134話 砂漠を渡る4人
話し合いの結果、僕、爺ちゃん、山﨑君、由良君の4人で砂漠を渡る事になった。
もちろん、いきなり4人で砂漠に出てもすぐにエンドになりそう。なので、爺ちゃんが、砂漠を渡る商人を探してくれたけれど、なかなか見つからなかった。
結局、小型の砂漠トカゲを入手出来ただけだった。
これは従魔とかではないから、誰でも操作可能な人慣れした獣(爬虫類?)なんだって。
ひとり用の乗り物としてか、あとは荷物運びで使われているそう。
ただ手に入ったのは一体だけだった。僕らは4人居るのにひとりしか乗れない……。
「交代で乗ろう」
ミニラ(僕が勝手に命名した)は体長2メートルもない小型だし、背中は乗りづらそう。
そしたら爺ちゃんはミニラに台車を付けると言った。
僕の倉庫にあった中から、小さな箱型の車両付きの荷台を選んだ。
爺ちゃんは荷台の底、車輪の横に板を多少削って取り付けていた。結構大きな板だ。まるでソリみたい。
そっか、砂地は車輪よりソリだよね?(根拠ないけどそんな気がする)
それをミニラに繋ぐ。あっという間に犬ゾリ(みたいなの)が完成した。
爺ちゃんは大まかなオアシスの地図も手に入れていた。
タガセンも爺ちゃんも色々と考えていて凄い。僕ならあわあわしているだけで終わっちゃう。
僕ら4人はディサート国を出発した。
早速、即席サンドカーに乗ってオアシスへ向かい移動する。
ミニラは1人乗りと聞いていたが、子供なら2人でも大丈夫だった。ええと、僕以外の子供なら。
僕と爺ちゃんの時はひとりで乗った。
交代でミニラカーに乗り(他は横を歩く)進んでいく。
疲れたら無理をせず休憩する。砂漠の真ん中で疲れても大丈夫。山﨑君がいるので、休憩のたびに安全な場所まで魔法で移動出来るから。
オアシスに着くたびに、山崎君にブックマークしてもらう。
オアシスでは花街のお姉さんやお屋敷の厨房の人に頼まれた水樽に水を汲んだり、食べれる果物を採取した。
夜には街へ戻るから、その時に渡すのだ。本郷中のみんながお世話になったお礼。だって1年半……2年近くもお世話になっていたんだよ?出来るお返しはいないとね。
ミニラカーが突然止まった。オアシスでもないのどうして。
「山崎、由良!降りろ、坊、降りたらソリは倉庫へしまえ! 山崎、ここをブックマークだ!」
爺ちゃんの指示にあわてて従った
ブックマークをする山崎君の隣でソリを倉庫にしまった。ミニラは亜空間倉庫に入らないからここに置き去り?
爺ちゃんが見ている方角の砂山から巨大なサソリが頭をヌッと突き出した。
見るからに毒々しい液を垂らしたサソリの尻尾の見えた。
「一度、オアシスへ戻るぞ、山崎、頼む」
「どこのオアシス?」
「どこでもええ!」
爺ちゃんに掴まれた僕と由良は、山崎の魔法で一瞬でオアシスへと戻った。
ビックリした、ビックリした、ビックリした。
砂漠は油断が出来ない。
「さっきのが居なくなるまでしばらくここに居よう」
「高田さん、あのサソリ、いなくなってくれるかな」
「わからん。が、そのうち食いもんを探して移動するじゃろ」
僕らはあのサソリの朝食だったのかも。砂漠怖い。
「あ、あああ、ミニラは! ミニラが食べられちゃう!」
「大丈夫じゃ。砂漠トカゲは賢い。すぐに身を隠したはずだ」
「そっかぁ……」
「でも、そしたら俺らこの先どうすんの? 高田さん、ソリを引くやつが居なくなった」
「それも大丈夫じゃ。あれを買った時にこれも買った」
爺ちゃんがズボンのポケットから穴の空いた石みたいなのを取り出した。
「何、それ……」
「犬笛みたいなもんだそうじゃ。砂漠トカゲを呼び戻せる」
凄い、そんなのがあったんだ。やっぱ爺ちゃんは凄いや。
それにミニラとまた会えるのがわかってホッとした。
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そんな感じで少しずつだけど、オアシスからオアシスへと移動しつつ山岳地帯を目指した。
砂漠の向こうに山脈が見えてきたけれど、見えているだけで全然近づかない。
「爺ちゃん、山岳地帯へ着いたらアンブリア国を目指すの?」
「うむ。どうするかの。これまでは次郎坊の摘んだ魔除け草で小さい魔物には襲われなかったが、山岳地帯は大きいやつも多い。田川先生の従魔くらいの大物が居ないとわしらは襲われるかもしれん」
そう言えば砂漠は危険な魔物が多いと聞いていたけど、ほとんど遭遇しなかった。
サソリを見かけて引き返したのが3回ほど。
もしかすると砂漠の魔物にもシーズンとかあるのかな。
砂漠はずっと夏みたいだけど、実はいまは冬季で魔物が冬眠中、みたいな?
爺ちゃんに聞いてみた。
爺ちゃんが手に入れたのは砂漠の商人ロードのオアシス版みたいなもんなんだって。
だから比較的弱い魔物しか出ないオアシスを経由しているんだって。
絶対ではないらしいけど。って、あの大きなサソリも『比較的弱い』部類なの?
異世界怖い。




