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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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50話 新態勢

 いつもは午前中にある勉強会も今日は中止になった。お城の人達が昨日の件でバタバタしていたからだ。

 タガセンも留守。部屋から絶対に出るなと言い残して、どこかへ行った。


 僕らはタガセンに向き合うための話し合いをしている。タガセンに向き合うというか、この世界での僕らの今後の行動について、だ。


 今までは何となくタガセンの顔色を伺いつつ、この世界やスキルに馴染んでいく感じだった。

けど、みんなはもっと積極的に動いていく話をしている。


 タガセンが戻ってくるまでにイチクミの方向性と取組みについて固めておいてタガセンを納得させるんだって。

 方向性……むぅ。東西南北……どっちに進むか、ではないよね?流石にそれは僕にもわかる。けど、それしかわからない。方向性って何? とにかく静かにみんなの話を聞いていよう。



「まずさ、24人全員で動くってのがさ、非効率なんだよ。訓練もさ、メインでする班と、それ以外は見学ってのが多いじゃん?」


「まぁ、城庭が広いといっても、そもそもが訓練する場所じゃないからな」


「これからは実践を見据えての訓練にしないか?」


「それは今やってる事とは別なの?」


「今はさ、スキル別の班での訓練が優先じゃん?」


「うん」

「だな」


「はい、はい! 俺」



 江崎君が手を挙げて立ち上がった。


 ええと、江崎君はB班。バスケ部で凄く背が高い。僕ら中2なのにあの身長って、大人になる頃には2メートルいっちゃうんじゃないかな。



「俺さ、ゲームとか好きで結構やるんだけど、ソレ系のアニメとかも見る」


「ふんふん、で?」


「今ってさ、A班が魔法特化、B班は体術特化、C班が補助系、D班は生産系。同じスキルで集まってるけど、訓練ならそれでもいいんだよ。でも実際に城の外へ討伐に行くとしたら同じスキルが集まるのは悪手だ」



 握手?……仲良しすぎるって事かな。



「この手の世界ではさ、バラけた役割でバランスのとれたパーティにしないとダメだ。同じスキルが集まっただけだと全滅しやすい」


「確かに。回復系が全くいないのは良くない。ポーションも持てる数が限られるしな」


「その前にポーションあるの? この世界」


「あー。その情報も早々に入手する必要があるな」


「もし売っててもさ、俺らこの国のお金無いじゃん? 買えないぞ?」


「そうね。回復スキルがいるにしても最低限のポーションは持ってた方がいいんじゃない?」


「じゃあ、ポーションの存在、入手方法をあとで聞いておこう」


「でだな、さっきの話に戻すけど俺らはこれから魔物と戦う事になる。そもそも俺らが召喚された理由が増えすぎた魔物討伐、そして俺らが元の世界に帰るためにはその魔物から出る魔石が必要」


「そうだな」


「だから、魔物討伐に適したパーティに組み直した方がいい」


「討伐に適したって、どんなだ?」


「バランスの良いパーティって事? それはどう言う組み合わせになる?」


「魔法攻撃、物理攻撃、回復薬、補助系、これらでいちパーティだ」


「4人ひと組み?」


「いや、だいたい6人前後かな」


「D班はそのままで良しとして、残り18人……」


「3チーム作るか。魔法2、体術2、回復1、補助1で6人、3パーティ」


「賛成」


「いいんじゃない」


「でもなぁ。せっかくトリプル火球を成功させたのになぁ」



 赤城君達バレー部が残念そうな顔をしている。

 あれか、レシーブ、トス、アタックで炎の球が3倍になるやつ。 

 確かにあれが使えないのは惜しい気がするよ。



「あ、じゃあさ、9人で2パーティは? どうかな? 多すぎる?」


「いいんじゃないか? 日向、パーティ組み直してくれ」


「オッケー」


「2パーティプラスワンか。こっちのがわかりやすいな」



 えええ、どんどん変わっていっちゃって、僕覚えられるかな。



「ポチャ次郎、大丈夫だ。D班はそのままだからな」



 太郎君が右から、城之内君が左から僕の肩を叩いた。



「良かった。あ、でも、部屋は? ……部屋は関係ないか」


「ねぇ、部屋なんだけど、何かあるたびにタガセンが各部屋に呼びにくるじゃない? この際、部屋も変えない?」


「パーティごとに? 男女一緒になるぞ?」


「違う違う。今の部屋ってかなり広いじゃない? ベッド6つとそれぞれの枕もとに小さいテーブル。それから部屋の中央にソファーセットとかさ」


「広いねぇ。学校の教室より広いって思った」


「ポチャ次郎の部屋がさ、ベッド6個くっつけて壁側に置いてたじゃない?」



 あ、うん。タガセンのベッドだけちょっと離れてたけど。



「ベッド自体もかなり大きいよね。ホテルの……何サイズって言うのかな」


「縦にも横にもデカイよな? 外国人の王様サイズか」


「ベッドくっつけて寝るとかなり余裕あったぜ。真ん中にポチャが寝ても両端のベッドは余ってた」


「6個くっつけたベッドの両端にもまだベッド入るよね?」

「ベッド10個くっつけたら12人寝られない?」


「余裕でしょ。8個でも足りる」


「そしたらさ、男子部屋、女子部屋でふた部屋に出来る。何かあった時に動きやすい」


「廊下に出ないで隣に行ける扉に気がついた? たぶん鍵がかかっているから使われてないし、花の乗ったテーブルとか置かれてるから気が付かなかったかな」


「え、あの後ろ、ドアなん?」


「そうなの。1班は孤立しているみたいだけど、3班を挟んで2班と4班はドアで繋がってるのよ」



 僕らは最初、廊下を挟んで男子2部屋、女子2部屋だった。けど、部屋の班替えをしたタイミングで、使う部屋も変わったんだ。

 横並び3部屋と、廊下の向こう2部屋。2部屋のうち一部屋が午前中に勉強で使ったりしていた。



「知らなかった。女子部屋と繋がっていたのか」


「馬場ぁ……」


「あ、ちが、覗いたりしないぞ?」


「でさ、今の2班の部屋には男子のベッドを集めて男子部屋に、4班は女子部屋にして、真ん中の3班の部屋にはタガセンのベッドとソファーやテーブルを集めて共同部屋にしない?」


「なるほど。それだと何かあった時にタガセンも俺らを呼び出しやすいな。それとクラス会議も真ん中の部屋で出来る。賛成だ」


「賛成賛成! タガセンと別部屋になれる」



 みんな賛成だった。けど巨大なベッドは僕らじゃ運べないしお城の人に頼むしかない。ソレ以前にまずはタガセンの了承を得ないとね。それは日向君達がなんとかしてくれるはず。



「じゃあ、部屋替えと、パーティを変える件はそれで決まりで、今後の活動に関してもっと深く決めようぜ。タガセンを説得しないといけないからな」


「出来た」

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