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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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17話 警戒

 あの後、部屋の戻ってまたベッドに入った。眠れないと思ってたのに直ぐに寝てしまったようだ。


 朝、メイドさんが扉を叩く音で目が覚めた。じゃなくて、自分のお腹の音で目が覚めていた。



 全員で一列並んで食堂へ向かう。

 着替えも無いし、歯磨きセットもない。トイレは済ませたけど、顔は洗っていない。


 みんなはジャージでこの世界に来たので、そのジャージで寝て、起きてもそのままだ。

 僕は遅刻ギリギリで教室に入りかけた時にあの光に巻き込まれたので、手には学生鞄、背中にはデイバッグがあった。


 デイバッグの中にはジャージもあった。ので、一応着替えて寝て、起きたらそのままジャージでみんなと同じ格好になった。でも下着や靴下の替えが無いのは気持ち悪い。あと口が気持ち悪い。歯磨きしたい。流石に歯磨きセット持って学校には行かない。



 異世界3日目である。


 朝食をとりながら、タガセンから色々と話を聞かされた。タガセンは昨日、このお城の人と話をしたそうだ。


 だけど結局わかったのは、僕らを召喚したこの国の偉い人は召喚のためにどこかへ行っていて、戻ってくるのに20日ほどかかるんだって。

 かなり遠くに行ってるみたい。


 それまで僕らは、城内から出なければ自由に過ごしていいみたいだ。

 食事も3日目になると慣れてくる。と言うか、空腹には逆らえない。野菜多め……野菜だらけの食事もそれなりに美味しくいただいている。パンが堅いのがちょっとね。



 日中は僕ら1班の部屋でクラス会議が開かれた。そこでタガセンから注意を受けた。


「城内は自由と言われても、基本監禁されているようなものだ。絶対に個人行動はするな」



 いつも無口なタガセンにしてはハッキリ口にする。顔もかなり怖い。その顔にみんな一瞬震えあがったけど、それでも意見を出し始める。



「監禁……なのか?」

「鍵はかかっていないよな」

「城から出るなって事だろ? 城内自由ってさ」

「城の中ならいいのか?」

「庭もいいらしい」

「でも何かあったら怖いし」

「出ない方がいいか。基本は部屋に居るか?」



「それでいいんだな?」 



 タガセンの、いつもの一言。みんなが慌てる。



『どれで?』

『どれでいいんだ?』

コソコソ

『部屋から出ないでいいって事?』

『ダメって事じゃ』

『部屋からは出たほうが……』

『城からも出たほうが…』

『それはダメだろ?』 


タガセン、ジロリ 


『城からはダメだ』

『城内探検はしたほうがいいかも』

『トイレどっかにある?』

『部屋にあるよね? 続き間の扉の中』

『部屋以外の共同トイレとかないのかな、その……』

『ウンコの時か』

「バカっ!」

「日向、デリカシーない!」


 ヒュウガ君が女子に吊し上げられていた。


 食事は3食出る、共同トイレもあった。風呂を聞く、大浴場がある、毎日ではないけど使っていいみたい。やはりここは日本のギリシャ村、いやローマ村か。

 「風呂に潜れば元の世界に戻れるかも」やないさんが謎の呟き。



 クラス会議で決まったのは、『常に全員で行動、城の中の散策、翌日からこっそりスキル検証を行う』の3つだ。


 全員で行動なのに、こっそりスキル検証とか出来るのかな? 目立つよね? バレバレじゃない?




-----(田川視点)-----


 やはり、異世界召喚モノのラノベを読まない生徒には強く警戒を促しておかないとな。

 この国が俺たちにとって敵なのか味方なのかもいまだ不明だ。

 もしも敵だった場合は、この国を出奔する事も頭に入れて動こう。


 召喚モノでありがちな1番の危険、それは『隷属』だ。隷属のアクセサリーや魅了魔法により、奴隷とされてしまう。


 今の俺たちにはどれが『隷属』かの判断が出来ない。もしも隷属化された場合、ソレを解く術もない。なので、呑気な生徒達に喝を入れた。



「何かくれると言われてもほいほい貰うな! 誘拐犯の手法だ」



「えー、田川先生、俺たちもう中2ですよ? 飴くれるって言われてついて行くやつなんていませんよ」


 いい終わりかけた城之内がハッとした顔で草凪を振り返った。草凪は飴に釣られてホイホイついて行きそうだ。



「ポチャ次郎、飴くれる人は誘拐犯だからな!」

「そうだぞ、飴以外でも……例えば、バナナをくれてもついていったらダメだからな」

「ポチャ次郎は何もくれなくても着いていきそうだな、太郎、ポチャ次郎を頼んだぞ?」

「へーい。次郎、俺から絶対離れるなよ?」


「わかった。飴2個貰ったら太郎君にあげるね」


「ポチャ次郎ぉぉ! 飴、貰う気満々だろ、それ!」


「ちがっ、違う、飴は貰うけどついては行かないよ? 貰うだけならいいでしょ?」

「よくねえだろー!」

「いや、いいのか?」



 草凪からは目を離さないようにしよう。



「魅了スキルや隷属の首輪に気をつけろ」



「そっかぁ、異世界ならそう言うのあるかもなぁ」

「魅了スキル……、私欲しいわ」

「自分スキルを磨けー」

「でもさ、首輪なんてバレバレなのを持ってくる?」

「首輪したい人いるー?」

「特殊な性癖の持ち主なら首輪好きかも」



 どこまでも平和な日本の中学生だ、呑気なのも仕方がない。24人、俺ひとりで守れるのか。



「腕輪や指輪かもしれない。うかつにこの世界の者から貰うなよ、いいな」




「指輪とかよくない?」



 いつも以上に怖い表情を作ったつもりだったが、女子が盛り上がってしまった。



「その指輪をしたら『一生あなたに従います』? 結婚? それ結婚指輪?」

「外せないかもだぞ?」

「外せない方がいいよ。うち、それで崩壊したから」

「隷属の指輪で?」

「違う、結婚指輪。ママが指輪外して浮気してた。それバレて離婚。でもババァ、あ、パパのお婆ちゃんと仲が悪かったんだよね。嫁いびり酷かったけどパパはいつも無視してたし。ママの気持ちも少しわかる」



 どの家庭も普通に見えて色々とあるんだな。いや、そうではなくて、とにかく貰い物禁止だ!

 早急にスキル訓練を行おう。

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