141話 無い知恵絞るけど無いもんは無い
最近は毎晩寝る前に、高田の爺ちゃんと召喚条件を考えている。
第一条件の『19名以上』はマックスの『25名』にした。
別に今いる僕らとピッタリの人数を召喚しなくても、というか、逆にピッタリじゃない方がいいかもと言う話になった。
「そうだよね。19人召喚した後に僕ら19人は帰らせてもらうけど、召喚されたけどやっぱ肌に合わない、帰りたいって言う人がいるかもだもんね」
「ああ、だから余裕を持ち25人召喚にした方がいいじゃろ」
「6人は帰れるし、残る人からの伝言も持って帰れるね」
「それはわしらでも持ち帰れるがの」
「そっか。そうだね。来たばかりでも6人は帰れるのか。そっか、そうだ、ね。…………そっか」
来ても帰れる。
来ても帰る事が出来る。
それなら……。
僕、凄い事、思いついちゃった?
「あの、太郎君とかやないさん、呼べないかな。僕より文献の事、詳しいんだ。すぐに帰れるなら呼んでも怒られないかな」
僕は記憶容量が少ないからあんまり覚えてないけど、やないさんなら覚えているかも!
「あの、あのあの、やないさんなら8番目の国の事、覚えているかも! 太郎君とやないさんは僕より文献をたくさん読んでたし覚えていると思う。ふたりを呼べないかな」
召喚条件
第一が25名
第二が千葉県流山市立緑陽中学2年1組
あ、あれ? あれから1年は経ってる?
もう3年1組かな。2年3年はクラス持ち上がりって言ってたよね。だからきっと『3年1組』だ!
僕に抜かりはないぜ。
第三条件は……第三条件は、前と同じスキルで来て!
「僕って天才!」
「待て待て、ろく中1組は23人じゃろ。23人が来たら本郷中は帰れんぞ。それとまだ1年は経っとらん」
ガーン
僕ってバカ。
「んじゃ、んじゃ、第一が25人、第二がやないさん、第三が太郎君?」
「それは……梁井と太郎の集まっている場所で召喚が起こるぞ?」
「ええええ! くぅぅぅ。召喚、難い。ええとじゃあ、第二がろく中で、第三がやないさん。どうだろう」
「うむ、どうだろうな。ろく中を指定しておるから梁井さんは確実にくるじゃろ。が、召喚が起こった時に梁井さんの周りに居た24人は巻き込まれるな」
「ええっ! じゃ、25人指定をやめる! そしたら梁井さんだけがくる」
「ポチャ次郎……それだと本郷中の生徒が帰れんぞ。ひとりしか帰れん」
「ぐわあああああああああん」
「落ち着け」
難い難い難い難い難い難い。
やっぱり僕に頭を使う事は無理だった。
「今日はもう寝れ」
寝床に入ったけど、頭の中は『羊が1匹、羊が2匹、第一が25、第二がろく中、第三がやないさん、第一が25、第二がろくち……』
眠れない。
朝が来た。よく寝れた。スッキリー。
「おはよう、次郎、寝れたか?」
「おはよ、爺ちゃん。寝れた。罠見てくる。って待って、僕、思い出した、寝てる時に浮かんだんだ」
召喚条件!
「ブリンクランドが僕らを召喚した時は、第一が25名、第二がチュウニ、第三がバランスだったかな」
「うむ?」
「他の国も第三だけ別々にしたんだよね」
「そう聞いた」
「召喚条件ってさ、第一が1番優先されてる。どこも25人召喚された」
「そうだな」
「第二のチュウニは、中2と勘違いされて中学2年のクラスで召喚された。選ばれた学校がどうして選出されたかは不明。だけど、第二は完全じゃなかった。だって、先生とか爺ちゃんも居たでしょ? 第一条件の25人を大優先するのに中2はちょっと欠けちゃった。そして第三になるともう、それぞれ。ブリンクランドの『バランス』とか他の国の『魔術』とか、どこがどう作用しているのか調べてないからわからないけど、その程度」
「うん?」
高田の爺ちゃんは僕が何を言おうとしているのかまだわからないみたいだった。
「だから絶対的な条件は『第一』だけだよね? そんで第一条件は、ろく中のやないさんにする。ええと学校名クラス名とやないさんの苗字と名前もちゃんと第一に入れる」
やないさんの名前は美優、苗字の漢字は覚えられなかったけど、名前のみゆは美しくて優しいって聞いたのを覚えている。
「人数をどうするんだ?」
「やないさんも入れて20人は帰りたいから、やっぱり条件に人数はいれる。第二、第三がどの程度反映するのかわからないけど」
「20人の召喚じゃと、梁井さんと一緒に召喚された19人は残される事になるな」
「そうなんだよ。だから人数はマックスという表現にしてみる。召喚陣のマックス人数がハッキリするはず」
「第二は?」
「第二は自衛隊。それなら大人が来るはず」
梁井さんは自衛隊じゃないけど、第一条件にあげるから絶対来るはず。
「第三がここでやっていける者。これ大事」
「なるほど。梁井さんは確実に召喚されるな。第三で、異世界好きではなく異世界でやっていける者か、そして、自衛官。中2に大人が混ざったように召喚陣の大きさにも限度があるのかも知れん。となると、梁井さんの近くに自衛隊員がいなければ第二はゼロかもしれんな。だが第三のフォローがあるからそれも良し、か。よく考えたな」
やった! 爺ちゃんに褒められた!
「だが、ひとつ、重大な落とし穴がある」
えっ……、嘘、どこ?
「8番目の召喚国の場所を知っているかもしれん梁井さんが、その8番目の国があった場所に来る。わしらは知らん」
あ、ああああああああああああああああ。
迎えに行けないぃぃぃ
もう、召喚条件が難しすぎまくるんですがあああ!
果たして。
その条件で召喚は実行された。




