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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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12話 いざ、参る

 -----(田川視点)-----


 何とかスキルをゲットした。人気が無さそうなやつをダブルで取り、複数スキル取得の検証とか何とか持ち出して、2枚貰った。

 ここは大人の俺が実験体となって、最初にスキルをためす。


 生産(育)は、スクロールの文字に触れると情報がさらに表示された。

 養殖・養蜂・飼育の3つが浮かび上がる。生徒らもそれには気がついている。だが、そこに気がついたせいで尚更不人気のスキルになった。


 そりゃそうだろう。今時の子供(中学生)達が、養殖や養蜂に興味があるとは思えない。


 生産系のスキルは3種類あった。

 生産(採)は、採取や採掘だそうだ。これはゲームにもよく出てくるので、知っている生徒も多いだろう。

 それと生産(狩)、こいつは狩猟や解体だそうだ。ラノベには当たり前に出てくる冒険者にとっても必要なスキルだ。


 ただ、生産(育)の養殖・養蜂・飼育は小説でも漫画出てもあまり見ないスキルだ。スキルの名称が違うのだろうが、俺はこのスキルはアレだろうと踏んでいた。

 養殖、養蜂は、まぁ読んで字のごとく、異世界で魚を生産したり蜂から蜂蜜を取ったりするのだろう。


 だが飼育は、そう、アレ。獣や魔物をテイムするスキルの事だと思う。

 異世界では、このスキルがあるとかなり重宝すると思うのだ。

 生徒らが要らないと言うのなら、俺が貰ってやる。何なら6枚全部でもいいぞ?


 そう思ったが、ラノベ通のやつがいたようだ。生産(育)の有用性に気が付かれてしまった。くそっ。



 生産(育)のスクロールの筒の紐を解いて、丸まった紙を開いて行く。

 何も起こらない。ただ開くだけではだめなのか?


 開いたスクロールには何かの紋様が描かれている。そこにそっと指で触れた。その瞬間に紋様が光り出し、直ぐに紙全体が光となって消えた。

 そう、スクロールは消えて無くなった。


 スキルは習得出来たのだろうか?

 俺は、スキルを習得するとステータス画面が表示されると思い込んでいた。スキルが記載されたステータス画面。

 だが、何も現れなかった。


 一応、生徒達には聞こえないように小声で「ステータス」と呟いてみた。現れない。


「ステータスオープン」出てこないな。


 どういう事だ? ステータス画面は見えない系の異世界召喚なのか? それとも、まだこの空間では表示されないのかも知れない。

 異世界へ降り立った時に初めてステータス画面が表示するのか。



「田川先生!」



 見えないステータスに気を取られていて、生徒が近くに呼びにきたのに気が付かなかった。



「どうした」


「あそこにドアが……」

「ドア開けて外確認した方がいいですか?」


「待て、触るなよ」



 この白い部屋を散々探し回っていた時はドアなど無かった。

 ドアが現れたのは『時間』だろうか? ここに来てから時計が止まってしまっている。俺は自分の腕にはまった時計を確認した。やはり、何度見ても時間は全く進んでいない。4/7の9:00ジャストのままだ。

 まるでこの部屋の時間が止まっているようだ。


 この部屋に居られるタイムリミットが来てドアが出現したのかと思った。それでも、腕の時計は止まったままだ。

 俺がスキルを取得した事に関係あるのだろうか。わからない。


 生徒達の様子から揉めていたスキル分けも決着がついたようだ。それぞれが自分の取得するスキルのスクロールを腕に抱えている。

 俺は取得方法を説明した。



「ドアが現れたのはそろそろタイムリミットなのかもしれん。持ってるスキルを速やかに取得しろ」


「はい」



 生徒達は次々と持っているスクロールを光らせていく。

 しばらくすると光る者はいなくなった。全員がスキル取得を完了させたようだ。手に持ったままの者がいないのも確認した。



「全員整列! 2列に並べ」



 1組の生徒はその号令だけで、男女1列ずつで素早く並び終えた。が、草凪だけが列に入れずオロオロとしている。



「え、え、何順? 出席番号順? あぁ、僕、出席番号って何番なのー!」


「落ち着け、ポチャ次郎」

「ポチャ、背の順、背の低い順だから……」


「背の順、背の……僕、何センチだっけ、僕より低いのって誰」


「お前より低いやつはいねえよ、ポチャ次郎は1番前だ」


「ええええ!僕、1番前なの?!?!」


「女子は交互に男子の前に入れ。間隔は小さく前に倣えより狭く、前のやつの腰をしっかり掴んで出来るだけ間隔を縮めろ」



 俺の命令に生徒は即座に反応した。草凪を除いて。

 まだオロオロキョロキョロしている草凪の肩を掴んで先頭の女子、梁井の前に連れていく。

 梁井は直ぐに草凪の腰を掴んだ。

 

「ひゃわん」



 草凪が変な声をあげたが今は構う時間はない。



「全員このまま扉へ向かい速足で進むぞ。前のやつをしっかり掴んで絶対に離れるなよ!」


「はい!」「はい」



 俺は先頭で挙動不審の草凪の腕をしっかり掴んで扉がある方向へ動き出す。徐々にスピードを上げた。

 扉前で一旦止まり、振り返って生徒達を見た。皆、しっかりと身構えていた。(草凪以外は)


 俺は草凪を右側に抱えるようにして、左の手で扉を押した。扉には取手のような物がなかったので押してみたが、正解だった。


 扉は向こう側へと開いていく。その隙間からまたしても眩しい光が溢れる。

 眩しさに目を瞑ると同時に、体が何かに引っ張られた。



 そして俺たちは扉向こうへと吸い込まれていった。


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