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おねえさんはエコバックを肩に原付で異世界を爆走中  作者: 浦 かすみ


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第五話 まさしく魔法の瓶(水筒)

宜しくお願いします



 何度見ても、麦茶は水筒になみなみと入ってる。


「これって本当に麦茶?」


 これも異世界小説あるあるだけど、麦茶に見せかけた媚薬入り♡お茶とか?


 うっかり飲んじゃったら、はぁはぁたちゅけて〜状態になっちゃうの!?


 ……そんなわけあるかぁー!!こんな冴えないアラサー日本人が、はぁはぁ言ってたってイケメンが颯爽と助けてくれるわけあるかぁー!


 こんな人気の無い川辺で一人ツッコミ虚しい。流石に自分の妄想力に呆れる。


 喉、乾いた。もう何だっていいや。

 

 水筒の蓋を開けて、匂いを嗅いでみた。麦茶の香ばしい匂いがしている。触った感じも、ひんやり冷たい。


 流石、主人公()のエコバッグ様だ。まだ保冷剤が効いている。


 思い切って麦茶を飲んでみた。


「……ぅんまあああ!!」


 乾いた喉に冷たい麦茶が、染み渡るぅぅぅ〜


 暫く、媚薬?が効いてくるかと、身構えていたけれど、当たり前だが何も起こらず、媚薬入り♡はぁはぁイベントは見事にスルーされたようだ。


 なんだか、それはそれで悔しい。

  

 そうだ、水筒も『鑑定』してみようかな?


「どりゃ!」


『◯印魔法瓶∶六年間愛用中のくたびれた一品。ホットもコールドも使える。何度か地面に落下させて、外装がやや剥がれ気味』


「余計なお世話じゃーー!!くたびれてて悪かったな!」


 やっぱり、原付バイクの主人公様()から、さげられてる気がする。


 しかし、魔法瓶は至って普通だね?


 やっぱり主人公様()は、原付バイクとエコバッグなのかな。


 あまりに喉が渇いていて、麦茶をイッキ飲みしてしまった。麦茶が残りが少なめになっている。


 確かに、麦茶は今日飲みきったはずなんだよ。しかも自分が作って持ってきた好きな濃さの同じ麦茶が入ってた……


「あっ!復元!?」


 そうか、これがエコバッグ様の謎機能の『復元』なのかも?


 これは、エコバッグ様のチートに賭けてみるか?


 残り僅かの麦茶が入った水筒を、再び保冷エコバッグに戻してファスナーを閉めた。


 パンッパンッ!!


 エコバッグ様に向かって柏手を打っておいた。


 神様〜お願い!


 そうして一息ついてから、原付バイクに跨り再び走りだした。


 ……


 ……


 暫く順調に来ていた。少し西の空が紅くなって来て

夕焼けだな〜とか思っている時に突然やって来た。


『ピィーー!!』


 原付バイク様から例の警告音が聞こえてきた。


『大型未確認物体接近中! 距離百メートル!』


「大型!?」


 大型って、異世界小説あるあるじゃ、ドラゴン!とかドラゴン!とかドラゴンじゃないのかぁ!!!


 ゲシュタルト崩壊している場合じゃない!


「どこへ逃げたらいいの!?」


『逃げ切るのは距離が足りません。離脱不可』


「…っうそぉぉ!?」


 ヤバいヤバい!


 『大型未確認物体、捕捉確認。スキャン中……ホホラマウントと確認。距離二メートル』


 うえええっ!?もうすぐソコじゃない!


 もう無我夢中でそのままアクセル全開で突っ切ることにした。


 ふぎぃぃぃぃ!?風圧が………


 ドガッッッッ!!


 突如、原付バイクの前方にデカい何かが飛んできて、飛ばされていった。


 そんな時ほど、スローモーションで見えるよね?黒くて大きい猪みたいだった。


 思いっきり、正面衝突してしまった。


 異世界に来てロードキルやってもた……



 

夏は水分補給大事。


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