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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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53話 日向班

 -----(日向視点)-----


「鈴山田班はバレー部の赤城達がいるから魔法でガンガン攻めまくるだろう」


「うちはどうする?」


「バレー部は3人いるが、女バレがふたりだからな。男バレに比べて威力が弱い。もちろん男女混合トリプル攻撃も練習はしておいてくれ。だけどうちは範囲攻撃で攻める」


「範囲攻撃?」


「バレー部3人は、範囲魔法を練習してほしい」


「範囲魔法ってどんな?」


「ファイアボールしか打てないけど」


「バレー部のイメージで今まではファイアボールを打ってきた。けど、火をわざわざボールにせずに打てるか?」


「ん?」


「ゲームだと、敵が一体ならファイアボールをぶつけて倒せるけど小さい敵がワラワラといたら、1匹ずつ倒している間にこっちがやられちまう。手から火炎放射器みたいに炎を出せないか?」


「なるほど、それはやった事がなかったわ」


「火だけじゃない。水魔法、風魔法、土魔法も」


「でもそれだと威力が弱くて倒せないぜ?」


「うん。うちの班の魔法チームは、敵の足を掬う、向こうの勢い止める、複数いる相手を蹴散らすイメージだ」


「ふむ」


「俺達は所詮は素人だ。チートのスキル貰ったからっていきなり勇者にはなれない。一撃で倒す必要はない。百目木、大野はバスケ部、船橋は野球部だろ? 転がった敵に土で作った球を叩き込んでほしい。地面にリングがあり、そこにダンクをキメテくれ。船橋はデッドボール投げまくる」


「えぇー。なんか嫌な役目だな。デッドボールとか言うなよ、別な言い方で頼む」


「井伊はサッカー部だから、シュートを決めてくれ」


「私は後方で付与や回復ね」


「うん。井伊も攻撃に回るので竜崎に付与や回復は任せる。ただ状況によっては井伊を下げる。俺は攻撃系スキルは全く持っていないので後方でみんなへの指示だしに徹する。百野、魔法移動スキル持っているよな。俺が『撤退』と叫んだら全員百野へ集まり、テレポートして撤退する。無理は絶対にしない」



 城砦の近くでバレー部は範囲魔法の練習だ。



「火炎放射器はわかりやすいな」


「水はなるべく勢いをつけて足元を掬う感じかな」


「ただ水出すだけだと威力が全然ないのよ、足元が水浸しなだけ」


「あ、じゃあさ、強弱つける? 波みたいに。ちょっと誰かそこに立ってみて」


「おう」



 実は井伊は攻撃隊からは外れていた。

 土で作った硬いボールをシュートするのができなかった。足首を痛めた。自分で直ぐに回復をした。なので井伊も後方に徹してもらう事にした。


 井伊が離れた距離へ向かった。



「ウォーターウエイブ!ウエイブ!ウエイブ!」



 膝下くらいの水で、最初の波を堪えた井伊がふたつ目の波でよろけ、3つ目の波で転がった。

 水浸しの井伊が戻ってきた。



「敵の大きさや足の高さで、ウエイブを変えた方がいい。人間は二本足だから膝下程度でもひっくり返りやすいけど、四つ足は踏ん張れるかもな」


「なるほど」


「渦巻きながら水を出せるかな」


「地面に這いつくばってる敵には土魔法で捲り上げた方が効果的かも」


「あ、じゃあ、捲り上がった土と一緒に上がってきた敵に風魔法で吹き飛ばす?」


「いやいや、吹き飛ばしたらトドメがさせない。竜巻みたいな風でぐるぐるにして気絶すればトドメをさしやすい」


「あ、そしたら槍も練習しとこうよ。ちょい遠目からブスっとね」


「槍使うなら周りと距離とれよ。仲間を串刺しとか笑えないからな」



 日向班担当の護衛騎士に槍の使い方を習った。

 付けてもらった城からの護衛は3名いた。鈴山田班にも3名付いている。


 竜崎や井伊の付与もタイミングが良い。特に竜崎は周りをよく見ている。流石は吹奏楽部部長だ。指揮を取る如く軽やかに付与魔法を繰り出している。ちょっと羨ましいぞ。


 俺は(日向)スキルは鑑定、亜空間倉庫、マッピング、採取系の生産、養殖系の生産だ。完全に非戦闘員だ。出向く先でマッピングと目新しい物鑑定はするが、生産系はとりあえず置いておく。


 この世界に来てから、俺らからずっと目を離さないタガセンだったんだが、城内爆破事件から突然忙しなくしている。俺らはタガセンの目が無い事でホッとしている。


 生産系スキルのテイムを試す予定をタガセンが組んでいたが、それは先送りになっている。


 何故急に俺らから目を離す事にしたのか。ポチャ次郎はタガセンを良い人っぽく思っているが、果たしてどうなんだろうな。

 まぁ、タガセンがどんな人間であろうが、俺らは一年以内に魔力石を集めて元の世界に帰る。


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