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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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6話 宝箱の中身

 箱から中身が出され、床に並べられた。



「あ、ほら、なんか書かれているわよ」

「象形文字? なんだろ、見た事ない記号……でもさ」

「そうなのよ、読める、よね?」

「読めるな」

「読めるぞ、俺も」



 床に置かれた筒を見る。確かに読める。

 『弓術』

 目にはヘンテコな記号が見えるのに、頭で漢字に変換された。『弓術』、ゆみじゅつ。ゆみじゅつって何?読めるけど理解が追いつかない。



「ねえねえ、魔法武器って何?」

「知らねえ…」

「これ開くと武器になるの?」

「開くなよー。まだ触るな。そっと地面に並べろ」

「とりあえず似た種類で並べてみるか」



 床に並べられた筒は全部で25本あった。


火魔術

水魔術

風魔術

土魔術

魔法武器

体術

剣術

槍術

双剣術

弓術

投技術

付与魔術

体力回復

回復

毒回復

解呪

鑑定

生産(採)

生産(狩)

生産(育)

マッピング

魔法移動

亜空間倉庫

収納ボックス

収納ポーチ



「これ……さ、どう見てもスキルスクロールじゃないか?」



 誰かが呟いた。



「突然教室が光に包まれる、からの、知らない部屋に転送、からの、宝箱からの、中にスキルスクロール。これもう、異世界に転移するファンタジー小説のまんまだよな」

「そうなん?」

「そうなんだよ。流行りの、……かどうかは知らねえけど兄貴の部屋の本棚に並んでた小説。異世界転移モノのラノベの導入部分だな」


「え、じゃあここ異世界なんだ?」

「いや、たぶん、ここは中継地点。スキル貰ってから異世界行きだな」

「ええー! 行きたくないんですけど!」

「私も帰りたい!」

「貰わなければ帰れるの?」

「いや、無理じゃないかな」

「行かなきゃならないなら貰っといたほうがいいって」



 女子の数人が悲鳴をあげた。泣いてる子もいる?気持ちはわかる。



「25本あるから全員分かな?」

『タガセン入れて……だな、25』



 誰かが小声で言ったけど、タガセンに聞こえちゃったんじゃない? でもタガセンは知らんふりをしていた。

 噂で聞いたタガセンは常に怒鳴り散らして、竹刀や椅子を振り回したり殴ったり蹴ったりするって聞いた。噂は当てにならないね。綾香さんの言ったとおり、家出する前に登校して良かった。



 それからが話し合いが混乱した。


 25枚ある。

 ひとり一枚、全員に配るべきか。


 スクロール(スキル)の内容から、もしかしたらこの先厳しい世界に行くのかもしれない。それを考えて決めた方がいいと言う。



「25本あるんだから、やっぱ均等にひとり1枚配るべきじゃん?」

「いやいや、スキルの内容にあった人材に振り分けるべきだよ」

「それだと難しくないか? 複数貰う者と貰えない者が出るよ」

「この先の事を考えたらそれもやむなし。均等分配で生き残れるほど甘い世界じゃない気がするぞ?」



 しっかりと意見を交わしつつも、みんなは要所要所でタガセンをチラリ、チラリと見る。

 何だろう? タガセンから何か合図でも出ているの?



「貰った者が貰えなかった者を確実に守れるのか?」

「そんなの、その時になってみないとわからないよ」

「公平に貰っても使いこなせるか、できなかったら死者が出るぞ」



 死者がでるほど恐ろしい世界に、僕らは行かないとならないの?

 僕も行きたくないんだけど……。



「多数決を取るか」

「待て、25本ある事に何か理由があるんじゃないか?」

「あ、もしかしてスキルはひとりひとつしか習得出来ないとか?」

「あるかもしれない。それも考えて選ばないと」


「わかった。とりあえず、各自の得意しそうなスキルを立候補で上げていくか。まずはひとりひとつで」



 ポツポツと立候補があがる、魔術使ってみたいとか、回復したいとか。同じ希望があったらそれは後で考える。

 立候補した人は少なかった。残りを推薦で振っていくんだって。

 ある程度割り振ってから、被ったとこを話し合いで潰していった。


 ひとつ余った。

 25本あったもんね、うちのクラス24人だから当然ひとつ余るよね。


 タガセン……にも?

 みんなの視線がタガセン向く。



「俺はいらん。そんなガキのゲームアイテムなんぞ」 



こそっ

『ゲームアイテムとか知ってるってタガセン、ゲームするんだ』

『本当は欲しいんじゃないの』


「俺はいらん! 必要なやつがふたつ取れ」



 今までのコソコソ話には反応しなかったタガセンだけど、今はハッキリ答えた。

 タガセンの分、くれるって。



「誰かがふたつ……って事はやっぱり全員がひとつずつ取るで合ってるな」

「タガセンの事だから出来ないやつに無駄に使うなとか言うかと思った」



 あ、みんながチラチラとタガセンを見ていたのは、自分達の意見が間違っていないか、タガセンの反応を確かめていたんだ。

 間違った方へ進むとどうなるんだろう?……タガセンビンタ?



「って、これ、俺の夢なんだけど、俺ってタガセンが良いセンセーとか思ってないぞ?」

「いや、これは俺の夢だからな。俺もタガセンは横暴魔王と思ってるのに変だな」

「罠……か? タガセンの罠。全員に配った途端にビンタが飛んでくるとか」

「ど、どうする? 全員分配はやめるか?」



 うわぁ、また揉め始めた。

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