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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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60話 28人

 昨日は衝撃的な1日だった。


 この世界に召喚されたのが自分達ろく中だけでないのはわかっていたけど、どこかひとごとだと思ってた。


 けど、本郷中の話を聞いて怖くなった。

 魔物がいる世界ってだけで怖いけど、日本みたいに平和な法律で守られた国ばかりじゃない。

 蒼井君達は、あっちの国で、誰にも助けてもらえなかったんだ。


 朝食後はまたクラスの間でクラス会議をするんだって。

 タガセンはやはり朝早くから部屋を出たままだ。朝ごはんは一緒にはならなかった。

 今日はちゃんとおかわりを5回して亜空間倉庫にしまった。ええと、やはりちょっと中でどうなっているのか不安なので、固形物ばかりをしまい込んだ。パンとか果物とか。


 クラスの間では、右側に日向班が、左側に鈴山田班が、真ん中は僕ら城之内班が座った。



「どうするんだろうな」


「どうするって、何が?」


「本郷中のやつら」


「ディサート国から返せとか言ってくるかな」


「来ないんじゃないかと思う。追ってこなかったって言ってただろ」


「でも、わざわざ召喚したのに放置するか?」


「そこは国によって考え方が違うのかも」


「そうだな。この国は俺らの対応はしっかりしていたし、今のところ監禁したりないしな」


「今のところ、とか言うな! 怖いだろ」


「絶対はない。ところで日向班、鈴山田班、昨日聞けなかったが遠征の成果はどうだ?」


「おう、そうだった」



 日向君と鈴山田さんが前に出て、テーブルの上に小さなガラス石みたいな物をザラっと出した。



「昨日の成果。魔物から取れた魔石だ」


「魔物もまだ小さい物しか倒せないから、取れた魔石も小さいのよ」


「それでも集めていくしかないな」


「どんだけ必要なんだ?」


「数なのか、量なのか、そのあたりは宰相さんに聞いておく」


「小さいのはダメとか言われたら厳しいわね。無理せず小物で数を稼いでいきたいんだけど」


「そうだな。大物狙いで怪我人を出すのはNGだ」


「なぁ……気になったんだけど、さ。来たばかりの頃、召喚の事やらを説明された時にさ、帰り方も教えてくれたじゃん? 魔力石を集めて召喚陣に魔力を込めていくって」


「そんな感じの説明だったな。あの時は目の前の異世界に気を取られていて、話を聞き流してたぜ」


「俺ら、ろく中はタガセン入れて25人。本郷中は生徒25人。確か召喚についての過去の文献で『25人』が最大最適数とかになって、今回7つの国が、7つの中学……、『チュウニ』だからたぶん中学2年のどっかのクラスが召喚されたんだよな」


「そうだったな」


「25人。多くてもダメ。少なくてもダメ。何でだろ」


「さあな? 召喚陣を作った大昔のやつに聞いてくれ」


「25人は失敗せずに呼べる最高人数だっけ。召喚陣自体に人数制限はたぶん無かった。だけど多すぎてはダメ。では少ない場合は?」


「あの白い部屋のスクロールさ、あれはこの国が用意したんじゃないじゃん? いわば神さま的存在かなにか。それがあそこに25スキル用意した」


「なるほど。日向の言いたい事はわかった」



 城之内君にはわかったみたい。僕にはわからない。



「少人数の召喚、たとえば、たったひとりの召喚。ひとりで25スキル×6宝箱」


「そりゃ、凄い事になるな。人間やめるね」


「きっと過去の文献には、そういった事もあっての、25スキル=25人なんじゃないか」


「かける6だけどね」


「本郷中みたいに25人で来ても独り占めするやつはいる」


「うん、でな、俺がちょっと引っかかっているのは、25人召喚して、魔石を集めたら全員25人、元の世界に帰れる」


「元の世界、元の時間って言ってたな」


「じゃあさ、28人いたら?」



 みんなが静かになった。28人。僕らと蒼井君達3人。



「ディサート国に召喚された本郷中はディサートからじゃないと元の世界へ帰れないのか、それとも」


「25人召喚されたブリンクランドの召喚陣で28人帰れるのか」


「召喚時に25名以上だとちゃんと人型で召喚出来ないんだよね。それが帰りの場合……。例えば、数人が合体しちゃったり……」



 みんなが息を呑む音が聞こえた。



「召喚陣の事はもっとしっかり調べた方がいいな」


「もし、25人しか、帰れなかったら?」


「本郷中のアイツら置いていくん?」


「本郷中は本郷中の召喚陣を使ってもらうしか……」


「ジャイアントや処刑が当たり前の国で、召喚陣を使わせてくれるかな」



 だからか。



「だから、タガセンが最近忙しく動いているのかも」


「ポチャ次郎?」


「僕らは子供だから自分の身を守る事を考えてていいけど、タガセンは大人だから。僕らろく中2年1組だけでなく、見つけちゃった本郷中の生徒もどうにかしないといけないって思ってるんじゃないかな。向こうに先生がいたならともかく25人全員が生徒」


「確かに。俺らを無事に連れて帰るってのが最優先だけど、他の中学の生徒を置き去りってのはな」


「うん。でも、僕らは、帰るための魔石集めを頑張らないと。タガセンもそこは僕らに任せていると思う」


「よっし、じゃあ鈴山田班とうち日向班は、魔石をゴリゴリ収集しようぜ」


「その前に、魔石の種類や大きさついても聞いてきましょう」


「城之内班は、召喚陣の謎について深掘っくれ」


「オッケー」


「じゃ、解散!」




「うちどうする? 召喚陣について誰に聞けばいいのかな」


「図書館とかないかな、そこに古い本とかあれば。僕ら、この国の文字読めるし」


「そうだな、出来れば禁書庫とかに入れれば……」


「漆原さんの魔法移動で入れるんじゃない?」



 作戦会議だ。


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