11話 班わけとスキル
班が決まった。僕はD班だ。
A班:前衛6
男子 赤城、馬場、千谷
女子 呉崎、羅木、百野
B班:前衛6
男子 百目木、江崎、船橋
女子 夏原、大野、ファリタ
C班:中衛(前衛補助) 6
男子 剛力、城之内、井伊
女子 久遠、竜崎、漆原
D班:後衛部隊6
男子 日向、善哉、草凪(僕)
女子 鈴山田、董明、梁井
イチクミは24人だから丁度良かったみたい。男女3人ずつの6人でひと班。
でも、班内でペアになってと言われたら、男子は3人だから僕は絶対に余ってしまう。女子も僕とは絶対絶対組みたくないはず。どうか班内ペアはありませんように。
「スキルの方も分けてみた。攻撃系が、火魔術、水魔術、風魔術、土魔術の4種類か」
「流石、日向。学年3位」
「それ、褒めてないよな。1位は董明だし」
「私、そっち系の知識は乏しいから日向君に任せる」
「ほいよ」
ほえ? ヒュウガ君って学年3位なの? それ以上にとうみょうさんって1位なんだ! 学年で1番頭が良いって事?
その1位と3位と同じ班なの? 僕、……D班でやっていける気がしない。
「火、水、風、土の四つが魔法系か。剣、槍、双剣、弓の四つが武器で戦う系かな、ただし、今は武器が無い」
「どこかで手に入れるのか」
「武器の入った宝箱がどこかにあったのか」
「このフロアには無さそうだぞ。宝箱は全てスクロールだったもんんな」
「他のフロアもあるんだろうか」
「階段は見つからなかったな」
「魔法武器ってのがわからないな。それもどこかで手に入れるのか。体術は身体を使った技、投技術は投げナイフ的なものか。それもどこかで入手が必要かも。攻撃系はこのくらいか」
「魔法4、武器系4、技系……かな、それが2と、謎の魔法武器」
「それらが×6枚か」
「弓や投げナイフは中衛か?」
「魔法攻撃も中衛だろ?」
「前衛がいきなり剣か体術とか、いくら何でも俺たちには無理だろ」
「前衛希望したけど私には無理。敵に突っ込んで殴れって事? 無理無理無理」
前衛班の女子達が顔を曇らせてお互いに見合っている。
「魔法攻撃が前衛でよくないか?」
「弓だけ中衛にするか」
「中衛は弓と補助や回復系だな」
「後衛は?」
「戦いと関係ない生産系のスキルとかだな」
「後衛希望って誰?」
「ポチャ太郎、ポチャ次郎、鈴山田さん、董明さん、梁井、それと俺だ。男子がポチャコンビだけなのは心許ないから入った」
「おう、すまんな。日向先生」
「まず、インベントリ系をわけようぜ。3種類あるし、×6だから18枚か」
「亜空間倉庫、収納ボックス、収納ポーチ。名前から大中小って感じか?」
「多分な。スキルを取得して実際に使ってみないとわからんな」
「インベントリ系のスキルが18枚かぁ。24人全員には行き渡らないな」
「1番大きそうな亜空間倉庫は生産系のやつにして、男女3人ずつにしよう。弱っぴ3人と頭脳系3人だな」
「ポチャ太郎とポチャ次郎、それと日向。女子は梁井と鈴山田さん、董明さんだな」
「って事はD班全員がデカいインベントリ持ちか」
「問題ある?」
「いや、無い」
「残り12はどうする?」
「インベントリ中と小か」
「弓、投げナイフ、武器系はあった方がよくないか?」
「そうだな。中衛6人に『弓スキル』と『収納ボックス』を振るか?」
「残りポーチが6だけど前衛12人いるぞ?」
「あの、前衛も魔法と武器にわけたら、武器のチームがポーチ6でいいんじゃない?」
ふと思いついて、つい口に出してしまった。しまった、怒られる。
「良いこと言うな、ポチャ次郎」
褒められた。びっくり。
「バレー部に魔法全振りにして、バスケ他は武器にするか」
「そうだな。前衛B班の船橋もファリタも部活で武器使い慣れてるしな」
「武器ぃ? バットの事か?」
「おっ、自分で認めたな。バットが武器だって」
「卓球のラケットも武器なの? 初めて知ったわ」
「俺らバスケは素手だよ」
「まぁまぁ。ほら、バレー部は敵に向けてボールで攻撃するけどバスケはどちらかというと相手から逃げてボールを運ぶからな」
知らなかった……。バレー部ってボール攻撃なんだ。あ、ドッチボールみたいなものか。
バスケはボール持ったら3歩以上歩いたらダメとか、縛りが多いスポーツだよね?ええと、小学校の体育であったポートボールだっけ?アレに似てる。
「なぁ、魔法武器ってどっち? 魔法系? 武器系?」
「むむ?」
「とりあえず保留で」
「A班が火、水、風、土。B班が体術、剣、槍、双剣。投技は保留、中衛のC班にするか他にするか」
