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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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65話 コスタルとめぎ中

 宰相さんと一緒に出て行った用務員さんとタガセンは直ぐに僕らのクラスの間に戻ってきていたのだ。

 用務員の高田さんは今日はタガセンと一緒にこのクラスの間に泊まるんだって。


 だから、僕らの夜会議もベッドに腰掛けて聞いていた。

 だけど、ちょっと驚いた顔のまま僕らが座っている方へとやってきた。

 手を挙げて……。



「あの、学級会の邪魔をして申し訳ない。さっきから気になってしまって。質問をしたら邪魔になるだろうか?」


「どうぞ?」



 日向君が答えながら、高田さんに椅子を差しだした。タガセンが何事かとジッと見てる。



「あ、すまない。その……さっきから君たちの話を聞いているとスキルを複数持っている子が何人かいるね。それはまぁ、スキルを貰わない子がいたら納得なんだが、同じスキルが複数いるように聞こえた。…………その。縮地が6人となんとか」


「はい。そう言いました。同じスキルが6名。それが?」



 高田さんはさっきよりもっと目を見開いた。

何にびっくりしたんだろう。日向君の発言のどこにびっくりしたんだ?

 けど直ぐに何かを納得したみたいな頷いていた。



「そうか……そうか、そうだな。宝箱の中身が同じと思い込んでいた。ろく中は同じスキルが複数枚はいっていたのか」



 高田さんは俯いて少し大きめの独り言を言ってから顔を上げた。



「いや、話を中断してしまってすまない。うちのめぎ中が発見した宝箱は25種類のスキルスクロールが各1枚ずつ入っていたんだよ。重複したスキルは無かったので驚いてしまいました。ろく中は同じスキルが6枚入っていたんだね」


「ん? うちの宝箱も25種類のスキルが1枚ずつですよ?」


「んん? それだと何故、縮地……付与が6人に? めぎ中の箱には付与は1枚しか入っていなかった」


「うちも付与は1枚ずつ、ですよ」


「んんん? 1枚ずつ? んんんん?」


「はい。宝箱ひとつに付与1枚。宝箱が6箱あったので付与も6枚」



「なんだってえええええ!!!」



 高田さんがなんかハニワみたいな顔になった。そう言えば高田さんって何のスキルを取ったんだろう。



「そういや、他の学校の宝箱と中身はおんなじかな?」


「あ、どうだろうな。田川先生、スキルの情報はめぎ中と交換済みですか?」



 日向君は最初、高田さんに聞こうとしたけど高田さんがハニワのまま固まっていたので急遽タガセンに振ったみたい。



「聞いた。うちと同じ内容だった。こっちも伝えたんだがな……」


「そうでした! スキル名の情報は交換したんでした」



 高田さんが復活した。ハニワ化が溶けたみたい。



「宝箱が6つもあったなんて聞いてませんよ、驚きました。あの白い部屋ですよね」


「宝箱は別の部屋ですけど……」



 あの日の状況を日向君が高田さんに語った。高田さんはうんうんと頷きながら聞いていた。




「驚いた。あの部屋以外にも部屋があった事、他の部屋にも宝箱があった事、全く気がつきませんでした。さすがはろく中ですね。あの異変の中でもそこまで動くとは」


「めぎ中はスキルをどう分けたんですか?」



 高田さんが頭をボリボリ掻きながら恥ずかしそうになった。



「その……うちの学校は、スキル分けをあみだで決めました」


「あみだくじ! 全員で?」


「はい。先生は最後に残った場所に名前を書きました」


「あ、じゃあ、一応ひとりいちスキル、全員もらえたんだ。良かったです」


「えっ?」



 日向君は、不思議そうな顔の高田さんにディサート国に召喚された本郷中の話をした。



「本郷中は酷い。スキル分けも酷いし召喚国の扱いも酷い」


「その件もあり、ブリンクランドとコスタルを早めに結びたいんです」



 タガセンがいつの間にか高田さんの近くまで来ていた。高田さんとタガセンはお互いに目で何かを話すようにお互い頷いている。きっと子供(僕ら)は聞かなくていい話なんだ。

 僕らが寝室に戻ったら話すんだろうなぁ。大人は大変だ。

 


「そんなわけで、俺らは縮地&魔法移動を利用してコスタル行きを計画しています。縮地でコスタルに到着次第戻って来ますから、高田さん達コスタルの使者一行も帰りは瞬間で送れます!」


「そう言えば、魔法移動の距離って制限ないの?」


「あ、どうだろうな。まだ遠距離のテストはしていないからな」


「今回がテストも兼ねた本番だな」



 そこで、みんながタガセンを見た。タガセンは何も言わない。大丈夫なのかな?

 けど、タガセンが立ち上がった。



「計画書は出せ」


「はいっ!」



 うん、大丈夫みたいだけど『計画書』?によっては却下されたりするのかな?

 でも日向君達だから抜かりのない計画書を作るんだろうな。




「まずはスキル検証だな」

「それさぁ、コスタル方面の商人ロードでやろうぜ、そしたら本番も続きからいける!」

「頭いいな、井伊!」

「じゃあ、そこで縮地魔法移動の距離を少しずつ伸ばしていく」


「明日から各班から付与と漆原が抜けるから、6名がいない状態での問題点もあげて」

「だな。残った方になにかあったら本末転倒だからな」

「問題は城之内班だ。班長の城之内が遠征に出るからな」

「他の班に振るか、部屋内待機か、後で考えよう」


「魔物討伐はどうする?」

「近場で続けよう。時間が惜しい」

「そうだな。付与がいない分、各班無理はしない事」

「おけー」



「あ、タガセン、すんません。ちょっと作戦会議の時間を15……30分ください!」



 タガセンは高田さんと話をしたいはずだから僕らが部屋から出て欲しい、そう思った日向君がタガセンに頼んだ。

 タガセンはジロリと日向君を睨んだけど頷いてくれた。



「ろく中は凄いな。流石ですね、生徒もしっかりしてる」





「今回、コスタル国だけでなく、ウッドランド国からも使者は来ているんですよね? そっちはまだ到着していないんですか?」



 日向君の言葉にみんながハッとした。そうだ、忘れていた。ええと森側だっけ?そこからも使者が来るんだった。



「そっちの話も聞いてから計画を立てた方がいいか?」


「いや、聞いたって2箇所同時には行けないし、ひとつずつ潰していこうぜ」


「そうだな」


「高田さんに魚醤売ってる場所を聞いておいた方がいいよな」


「いや、まずはコスタル到着が目標。次は移動スキル持ちのブックマーク、その後に高田さん一行」


「送り届けるついでに向こうで買い物か」


「ちょっと、買い物優先になってるけど、めぎ中との交流の方が優先じゃないの?」


「あ、そうか」


「めぎ中の魔法移動持ちをこっちに運んでブックマークさせる。そしたらお互いに行き来が可能になる」


「あとは連絡方法だよなぁ。スマホ無いし、何かあっても連絡が取れないんだよなぁ」


「それなぁ」


「スマホが無いってマジ不便だよなぁ」



 みんなが頷いていた。けど、僕は元から持ってなかったからその不便さがよくわからない。

 あ、そうか。スマホでなくても、遠くの人に電話も出来ないって事か。


 郵便屋さんはいるのかな?この世界。


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