第一話 雇い
かなり変更してしまって申し訳ない気持ちです。
「夢……」
朝日が昇り、鳥の声も聞こえる。
冷や汗がまだ残っており、手は震えていた。
「月華~! 朝食が出来たぞ」
そう言い、扉から顔を出す星蘭。そこから、美味しそうな匂いが流れてきて、鼻を擽る。
「今、行く......」
上半身を起こし、薄い寝床から降りる。棚の上に置いてある紅いピアスを手に取り、耳につけてから扉へ向かった。
朝食を食べようと箸に手をつけた時、門の方からコッ、コッと扉を叩く音が聞こえてくる。
「こんな朝早くから誰……?」
寝起きのせいで頭がはっきりしない。ふらつく足取りで門へ向かう。
「はーい……」
門を開ければ、フードを被った小さな子供が居た。身長は、ちょうど僕の臍あたりだ。その子は小さな口をゆっくり開く。
「初めまして」
パサリ、と黒衣のフードを下げる。長くまっすぐな黒髪が現れた。
子供のはずなのに、その声は妙に落ち着いている。
「えと、何か用がおありで……?」
僕は腰を低くして、そう質問した。すると、その子は微笑んだ。
「ちょっと、国を救うことに興味ない?」
「うん?」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。子供は相変わらず、静かな目でこちらを見ていた。
「今、なんて?」
「だから!」
その子は前のめりになってこう言った。
「国を救うことに、興味ある?」
聞き間違いではなかったと思い知らされた。
「……ないかな」
少し考えてから、正直に答える。すると、その子はわずかに目を細めた。
「そっか」
落胆しているように見える。やはり子供にしては、大人びていていた。言っている事は、冗談にしか聞こえないが。
「じゃあ、質問を変えよう」
ため息を吐き、手をひらひらさせる。
「最近、変な夢見てない?」
心臓が一拍遅れる。
思わず、言葉が詰まり、誤魔化すように僕は笑った。
「……見てないよ」
掠れた声が出る。 子供は答えない。ただ、こちらをじっと見ている。
「そう? 何かが崩れる音とか、誰かに、呼ばれる感じはなかった?」
完全に、言葉を失う。偶々だと言い聞かせるが、納得しない自分が居た。
僕の表情に気づいたのか、その子供は言葉を溢す。
「当たりだね」
「なにが……?」
すると、後ろからいつも聞き慣れてる足音が聞こえた。
「月華、大丈夫か? なかなか、帰って来ないからどうしたのかと――――」
そこで星蘭は片眉を下げる。目の前の子供は、彼に手を振っていた。
「子供……?」
「なんか、変な事を言う子でね……」
僕は星蘭に駆け寄る。ひそりと話している時、子供は仕方ないとでも言うように言葉が放たれる。
「じゃあ、もういいよ。命令にする」
「え?」
思わず振り向き、耳を疑った。その子は懐から、何かの書類を取り出す。
「ボクは、次期皇帝。月華と星蘭を雇うためにここに来た」
空気が僅かに張り詰める。僕たちは只、その子供を見つめるしかなかった。
「「は……?」」
僕たちの間抜けな声が空を切る。
このまま進んでいきます。今日、五話まで投稿します。
改変致しました




