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おねえさんはエコバックを肩に原付で異世界を爆走中  作者: 浦 かすみ


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第十四話 ハヅキは(武器)を手に入れた!



 パッパラパッパッパーン!!

 

「ぎゃ!?」


 原付バイク様から、ファンファーレみたいな音楽が聞こえた。


 モニターを見ると『体当たりレベルが上がりました 記念に武器を差し上げます。リアボックスをご覧下さい』と、表示されている。


 体当たりレベルってなんだよ?記念って何?


 リアボックスに武器……これって神様?っぽい何かが、私にくれたと思っていいのかな。


 神様がくれる凄い剣かな〜と、ワクワクしながらリアボックスを開けた。


「……枝?」


 リアボックスの通勤鞄の上に、木の枝が乗っている。指で突いてみたがやっぱり木の枝だった。おそるおそるリアボックスから出してみた。


 結構長い木の枝、と言っても一メートルはある。


「これなの?」


 どう見てもしっかりとした木の枝だけど、そうだ!こんな時こそ鑑定だ。


「鑑定」


『ハヅキの剣(木の枝)ハヅキと共に成長と進化する、唯一無二の剣。攻撃力1、魔力耐性1、物理耐久力無限、属性∶無性』


 攻撃力弱ぁ……でも、耐久力無限ってってことは攻撃力はミジンコ並の弱さだけど、絶対壊れないってことなんだろか?


「ハヅキ?大丈夫か?」


 戦闘を終えてリライさんが、戻ってきて私が手に持っている枝に目をやった。


「杖代わりの枝か?長距離を歩く時に杖があれば楽だからな。小型の魔物もそれで追っ払えるし」


 杖ぇ!?そうか、枝だから武器には見えないよね。まあ小さい魔物を払えるなら、攻撃力が貧弱でも何回か叩いてれば……ん?


 そうか、壊れないなら攻撃力が1でも何回か当ててればそのうちダメージがでるはずだ!


 ……叩いてる間に魔物に逃げられそうだけど。


「大丈夫?そろそろ行くか?」


「はい!」


 リライさんが倒したナデータを回収して袋にいれている。ここでは捌かずに落ち着ける野営ポイントに着いてから、処理するそうだ。


 ここから歩いての移動は、正直体力面で不安だらけだけど、木の枝(武器?)が手にあるだけで安心感が出てきた。


 リライさんと魔物などの生態などを話しながら畦道を歩いていると、リライさんが聞いてきた。


「ハヅキはライラナカードのチセーナに行ったら、働き口考えてるの?」


 働き口、何にも考えてなかった。


 そうだった……曖昧に冒険者〜とか考えていたけれど、よく考えれば激弱な私がいきなりホホラマウントとか倒せるわけないし、今はナデータでも無理っぽい。

 

 このまま原付バイク様に頼り切りなのもいけないと思う。原付バイク様は今は動いてくれているけど、もし壊れたら?だって元々は機械だもの。


 今だって神様が主人公様にしてくれた!と、考えてるけどいつまでもこの状態が続くなんて保証はない。


 何か手に職を……そうだ!私には採取スキルがあったんだ。


「私、採取スキルがあるんです。それを生かせれば……まだレベル低いですけど」


 リライさんは、大きく頷くと畦道から逸れた木々の方を指差した。


「そうなのか!よし、じゃあ採取の訓練しながら歩いてみる?獣が出ても俺がいるしね」


 おおっ!そうですね、今が正に訓練出来るチャンスですね!


「そうだ、採取って薬草がメインだけど採取したことあるよな?」


「……」


 リライさん、いけません。それは最重要確認事項ではありませんかっ!!


 何を考えてるんだっ私ってば!道端に生えてる草が全部薬草なわけないじゃない!


 薬草の見分け方とか、採り方なんて知らん……


 畦道の横に目を向けて、薬草ってどれだろう?と、見つめていると『鑑定』の時に出てきた立体パネルが、点々と草むらに飛び出しているのが見えた。


『鑑定』されてる……と言うことは!?


 一番近くの鑑定パネルが出ている所に駆け出した。リライさんも慌てて付いてきてくれていた。


 走り込んで、パネルを確認すると……


『ザルザ草∶回復薬の主原料。葉を揉みほぐして傷口に貼ると簡易の消毒滅菌作用あり。採取方法∶根元から深く掘り、根と茎を折らないで採ると鮮度が保たれる』


「……ザルザ草」


 リライさんが私の後ろから、覗き込んで呟いているので、これがザルザ草で間違いないんだ。


 私は木の枝(武器)で地面を掘り、根元からザルザ草を掘り起こすと土を払ってリライさんを振り返った。


「ちょっと待ってね、えっと確か図鑑持ってたはず……」


「図鑑?あるんですか?」


 リライさんはウエストポーチを覗き込んで、図鑑らしき文庫本サイズの本を取り出して見せてくれた。


 薬草、希少薬草図鑑と本の表題がでている。


「え〜と、ザルザ草。丸い葉で葉の表面がザラついていて……間違いないね」


 やった!!ザルザ草ゲットだぜ!


 私は調子に乗って、立体パネルが立ち上がっている草むらを片っ端から探しまくった。


 この辺りのザルザ草を大量ゲットだぜ!


「凄いな〜ハヅキ!採取スキルってそんなに正確に採取場所が分かるんだね」


「……」


 あれ?採取スキルって薬草がどこに生えてるか分かるスキルじゃないの?あ……もしかして鑑定スキルで採取出来るって言わないほうがいいのか?


 後で、原付バイク様に聞いてみよう……





 

 




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