139話 色々難しい
その後も女子はまだ村に居る。
爺ちゃんが山﨑君のスキルでディサートへ飛び、フラワータウンで女子を預かってもらえるか聞いてきた。
でも、答えはNO。
あそこで面倒を見てもらっていた1年半、女子達はちょっとしたお手伝いくらいしかしてなかったみたい。
帰る場所がなくて可哀想と思い面倒を見ていてくれたけれど、15になったら花を売らすと言われて、爺ちゃんは戻ってきた。
女子の中でも誕生日が早い子はもうすぐ15歳になりそうなんだって。
爺ちゃん、花屋さんの本業(花を売るのが何故?)は大反対していた。
あ、村でも女子の何人かは協力的だし男子も出来る作業には参加してくれている。
ただ、話し合いになると悪口大会になるから、集まりが毎日から5日に、そして10日にいっぺんにと減っていった。
そうなってもみんなは気にしていないよう見えた。
問題ないか。爺ちゃんと僕は同じ家に住んでるから話はいつでも出来る。
2階にある召喚陣がどこの国なのかはおいておいて……。
もしも召喚をするなら、どういう条件で召喚するか。
僕ら『19人が帰るため』が大前提の召喚。そのための条件。
「召喚条件は3つセットだっけ。僕らの時は……」
条件①25人
条件②チュウニ
条件③国により『魔術』とか『バランス』など
「人数って必要なのかな。人数を条件に入れなかったらどうなるんだろう。ひとりしか来ないのかな」
「どうだろうな。ただ、25人より多いとまずいとは聞いたぞ」
「うーん、じゃあ、条件①は19人以上で」
19人の帰還は絶対だから。
条件②のチュウニは要らないよね。それと③も変えていいよね。
としたら、僕らがつけられる条件はあとふたつか。
「必要そうな条件を箇条書きにして、そこから重要そうな物を選んでいくか」
「なるほどぉ。んんと、じゃあ……余命僅かな人」
「僅かだと曖昧だな。余命7日にするか」
今日の話し合いは内藤君、山﨑君、由良君もいる。
「うん、それと……余命7日だけど身内がいない人」
待った、余命7日で居なくなっても悲しむ者がいない人のがいいかな。
仲の良い家族だったら、残り数日の身内が突然消えたらびっくりするし悲しむかも。
「職業的にはどうだ?」
「うーんと、どこでも生き残れそうなのは、自衛隊の人?」
とか、それと警察官かな。
よその国でもテキパキ動けそうなのは、政府の人とか外交官。
政治家はなんか弱っちそうだからパスで。
「あと、異世界に来たい人、これけっこう大事かも」
そんで、独り身で異世界に来たい人、あと、勇者になりたい人、地球以外で活躍したい人。んー、違う意味で危険かな。
「あとは今回1番の反省だな。今度呼ぶのは大人だ」
なるほど、成人している人か。
由良君が書いてくれていたノートをみんなで覗き込む。
・余命わずか
・余命7日
・余命7日で身内がいない
・余命7日で悲しむ人がいない
・自衛隊員
・警察官
・政府
・外交官
・異世界に来たい人
・勇者希望
・異世界で活躍したい人
・成人
「余命7日で身内がいないだと、条件がふたつにならないか?」
「あー、そうなのかな。ふたつにカウントされちゃうのか」
「それに政府……総理大臣がこっちに来ちゃったら日本が困るな」
「うーん、確かに。……あ、でもさ、条件に合致した人が来るわけじゃないんだよね」
「ん?」
「だってさ、チュウニ……中2が条件なのに爺ちゃんだって来たじゃん。あと担任とか」
「そうだった。条件にあった者を召喚する時に現れた召喚陣の範囲に入った者も一緒に召喚されたな」
「ってことは、余命7日の人って大抵入院してたりするじゃない? そしたら看護師さんとかお医者さんが一緒に召喚されちゃって可哀想かも」
「そうだな。そりゃ絶対に巻き込まれるな」
「余命ありまくりの隣のベッドの患者さんも来ちゃうよ」
「ああ、マズイな。重病患者も来ちまうな」
「余命は却下だね」
「難しいもんだな」
「第二条件を成人にしたら大勢すぎるね。それに近くにいた子供も巻き込まれる」
「こりゃあ本当に難しいな。そもそも第一条件が19名として、異世界に来たいもんが19人も集まっているとは思えん。ひとり、ふたりで周りは容赦なく巻き込まれるぞ」
「うわぁ、難しすぎるぅ。第一が19名、第二が自衛隊員、第三が異世界好きがいいと思ったけど、異世界好きの自衛隊員が休日のイベントに参加してたら、そのイベント会場で召喚陣が発生しちゃうのかぁ。もう、難しすぎるよおおおおお」
うーんうーんーうーん。どうしたらいいんだああああ。




