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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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16/21

16話 2日目の夜

 新しい部屋割り、僕らの部屋にタガセンが居る。僕の隣のベッドだ……。昨日も一緒の部屋だった。いいけどさ。


 4/7、学校の教室からあの白い部屋へ行ったあの日はやけに1日が長く感じた。

 お腹も空かなかったしトイレにも行きたくならなかったので、実際にはそんなに長い時間じゃなかったのかな?


 扉を出たら草原で、この国の兵士に囲まれて僕らはここに連れてこられた。

 『じょうさい』じゃないかって、太郎君が言ってた。


「城塞だな」

「だから城砦だろ?」

「善哉が言ってるのは砦の城砦じゃないか? 俺のは城や街が一緒になった城塞」

「違うのか?」

「漢字が違う」

「ああ!寒いに似てる字のほうか」



 僕には太郎君と城之内君の会話が謎すぎた。

 ジョーサイジョーサイ言い合ってる。城之内君が紙に書いてくれた。なるほど、寒いに似ている。

 なんか部屋中も、外から見た感じ寒々しいから『城塞』なのかな。


 そう言えば、『城塞』って言うくらいだから、ここってお城なんだよね?

 お城と言えば王様。この建物に王様もいるのかな? 王様って見た事ないな。白いヒゲとか生えて……あ、それだとサンタのイメージか。クリンクリンと鼻の下ヒゲかな。


 王様かはわからないけど、偉い人が今、留守にしていて戻り次第僕らに説明をするって言ってた。

 何の説明かな? 僕達がこの世界に呼ばれた理由? 魔王退治とかならお断りしよう。


 

「夢にしては長いよなー」

「誰の夢だよ、夢でない場合って何なんだろう」

「マジもんの異世界召喚かな」

「異世界召喚ね。あ、俺、魔法スキル取ったんだ! 使ってみてえな」

「部屋で魔法は禁止な」



 皆も眠れないみたい。僕もベッドに横になってるけど目がギンギン? ランラン? に冴えて眠れない。


 今何時なの?

 いつも夕飯後って何してたっけ。あ。ラジオ。そうだ、パズルしながらラジオ聞いてた。僕、パソコンもスマホ持ってなかったからいつも夜はラジオなんだけど、友達に話すとバカにされたな。面白いのに……。



「腹が減った」

「だよなー。いつもならゲームしながらポテチ食ってる」

「スマホもタブレットもないって、マジする事ないなー。動画観たい」



 みんなも暇を持て余している。それに、確かにお腹空いた。


 食事は出されたけど見たことない外国メニューだったし、パンをちょっと齧っただけ。パンもなんかパサパサしてた。



「隣の部屋のやつらもう寝たかな。起きてたらもう少し話をしたいんだけど。個人行動はNGだから悪いけどみんな着いて来てくれん?」



 城之内君が言いながらタガセンを見ると、タガセンは微かに頷いた。

 全員一列で廊下を進み隣の部屋へ向かう。それにしても無駄に広いなこの城の廊下。部屋も広かったけどさ。


 先頭の赤城君がノックをすると直ぐに出て来た。こっちの部屋でもみんな眠れなかったみたい。

 女子部屋にも呼びに行って全員で2班の部屋へ集合した。




 やってきた女子はメソメソモード全開のようだった。みんな目の周りが赤かったり、瞼が腫れている子もいた。



「帰れないのかな」そう言って泣き出す子がいる。



「そうやって泣いてるだけで、いいのか?」



 タガセン一喝。びっくりしたあ。タガセンも来たんだ、こっちの部屋に。


 泣いてた女子が嘘泣きだったんじゃないかってくらい、ピタリと泣き止んだ。

 僕の近くにいた女子、誰だっけかの鼻水が垂れていたのでティッシュを差し出した。


 今朝学校に行くときに綾香さん(叔母)から持たされた。

「陽一郎、ハンカチ、ティッシュは忘れずに持った?」

 小学生の時から毎朝言われている言葉。中学に上がって綾香さんは朝早く出勤するようになって、玄関で言われる事はなくなった。


 でも、あの日、4/7は珍しく綾香さんが、朝、玄関まで送ってくれた。

 僕はポケットの中からそれを出して見せる。


「持ったよ、行って来ます」


 いつもの朝だった。着いた先はいつもではない場所だったけどね。




「ありがと」


 その女子が受け取ったティッシュを見て他の女子が群がった。



「あ、ティッシュ!」

「ね、ね、大事に取っておこうよ」

「この国で売ってるの確認できるまで」

「だよね、だよ!」



 何か女子が一丸となった。

 怖っ。ぼ、僕のティッシュはもう返してもらえそうにない。一枚取ったら返してほしかったのに。



「ねえ、まだある?ティッシュ!」



 僕より背が高い女子がカツアゲするように僕の上から顔を近づけてくる。慌てて首を振る。



「そ、それだけです」



 気がつくと僕は女子に囲まれていた。それは良い意味ではない、運動部の女子怖っ。

 背が高いのは男子だけではなかった。バレーも部バスケ部も女子は僕よりずっと背が高い。


 ええと、僕の背が低い、とも言うんだけど。

 僕は145cmなんだ。これから伸びる予定だけど、上より横に伸びていっている。

 運動部は男女とも170はあるって聞いた。勿論全員ではないけど、レギュラーになる子達は皆背が高い。


 あれ? もしかしてクラスで僕より低いのって、さっきティッシュを渡した女子だけ? ええと、やないさん? 145.6……? ギリ、僕のが高い。145.8だからな。今年の身体測定はまだだけど3、4センチは伸びたから148センチかも?


 くっ、負けた……。僕は先日、退院前に病院で測って145.8だった。何で入院すると体重(身長もセット)測らないといけないのか意味わからない。


 ポチャ太郎君が僕の肩をポンポンと叩いた。慰めてないよね? 太郎君はポチャというか硬いし骨太でこれからどんどん伸びそう。今でも僕より5センチ以上高い。くっそう。


 タガセンから短く「飯と睡眠はしっかり取れ」と言われた。


「この先何があっても体力だけはベストにしておけ。頭が冴えて眠れないなら身体を疲れさせろ。各自腕立て50、腹筋50」



 ひええええええ。

 運動部はその場で即始めた。



「文化部は腕立て10、腹筋15。草凪は退院後だから今夜は免除だ。善哉の足を持ってやれ」



 見るとポチャ太郎君は腹筋をしようとしているが足が上がって体は起き上がれないようだった。僕は足を押さえながら盲腸に感謝した。

 主に文化部がヨロヨロしながら立ち上がり、各自が部屋へ帰って寝た。寝ないとタガセンに怒られそうで頑張って寝た。


 あれ?あれ? みんなでの話し合い……。


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