表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忌避された破壊魔法使いの私、嫁ぎ先の辺境公爵さまにかけられた呪いは、なぜか私にだけ発動しませんでした  作者: 秋名はる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/44

第7話 晩餐の席で2

彼が行ってしまってから、私も手短に食事を済ませると、メイドに付き添われて自室へ戻った。


すると部屋に入るなり、そのメイドが私に小声で話しかけてきた。


「……お嬢様は、一体何者ですの?

 旦那様に触れられても……なんともないのですか?」


「……え、どういうこと?

 あなたの方こそ、さっきは一体何があったの?」


顔を上げると、それは先ほどユリウス様に触れて食器を落としてしまったメイドだった。


思わず私が逆に問い返して詰め寄る。

するとメイドはあからさまに目を泳がせて一歩引き下がった。


「い、いえ……失礼いたしました。旦那様のことに関して、私から言えることは何もございません。

ただ……お嬢様が無事でいらっしゃるのであれば、それでよいのです」


そう言うと、メイドは深く頭を下げて、そのまま部屋を下がってしまった。



***



翌朝。

私は昨日の一件が気になって仕方がなく、執事のアルバートにも同じことを尋ねてみた。


執事もまたメイドと同じように、ユリウス様の呪いについては多くを語らなかったが、彼は以下のようなことを言った。


「旦那様は……かつて有能な魔法使いでした

通常、人はひとつの魔力を授かるだけでも稀なこと。ですが旦那様は、生まれながらにして複数の能力を操ることができる、類稀なる逸材だったのです」


私は思わず息をのんだ。


確かに、この世界は魔法の力を持つ者が現れるだけでも相当稀なことだ。


幸運にも、私のように魔力を授かれたものがいたとしても、その能力は通常一人につきひとつだけ。複数の力を持つ者など、これまで聞いたこともない。


すると、執事は更に続けた。


「旦那様は、若くしてその才能を開花させ、その卓越した力をもって瞬く間に領地を発展させてこられました。

 しかし、大義を成し遂げる時、人は危険ともまた隣り合わせなのです。あの方の誠実さと前向きさが、あのような結果を招くなんて……」


「一体、彼に何が……?」


私が不安そうに畳みかけると、しかし、執事はそこで口を閉ざしてしまった。


「旦那様の置かれている状況について、私共は他言せぬようきつく申し使っております。

ですから、たとえ婚約者のあなたにであろうと、旦那様のことを申し上げることはできません」


執事は小さくため息をついた後に、こう付け加えた。


「しかしながら、あなたもまた旦那様と同じく、他にない特別な才をお持ちのようにお見受けいたします。

……もし真実をお知りになりたいのであれば、フェンネル様ご自身で旦那様にお尋ねになるのがよろしいでしょう」


そう言い残し、執事は恭しく一礼して部屋をあとにしてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