第六話 異世界で衝突事故
ギャアアアンン!
ブレーキが間に合わず、思いっ切り正面衝突してしまった。
ヤッテモタ…………
でも、不思議だな〜結構大きい生き物だったよ?なのに、私も原付バイクもびくともしてませんよ?
流石、主人公様()とオマケの私。
その原付バイク様が、タッチパネルで事故状況を説明してくれた。
『外装損傷ゼロ、シールド展開中。ホホラマウント、スキャン中……死亡確認』
シールドってなんだ?異世界小説あるあるの、結界的な何かなのか?
ちょっとぉ、野生動物はねちゃったよ……異世界に来て、めっちゃテンション下がる案件よ。
原付バイク様にはねられちゃった、ホホラマウントはピクリとも動かない。
初めてロードキルしちゃったよ、しかも異世界で。
これやっぱり、確認しなきゃダメかな……そのまま放置はしたくない。
原付バイクに乗ったまま、ゆっくりとホホラマウントに近づいた。
デカい……猪より更にデカい。しかも生臭い。
ホホラマウントに『鑑定』をかけてみた。
『ホホラマウント(♂)体重6トン、食用可。骨、皮共に買取可』
食用可……これ、食べられるの!?
食べられると知った途端、自分のシビアな食料事情が気にかかってくる。ジビエ肉なんて食べたことないけど、味はどうなんだろ。いやいや、そんなこと言ってる場合じゃない。異世界で野垂れ死には避けたい。
「どうやって捌くんだろか……」
私の呟きに原付バイク様からタッチパネルで返事があった。
『魔獣の解体方法∶血抜き(エアー可)→外皮剥がし→内臓洗い(クリーン可)→魔石回収→四肢、分離解体』
「む……無理、なんか難し過ぎるよ。間に入ってるエアーとかクリーンって何?分かんねぇ」
原付バイク様のタッチパネルの表示が変わった。
『最寄りの冒険者ギルドにて、解体費用、銅貨三千ワンス払えば解体可。買取後、不必要なものは即時、買取可』
「なぁ〜んだ!持っていけばギルドで解体してくれるんだ!しかも買取もね〜びっくりした〜じゃ、買取に持って……」
いや、ちょっと待て?
こんなデカいのどうやって持っていくの?
「運ぶのはどうしたらいいの?」
原付バイク様に聞いた。
『リアボックスにそのまま収納可。もしくは保冷エコバッグにそのまま収納可』
「そのまま!?」
そうか……こんなことでいちいち驚いてちゃいけない。主人公様達()はチートなんだからね。
「あ、そうだそうだ!収納無制限ってなってたじゃない〜あはは」
異世界小説あるあるの『無限収納』アイテムボックスだよね!チート様、素晴らしいね。
「では……生肉?なので、保冷エコバッグに入れようかな」
泥汚れのままエコバッグに入れるのは、すんごく嫌だけど……肉とお金が手に入るんなら、文句は言わない!
バイクを降り、保冷エコバッグを肩にかけてホホラマウントに近づいた。
「ごめんね、はねちゃって」
手を合わせてから、保冷エコバッグのファスナーを開けて、ホホラマウントの方にエコバッグを向けた。
ホホラマウントの大きな体は一瞬で消えた。
ちゃんとエコバッグの中に入ったのかな?確かめてみようか。
異世界小説あるあるで、エコバッグの中に手を入れてホホラマウントと出てこい〜と念じてみた。
ドガッ……と、いう音と共にホホラマウントは飛び出てきた。
「上手くいったみたい」
もう一度、エコバッグの中にホホラマウントを入れて原付バイク様の元に戻った。
「え〜と、じゃあまず行き先は冒険者ギルド、解体と買取だね!」
原付バイク様がナビゲート画面を出してくれた。
『最寄りの冒険者ギルド∶(最短)グラナダラス王国、バスタス領内、領都サミハナ支部、距離50キロ。(目的地途中)ライラナカード王国、チセーナ辺境領内、領都ツフェール支部、距離65キロ』
わ〜なるほど、戻るか、進むかの二パターンね。
ここはもちろん……
「ライラナカード王国のチセーナ辺境領の領都ツフェール支部へ!」
原付バイク様が、地図を表示してくれた。
「現在地がここで……よし、出発!」
◆◆◆◆
すっかり忘れてました……もうすぐ日が沈む。
「あ〜〜〜っ、寝る所どうすんの!?」




