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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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30話 D班のスキル

 パンツだけにされた僕を残してC班は去っていった。


 これはもしやイジメ? パンツ姿を動画にしてSNSに晒すのかな。あ、でもここ圏外だった。



 C班がいなくなったあと、日向君達は漆原さんに色々と付与してもらっていた。日向君はちょっと前のC班みたいに飛んだり跳ねたりと楽しそうにしていた。



「漆原さん、魔法移動ってやってみた? 一緒に試してみない?」



 鈴山田さんが漆原さんを連れて少しだけ離れた所に移動した。

 魔法移動というスキルは鈴山田さんと漆原さん、A班とB班にはふたりずついたはずだ。


 AB班は今は剣や魔法に夢中だからそれは後回しみたいだ。

 うちの班は外へ出ないと生産が試せないので、ふたりで先に試すみたい。

 董明さんと日向君はマッピングを研究するみたい。


 残ったのは平凡な3人、やないさんと太郎君と僕だ。


 やないさんはスキルは元々4つだったんだって。鑑定、亜空間倉庫、生産(採)、生産(育)。

 太郎君と僕は一緒のスキルで、鑑定、生産(採)、生産(狩)×3 、亜空間倉庫だ。


 スクロールは6枚取得したけれど、同じ種類を3枚覚えたので、スキルの種類で言うと4種類。僕ら3人は鑑定と倉庫は経験した。残すは生産系だ。


 ひとつは、生産(採)と呼んでいるけど、スクロールに記載されていたのは、正確には生産(採取、採掘、採石)だそうだ。

 採取、採掘、採石かぁ、城内では使えそうにないスキルじゃない?


 採掘や採石なんてどこかの山か洞窟に行かないと無理だろう。ギリ出来るとしたら採取?

 城の庭で雑草の採取……。採取っていうの? それ、ただの雑草取りでは? 手で雑草を引っこ抜くのと、スキルを使うのと何が違うんだろう?



「暇だな」


「だねー。石鑑定は飽きちゃった」


「ねえ、この辺で採取してみる?」


「何を?」


「この庭に採取できる物なんてあるー?」


「とりあえず、唱えるだけ唱えてみる?」



 僕ら3人は横並びに立った。



「んー、生産?……何も起きないな」

「生産!生産!生産!」


「やっぱりお城の庭じゃ、採取出来る物がないのかな」


「生産スキルは3種類あるし、もっと細かく指示が必要なんじゃない?」


「ああ、そっか。生産採取!……何も起きないぞ? 採取出来るもんがないんだな」


「太郎君、諦めるの早いよ。何を採取したいか言わないとダメなんじゃない? 例えば、なんだっけその雑草、鑑定! あ、うん、トクダミ草か。採取!トクダミ草!」


「ポチャ次郎、普通にそれ引っこ抜けばいいんじゃないの?」


「そうだよ、次郎。わざわざ生産スキルを……ぉお?」



 僕の手見た太郎君が叫んだ。


 鑑定したトクダミ草だけでなく、近くに生えてたトクダミ草も僕の手の中に集まったんだ!

 狭い範囲だけどそこにあった数本が。


 凄いな、生産スキル。何が生産なのかわからないけど、採取は成功した。

 太郎君が『テッテレー』と歌っている、何それ?



「すげぇ、一瞬で集まったな」


「生産採取ってそういう使い方なんだ?」


「わからないけど、1、2、3……8、全部で8本。多分まだレベルが低いから狭い範囲でしか使えないのかな」


「俺もやってみよう」


「私、石集めてみる。……あれ? 集まらないな、どうしてだろう? 石の名前を正確に言わないとダメなのかしら」


「やないさん、石は採取じゃないんじゃない?」


「あ、そっか。採……採掘……じゃないな。掘らない。そこらのある石を集めたい。採石かな」


「生産採石、石っコロ! お、おおおお! 集まった集まった!」



 やないさんより先に太郎君が試した。



「むむ、じゃあ私は採掘を試す。地面の中に何か埋まっているかもだし。生産、採掘ダイヤモンド!」



 やないさん……、ダイヤモンドが地面の下に埋まっているとは思えないよ。

 うん。埋まってなみたいだね。



「生産、採掘!金! 銀! 銅! ちょっとぉ、何も出ないんだけど」


「うん、それも埋まって無かったんだね。土とかに粘土とか砂鉄とかにしてみたら?」


「ちっ。生産採掘〜、砂ー。はっ、集まったー」



 なんか投げやりなやないさんの足元の土がモコモコ動いたと思ったらズボって感じで砂が噴き出して小さな山を作った。

 この地面の土の下に砂があったって事?



「砂いらねー」



 やないさんが小声で呟いてた。


 そして、僕らはすぐに飽きてしまった。目的の無い草や砂を集めてもね……。



「あとはここでは出来ない、生産の狩猟、解体かー」


「そうだねー」


「私は生産の養殖、養蜂、飼育」


「あ、飼育ってテイムかもしれないんでしょ? タガセンと集まって何話してたの?」


「うん、いきなり魔物をテイムするんじゃなくて、まずは動物をって事で、狩猟用に犬とかを用意してくれるよう頼んだみたい」


「そうなんだ」


「用意出来たら呼びにきてくれるって。でもなー。タガセンと一緒かぁ」


「恐ろしいね」


「だな」


「頑張って、やないさん」

「頑張れよ、梁井」


「他人事ぉ」


「他人事だもんな?」

「うん」



 僕、飼育持ってなくてよかったー。


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