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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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150/159

150話 在ブリ日本大使館

 あれから数年


-----------



「在瞬日本大使館、出来たってさ」


「え? 何それ……。ざいしゅ?何? 大使館?」


「在瞬。瞬きって漢字でシュン。ブリンクランドを無理くり漢字にしたら瞬国なんだってさあ。ブリンクって瞬きとも訳せるから」


「ああ、それで。ブリンクランドで瞬国。英国とか米国みたいな言い方か」


「そ」


「で、そこに日本大使館が?」


「正式に出来たって」


「じゃあこっちには、港区あたりに在日ブリンク大使館とか出来る予定なのか?」


「いや、それがさぁ、召喚陣を潜れるのって地球側だけなんだって。召喚後に、向こうの人を混ぜて帰還させても、帰還で戻ってくるのは地球人だけだったってさ」


「へぇ。……ん? 地球人って事は、日本人以外も試したんだ?」


「そうみたい。ほら、米国のプッシュがかなりキツかったみたいでとうとう召喚メンバーに米国が入った」


「ほぅ。そりゃ、他の国も黙ってないだろうな」


「大変みたいだねー。俺たちの知ったこっちゃないけど」


「それでかぁ。うちの親とか親戚に警護がついた。多分、みんなのとこもついてるぜ。攫われて人質になったら大変だからな」


「ああー。俺らは滅多な事じゃ攫われないけどな。スキルあるからな。身内を誘拐されて人質とられたらアウトだからな」


「若干一名、うっかり攫われそうなのはいるな」


「ポチャ次郎な」


「それでかー」


「何?」


「昨日ポチャから、知らない人に囲まれたり追っかけてくるってLINEきたから、城之内班が集合させられてた。ポチャ次郎、ボンヤリしている割に変なとこが聡いw」


「でもさぁ、びっくりじゃないか?」


「何が?」


「海外の誘拐が?」


「じゃなくて、召喚システム。あれどうなってんだ?」


「ああ、驚いたな。今のところ、回数無限なん?」


「なっ。12ヶ国分の召喚・帰還で終了と思っていたのに、12ヶ国終わったらまた1から使えるとか、召喚の塔、エグくない?」


「凄えわ。魔力石さえ集めればエンドレスで召喚と帰還が可能。今や地球人、あちら側へ行き放題じゃん」


「帰りの切符は、一定量の魔力石が無いと買えないらしい。帰れない」


「行ったやつはまずは魔力石集めに駆り出される。貯まるまでは関所に留め置かれるって」


「関所っていうか、入国審査施設な。じゃないと誰も彼もがあっちに逃げ込んじゃうからな」



「だから正式に在瞬大使館を設立したらしい。日本に続いて、在瞬アメリカ大使館も出来るらしいぞ。他の国も続々と」


「向こうの人、嫌じゃないのかな。国が、違法難民ってか地球人に乗っ取られる」


「まぁ、そう言う意見も出ているらしいけどな、滅びかけていたところに親切な(日本人の)戦力と物資が手に入るわけだから、賛成派はそれなりにいるらしい。徐々にインフラも整えていってるらしい」


「それでかぁ。物流のバイト代がヤバイくらい上がってる。もちろん行くがな」


「日向先生は亜空間倉庫持ちだからな」


「収納系スキラーには随時募集の連絡が行ってるはず」


「自衛隊がスキル入手するまで俺らがこき使われるのかぁ」


「次のスキル、どう思う?」


「どうって?」


「スキルスクロールがいつ復活するのかって話」


「董明の予測だと、百年先だろ?」


「あっちでも自衛隊が色々と探っているみたいだな。他にスキル取得出来る方法がないか」


「董明、どう思う?」


「ロシアや中国は、あちらの別の大陸を探るんじゃないかしら」


「別の大陸?」


「ええ。あちらの世界が、私達が召喚された大陸だけとは限らないじゃない? 交通の便が良くなかったので遠くまでは行けなかったし、山脈や砂漠の先、海の彼方にどんな国があったのかも不明だけど、文明があそこだけとは思えない。そして他の大陸でも召喚を行っていないとは言えない。ロシアも中国も、たぶんそちらを目指すと思うわ。スキル入手のために」


「確かになぁ。百年待つより確実かもしれないな」


「もちろん日本もアメリカも、そのうち他大陸を目指すのではないかしら」


「ますますバイト募集が苛烈になる予感がするな」


「魔法移動、マッピング、縮地……そっち系のスキルの時給も上がるな」


「遅くなってごめんなさい」



 店の入り口からポチャ次郎が入ってきた。後ろから太郎や城之内も入ってくる。

 今日も城之内班で行動をしたみたいだ。



「次郎、買えたか?」


「うん! 遠足……じゃなくて、修学旅行じゃなくて、異世界旅行に持っていくオヤツをちゃんと買った」


「旅行じゃなくて、バイトだけどな、泊まりがけの」


「だって、2ヶ月もだよ? 僕、こないだ貰ったバイト代を全部オヤツに注ぎ込んだ。亜空間倉庫にはまだまだ入るし」


「どこに買いに行ったんだ? ドンキンか?」


「ううん、コスントコ。漆原さんが会員証持ってるって」


「違うわよ、ポチャ次郎。私じゃなくて、会員証持ってたのはうちの姉よ」


「うん。お姉さんいい人。一緒に行ってくれた」


「あれ? コスントコって3名までじゃなかった?」


「董明さんとこも梁井んとこも姉妹が会員だから、城之内班全員入れたわ」


「おーい、全員集まったから、乾杯しようぜ!」



 今日はイチクミの定例会だ。

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