持った人物か……」
顎に手を当てて、他に手がかりがないか辺りを見渡してみる。
「血の飛び散り方、変じゃない?」
「そうか……?」
「そうだよ。ここで刺されたなら、普通はもっと飛び散る。しかも、地面に少しだけ引きずった跡があるし」
引きずった跡を、布か何かで消した痕跡もあった。焦りながら、拭ったのだろう。
風が僕のピアスを揺らした。机の近くに窓があった。
「開いてるのに、匂いが……」
窓が開いていたのに、生臭さは流れてこなかった。しかも、僕たちがこの部屋に入る直前まで、である。
「どうかしたか?」
「窓についてだよ。最初から開いていたなら、もっと匂いが薄くなるはずだと思ってね」
考えられるパターンとしては、二つ。
一つ。殺してから、窓から逃げたパターン。
二つ。外から逃げたと思わせて、わざと開けたパターン。
確実に言えることは、この窓は誰かの手によって開かれた事だけ。
「……星蘭。瑶璃にこの状況を伝えに行って」
「分かった。だが、お前を一人にできない………。一緒に動いた方がいいんじゃないか?」
「僕は未来が視えるから大丈夫」
「だとしても……」
そんなに心配だったら、星蘭の未来を視るしかない。彼の未来で、僕が無事かどうか視ればいいのだから。
「……」
「月華?」
「……大丈夫だよ。未来視を使ったけど、問題なかったから」
早くここから立ち去った方がいい。僕はその言葉を込めて、視線を彼に向ける。
「……分かったよ。瑶璃の所に行ってくる」
彼は立ち上がり、扉の方へと向かった。バタン、と扉が閉まったのを確認し、僕はすぐに証拠探しに移った。
「まずは、机から……ん?」
引き出しを触ったその時。ぬるっとした感触がした。僕はそっと手を離す。
「血?」
被害者の血が付いた……? いや、違う。腹部の損傷があれ程大きいのに、動けたとは考えにくい。
「犯人が触った……?」
ゆっくりと引き出しを開ける。中には帳簿があった。ページを捲る。
「……これは」
米の記録。だが、数が合っていない。明らかに、抜かれている。所々、紙が破られており、日付が飛んでいた。
「……なるほどね」
その瞬間だった。
――――ギィ……。
背後で扉が軋む。やっぱり来た。帳簿を閉じながら、小さく息を吐く。
「証拠、消しに来たんでしょ」
ゆっくりと振り向き、帳簿を軽く叩く。
「困るもんね?」
窓からの風が背中に当たり、髪が前へと揺れる。
「君にとっては」
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