「だな。後衛が全く攻撃スキルないもの不安だよな」
「あ、そしたらポーチもB班だな。武器入手したらポーチにしまっとく必要があるからな」
「おう、そうだよ」
「付与とか回復系がC班の中衛か。何があったっけ?」
「付与魔術、体力回復、回復、毒回復、解呪」
「体力回復とただの回復って何が違うの?」
「たぶんだけど、体力回復は疲れ回復じゃないか? ほら、試合中に体力減っていくだろ?」
「ああ、なる」
「ただの回復は、怪我や病気」
「解呪は後衛でよくないか?」
「いや、戦いの最中に呪われたら即解呪しないと」
呪うようなやつと戦うの? 僕ら、ここ出たらどんな世界で戦わされるんだよ。マジ怖すぎる。僕、やってけない……。
「待った、俺らC班は6枚超えるぞ? 今の段階で7枚」
「うーん、いいんじゃね? 枚数均等に意味は無い」
意味は無いと言い切りつつも、タガセンをチラ見している。
「後衛まだ1枚だぞ」
「鑑定と生産系3種は後衛D班で」
生産系で残っているのが、採6、狩6、育4何だって。
何で生産(育)だけ4枚かと言うと、タガセンが生産(育)を2枚取った。
スキルを複数取得出来るか試すためにタガセンが2枚使用した。
結果、複数使用が可能だった。タガセンは爆発しなかったし、普通だった。
「生産(育)ってなあに?」
「あ、それね、スクロール文字に触れるともう少し詳細が出る。養蜂・養殖・飼育だったかな」
「えー、養殖とかあまり好きじゃないかもー」
「私も。養蜂とか無理」
「私も」
女子3人が生産スキルの養殖・養蜂は嫌だと言い出した。うわぁ、そしたら男子がソレになるのかな。僕も蜂とか嫌だな。魚……は大丈夫、だと思うけど。
飼育って何だろう?
「養殖・養蜂・飼育ってあるから、もしかしたら動物の飼育……テイムとか出来るんじゃない?」
ゲームに詳しい誰かが言った一言で女子が湧き立った。
「それ取る」
「私も」
「私もそれで」
「俺も欲しい」
女子3人以外にヒュウガ君も欲しがった。ちょうど4枚あるからいいんじゃない?……でも、タガセンとお揃いになる事に気がついているかな。僕が口出す事じゃないけどさ。
「じゃあ、生産(育)はD班の女子3人と日向で。生産(採)と生産(狩)は6枚ずつあるからそれはD班で一枚ずつにするか」
「ごめんなさい、私、狩りとか出来ないかな」
「私も無理かなー」
「ごめん、私も無理。狩り出来る気がしないし」
「僕らだって狩りなんてやった事ないけど、そこはスキルがフォローしてくれるんじゃないかな。期待してるんだけど」
「それでも飼育スキルと殺すスキル両方あるのはちょっとぉ……」
「だよねぇ。私達、飼育取っちゃったから」
「生産(狩)の6枚はポチャコンビで3枚ずつにするか」
「えっ、何で3枚……」
「おお、すげえな。狩りのプロ」
「俺、狩りなんてやった事ないよ?」
「僕だってそんなんないよ!」
「ポチャコンビが狩りのプロかぁ。もしかして俺らの食生活ってポチャコンビにかかってるんじゃないか? あはははー」
「そうだな、はははー」
みんなは笑い飛ばしてから、先に進んでしまった。僕と太郎君の意見は完全に無視された。
「あと残っているのが、マッピングと魔法移動、それとさっき保留にした魔法武器と投技術がそれぞれ6枚ずつか」
「マップはさ、ABD班の男女一人ずつに持ってもらおうぜ」
「中衛は?」
「中衛は前後に挟まれているからマップはいいだろ」
「じゃ、そんな感じで。各班、誰にするか報告してくれ」
-----
「赤城と呉崎、百目木と夏原、日向と董明さんな」
「俺らA班はスキル4枚だし、魔法武器貰いたいけどどうかな」
「いいんじゃないか?」
「あ、じゃあ、うちは投技術貰おうかな」
「魔法移動は、おそらくテレポートみたいもんだよな。これ絶対あったら便利なやつだ」
「6人だけかぁ」
「ABCD各班で一枚ずつ、残り2枚はどうする?」
「前衛で男女一人ずつ持ったら?」
「千谷、羅木、船橋、ファリタ、竜崎、鈴山田さんで決まりっと」
「はいはーい、聞いてくださーい。スキルスクロールを開く前に今手元にあるスキル名を確認してください。間違えないように。鈴山田さんが今の書きとめてるから、確認してくれ。では10分間休憩、その後、スクロール開封で!」
10分の休憩に入った。普段ならトイレに行くとこだけど、この白いフロアにトイレは見当たらなかった。
それに何故かトイレに行きたくならなかった。不思議。




