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おねえさんはエコバックを肩に原付で異世界を爆走中  作者: 浦 かすみ


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第十三話 リライさんと二人旅with原付バイク様




 洞窟の外に出て、リライさんが倒れていた木の側まで来た。


「この辺りでホホラマウント出してもらえる?」


 リライさんの指示どおりに、ホホラマウントを保冷エコバッグ様の中から取り出した。


 リライさんはウエストポーチから包丁を出してきた。


 肉切り包丁みたいだ、それで捌くんだね。ほうほう、なるほど血抜きってエアーの魔法でそうするんだ。おおっ!内臓を魔法で、それがクリーンだね!


 リライさんは迷うことなく、ホホラマウントの外皮と骨を取り除きながらブロック肉に分けていく。


 なるほど……ギルドに頼んでいたらコレを有料でやってもらうのか。


 小一時間で、ホホラマウントはデカい魔石と外皮と骨、肉の塊に分けられて内臓は地面に埋められた。


「内臓をそのまま捨てておいたら、匂いで他の魔獣を引き寄せてしまうからね。捌いたら要らない部位は埋めるのが基本。燃やすと煙と匂いが出るから絶対にしてはいけない」


「はい、リライ先生!」


 リライさんが麻袋かな?にバラしたホホラマウントを入れてくれて、私に渡してくれた。


「これをそのままギルドに持っていけばいいよ、ホホラマウントの塊をフライパンで焼こうか。香辛料使うよ」


 リライさんは手際よく、まな板に塊肉を置くと何かの香辛料をまんべんなく振りかけている。


 これまた手際よく、薪を置いて火を起こしフライパンに肉を置いた。


 ジュワ……と良い音がして、肉の焼ける香ばしい香りと香辛料の香りがしてきた。


 香辛料はハーブっぽい香りだね!肉っ肉っ!


 特売食パンの上に、ホホラ香草仕立て薄切り肉をのせてもらった。そして上からパンを重ねて、サンドイッチにしてかぶりついた。


「うんまあああ!」


 ホホラマウント肉、美味い!牛肉の高級黒毛和牛の味がする。


「な、焼くと美味いだろ?って偉そうに言ってるけど俺も数える程度にしか食べたことないけどね」


 リライさんの以前食べたホホラマウント肉の話を聞きながら、溢れ出る肉汁をすすりながら朝食を食べ終わった。


「リライさんも予備でホホラマウント肉持っておきますか?」

 

「いやいや、買取分が減るし構わないよ。ああそれでね、買取出来るギルドがある所だけど……」


 捌いたお礼も兼ねて、お肉を進呈しようと思ったが、遠慮されてしまった。買取終わったら、護衛代金は多めにお支払いしよう、そうしよう。


 リライさんがウエストポーチから、何かを取り出して私の目の前に広げた。


「地図だね」


「この地図は冒険者ギルドに売っている一般的な地図だよ。で、今がここで……比較的安全な道順を選んで、グラナダラス王国が一番近い」


 あ、やっぱりグラナダラス王国に戻るルートが近いんだね。


「あの、ライラナカード王国のギルドに行ってみたいんだけど」


 リライさんは一瞬困ったような表情になった。


 ん?何かマズイのかな?


「ライラナカードはダメなの?」


「いや、ダメっていうか……ヴェルダム達と最後に行ったのが、ライラナカードのチセーナ領のダンジョンなんだ。あ〜時間的にアイツラはもう移動してるとは思うから、行ってみる?」


「はい、是非!」


 ……と元気よく返事したものの、洞窟を出てリライさんにこっちの方向だよと指し示されて、動き出そうとして気が付いた。


 え?原付バイク様どうすんの?


 洞窟の入口で停車中の原付バイク様を振り返りながら、どうしようとパニックになっていたら、なんと!原付バイク様がススーッと音も無く近付いてきた。


「ひえっ」


「どうした?」


 私が悲鳴を上げたので、半歩前を歩いていたリライさんが振り返って立ち止まった。


 その間にも原付バイク様はススーッと私に近付いてきて、少し後ろで停止している。


「いえ、か、顔に虫が当たって」


 リライさんにそう言い訳をして、原付バイク様の車体に近づいた。


 エンジンかかってる……タッチパネルモニターはどうなってるんだろう。


 再び歩き出したリライさんの後を私、原付バイク様の順番で付いて行く形になった。


 リライさんは原付バイク様の存在に気がついてないっぽいから、まだステルス機能発動中なんだろう。


 リライさんがこちらを見ていない隙を見て、原付バイク様のタッチパネルモニターを覗いて見た。


『ステルス機能発動中 自動走行、操縦者追尾機能発動中』


 画面に並ぶ言葉を二度見三度見してしまった。


 どこまでチートなんでしょ、原付バイク様。


 勝手に移動して、姿隠して着いて来てくれるなんて、持つべきものは有能な主人公様ですね!


 そんな時、リライさんが足を止めて私を顧みた。


「ナデータだ。ハヅキもここへ来るまでに見たことあるだろ?」


 リライさんの視線の先を見ると、小型犬くらいの大きさの生き物が数匹動いているのが見える。


 なんなら、まん丸フォルムで愛らしい感じもする。


 リライさんは、腰から下げた剣を抜いた。


 えっ?もしかして……


 リライさんが素早くまん丸フォルムの生き物に近づいて行った。


 まん丸フォルム、ナデータが一斉にリライさんに向かって突進してきた。


 見た目に反して攻撃的……のわっ!?一匹こっちにきた!


 素早い動きのナデータが私に近づくより早く、ススーッと原付バイク様が動き、ナデータに体当たりした。


 もう、分かってる。


 ホホラマウントを弾き飛ばした時に気付いてた。


 ナデータは原付バイク様にぶっ飛ばされて、のびていた。いや、また打ち所が悪かったかも?


 原付バイクの主人公様は、超装甲防御ボディをお持ちのようでございます。




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