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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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46話 新しい班?

「ポチャ、顔洗いにいくぞ?」



 揺さぶられて目が覚めた。


 みんな早いな……今何時? 謎の時計を見たら針は3時の位置より若干上にある。だから、それ、何時?



「顔洗って走ったら朝飯だ」


「今日は全員で走るぞ」



 え、何で全員で走るんだ? 僕、運動部のスピードには付いていけないんだけど。



「昨日の事があるから今日は常に全員行動だってさ」



 昨日の事って何だっけ……。ええと、城之内君が誰かと付き合ってて、あ! 爆弾事件。ようやく目が覚めた。


 そうだった、昨日なんかどっかで爆弾事件があったんだっけ。


 いつもは適度な距離に離れて僕らを監視しているタガセンが、今日はピッタリついている。城庭をいつもより狭い範囲で走る僕らのすぐ後ろにくっついて走っている。と言うか、どん尻を走る僕のすぐ後ろにタガセンが居る。



「無理ならスピード落とせ」



 背後からタガセンの声。僕の後ろにピッタリ付いて走っている。 

 僕はみんなから既に一周遅れになっていた。



「ポチャ、ファイッ!」

「頑張れポチャ」



 みんなが追い抜くたびに僕に声をかけていくけど、返事は出来ない。

 ふぁーふぁーふぁーふぁー

 あと何周ぅ?


 いつもは太郎君が一緒に走ってくれるから太郎君にお任せだったんだ。けど、今日は太郎君に裏切られた。タガセンがいるから『先に行く』と置いていかれてしまった。


 太郎君は僕と同じくらい太っているのに、実は走るのは速い。筋肉質だからかな。でも運動が好きじゃないからって走る時は一緒だった。



「鼻から吸え、鼻から吸って口から出す」



 タガセンの言葉の意味は理解できるけど、それを実行出来るかは別。苦しいから息吸いたくて口から吸っちゃう。だってだって、鼻の穴より口の方が大きいから吸いやすいじゃん。

 でも、吐くのと吸うのがごっちゃになって、もう……。



「ストップ、もう歩け。止まるな、ゆっくり歩け」



ひゃーひゃーひゃーゼェゼェ……


 背中にタガセンの手が置かれているのに気がついた。何だっけ、合図だっけ? ファイティングポーズ……。胸の前で両手グーで……それを斜め上に上げるだっけ?


 グーにした両手を上に上げかけた時、クラスのみんなが突然走りよってきて(とタガセン)を取り囲んだ。


 見るとABCと班ごとにまとまっている。D班は僕の背後で、城之内君が僕の肩に手を置いていた。


ふーふーはー、ふーふーはー。

 やっと息が整ってきた。



「ちょっと!ちょっと! 何でポチャ次郎がそのポーズするのよ!スキル持ちは私だからねっ!」



 場に広がっていた緊張感を叩き割るように漆原さんが叫んだ。



「あ」

「や、そうなんだけどさ、なぁ」

「練習じゃなかったんだ? ポチャ次郎がタガセンから指示されて俺らがすぐに動けるか試したんだと思った」

「私もそれ思った。だから咄嗟に動いちゃった」

「百野に釣られたぁ」

「グーしながら走るからさあ」



 そうだった。寝ぼけたまま走ってたからつい……。


 目が覚めた。魔法移動スキルを持ってる人がこのポーズをして、みんなは班でその人に掴まるんだった。僕の班、D班はえっと、鈴山田さんだけど漆原さんもDに入ったから、どっちだ?



「ポチャ次郎ぉっ! アンタは私に掴まるのよっ!」



 イタタっ

 漆原さんに耳を掴まれて引っ張られた。


 鈴山田さんはC班のみんなに囲まれていた。あれ? もう班替えしたんだ?

 C班がちょっと羨ましい。天女さまのような鈴山田さんと一緒のチームなんて。


 うちのD班は、僕のような馬鹿が近寄ってはいけない女神様のような董明さん、怪しい活動をしてそうなやないさん、それと怒りん坊の漆原さん。女子怖い。



「良い判断だ。鈴山田。交代前でC班に移動スキルがいないからな」



 凄い。鈴山田さんがタガセンに褒められた。タガセンって怒るだけじゃなくて褒める事もあるんだ。



「走り終わったら柔軟はしっかりしておけ」



 タガセンに言われてみんなが柔軟を始めた。僕……まだ終わってない。



「草凪ももう柔軟だ」



 助かったぁ。疲れたよりお腹が空いてこれ以上は走れない。

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