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未来視の月華は選べない  作者: もんちょ
第一章 始まりの時
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第九話 心理

結構、投稿できちゃうものですね。



「さて―――次はどんな未来を視るのでしょうね」


 静かに且つ圧を感じる。彼の言葉に僕は眉をひそめた。


「僕の心を読んで、未来を視ているんですか?」

「……まぁ、そうですね」


 それ以外は何も言わない。

冷静で物静かな彼。言葉を慎重に選ぶタイプなのかもしれない。

 僕は少しでも心を落ち着かせる為に、お茶を飲む。ぬるく、纏わりつくような感覚が喉に通った。

 沈黙は居た堪れなくて、自分から話す。


「……なんで、僕をお茶に誘ったんですか?」


 彼は僅かに目を伏せた。唇が震え、息を吐く。そして、ゆっくりとこう言った。


「……未来を視たいからですよ」


 単調な声だった。その割には、手が少し震えている。


(……訳アリっぽいね)


 今、この瞬間も、彼には僕の考えている事が筒抜けなのだろう。だったら、包み隠さず伝える他ない。


「……どうして、未来を視たいのですか?」


 息が詰まる声が聞こえた。僕はじっと彼の事を見据える。すると、震える声でこう告げた。


「私には……息子が居るんです。その息子が……」


 そこまで言って、言葉が途切れる。


 ポン、


 また鳴った。


 流れる短い映像には、拘束されている少年がいた。


(もしかして、この少年が……?)


 大尉様は、前のめりになる。僕が視た未来を彼も見えたのだろう。


「もしかして、お子さんが人質に?」

「……はい。未来で何が起こるのか、対策できれば有利に動けるのに、と。だから、貴方をお茶に誘いました」


 息子を助けたいが、むやみに動けないとの事。


(今、その息子はどこに居るのだろう?)


「宮廷から少し離れた洞窟におります」

「ここからだと……東方面ですね。ちなみに、いつから?」

「二日ほど前です」

「割とまだ最近ですね」


 顎に手を当てて、僕は考え込む。同じ時期に事件が一気に起きている。これは何か関係がありそうだ。

 米が減少した理由は、この国を弱体化させたいと考えても良い。

 しかも、軍がむやみに動けない状況にするため、人質を作った。これも、国を弱体化させたいからこそなのだろう。


「お米の件についても、おそらく同じ人物による仕業かと思います」


 彼は急にそんな発言をした。


(なんか……当然の如く、心を読んでる……)


「そ、そうですか」


 動揺を表に出さないようにする。けれど、心が動揺しているので、あまり意味はない。………心を読む力がある者の前では。


「……えーと。となると、全てが繋がりますね」


 僕は呟くように、言葉を放つ。

 

 とある犯罪集団が、宮廷に侵入。

 その最初の障害は、軍だったはずだ。

 なかなか、侵入できず断念。だが、そこで大尉様の息子が居る事が分かり、拉致した。

 そうすれば、大尉府はむやみに動けない。

 『言う事を聞かなければ、息子は無事では済まされないだろう』と言っとけば、軍は退く。


(その後、米を盗んだわけね……)


 けれど、都合が悪く見つかってしまい、軍の者が管理人を殺してしまう。


(宮廷に何か恨みを持った軍が協力した、という所かな)


 確実ではないが、流れはこんな感じなのだろう。


「……息子を人質に取られた責任を取り、私は近いうちにこの府を去ることになるでしょうね」


 ぽつりと溢した言葉は、机に溶ける。風に攫われ、丸い背中が目立っていた。


「……罰は軽いと思いますよ」


 僕なりの慰めの言葉だった。


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