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2年1組、Go to アナザワルド 〜イチクミ、異世界へ〜  作者: くまの香


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102/124

102話 ウッダレジオンに

 ウッダレジオンに到着した。


 ウッドランドと似ている。

 森の中に突如現れたエルフの城。

 エルフの城って、やないさん達が呼んでた。

 緑が多く、草や花がそこら中に絡みついた壁。美味しそうな実もなっている。


 あー、やっぱり美形エルフだった。

 美形エルフが不審そうな顔でこっちを見ている。美形じゃない人間が珍しいのかな。

 タガセンも高田の爺ちゃんも僕も、美形ではない。正直に言うと『美形』とは反対側の人間。



 街の壁の入り口っぽい場所には兵士が居る。美形エルフ兵士。

馬車を降りて引いたタガセンが何かを告げると、意外とすんなりと中へと通された。


 あれれ?

 噂では『排他的』とか『ウッドランドを憎んでいる』とか、そんな話もあったのに。


 現実はそうでもなかった?


 ウッダレジオンのお城に到着。

 ウッドランドとブリンクランドから預かってきた書簡をタガセンが渡している。


 すんなりとお城の中にも入れたし、立派な部屋に案内された。

 その後、僕と高田の爺ちゃんは部屋で留守番。



-------


 長い。

 タガセンが戻ってこない。

 もしかして捕まった、とかじゃないよね?



「それはないじゃろ。もしも田川先生が捕えられたならば、わしらも捕まるじゃろ」


「そ、そっか。そうだよね」


「召喚した生徒の事で揉めとるのかのぅ」


「…………本郷中みたいだったら、嫌だなぁ」



 疲れていた僕は、その日はタガセンを待てずに寝てしまった。


 朝目が覚めたら部屋にタガセンが戻っていた。

 慌てて起きて、気になっていた話を聞いた。


 ウッダレジオンに召喚されたのは、千秋大学附属私立千秋中学校という事だ。



「千秋大学……どこの、学校?」


「都内だそうだ」



 僕より先に起きていた高田の爺ちゃんは既に話を聞いたのだろう。



「都内の千秋大附属の千秋中学2年5組、男子12人、女子11人、それと担任、副担任だそうだ」


「生徒23人と大人が2人!」



 大人が多いとタガセンは嬉しいはずなのに、何故か喜んでいるようには見えなかった。



「この国の宰相と話してきた」



 うん。



「召喚の第三条件を『武の力』にしたそうだ」



 あ、そこもウッドランドと一緒だ。エルフさんは魔術は得意だから武術に憧れるのかな?




-----(ウッダレジオン国・宰相達)-----


「それもありますが、本心としては自分達より魔力に秀でてほしくないと思いもあり、第三条件をそれにしたんですよ」


「武力に期待をしたのも本当ですよ。まさか子供が召喚されてくるとは! しかも、種族の7、8歳の子供より劣る」


「召喚され現れたる者は特別な力を授かっていると聞いていたのに、まさか、何の力も持たない者が25人」



「どう言うことですか? スキルが無かった?」



「ええ。無かったのです。ですから我が国の幼な子にも劣ると」




---------


「この国に召喚された千秋中学はスキルを取ってなかったらしい」


「まさかのノースキルですか」


「えっ……宝箱、見つけられなかったの?」



「どうだろうな。宝箱を開ける前にこちらへ来たのか、開けてもスキルを習得しなかったのか」


「あ、だってあの白い部屋って宝箱から出たスクロールを開かないと扉は開かないんだよね?」


「確実にそうかはわからん。だが、もしそうだとしても、誰か1人がスキルを取得した状態でクラス全員が扉を潜った可能性が高い」


「もしくは、本郷中のように、その者がスキルの独り占め……」



 うわぁ。

 ここに第二の本郷中が………居た。最悪……。



「だが、今となってはそれの確認は出来ん」


「と、言うのは?」


「帰還した。俺らが着く数日前、だ」



 えっ?

 えええ?

 帰還した?


「もう、帰っちゃったのおおおおおお?」



 タガセンが苦々しく頷いた。高田の爺ちゃんは口も目も大きく開いたままだ。僕の目もたぶん、瞼がひっくり返るくらい開いていると思う。



「帰っちゃったんだ。……そうか。もう帰っちゃったんだ」



 タガセンがものすごぉく長いため息をついた。



「召喚をした手前、城で歓待をしていたが、どうにも魔物を討伐するより討伐されそうだ、と言う事で、一年が経ったところで帰還させる事につい先日決まったそうだ」


「そうだったんですか。それは……。帰還に間に合わなくて残念です」



 高田の爺ちゃんがようやく口を閉じた。



「面倒なので森に放置しろという意見もあったそうで、そうなる前に早々に帰還させたそうだ」



 それは、良かった?

 ウッダレジオンに良心的な(エルフ)がいて良かった。千秋中の人、森に放置されたらあっという間に食べられちゃってたよね。


 頑張ってここまで来たけど帰還済みとは残念。



 その後、タガセンがウッダレジオンの人と色々と話をして、誤解がある事がわかったんだって。


 ウッダレジオンが周りの国を徹底的に拒んで隠れ住んでいるのではなく、魔物が増えすぎて、国(森)から出るに出られなくなっていたのが真実なんだって。


 それで、国の外、主にウッダレジオンからウッドランドへ向かう森に罠をいっぱい仕掛けてあげた。

 商人ロードの両脇と、国境付近と、ウッドランドとの商人ロードが途切れたあたりは特にたくさん仕掛けた。


 おかげでウッダレジオンに1ヶ月くらい居る事になっちゃった。

 タガセンからは、先を急ぐ旅ではないので気にするなと言われた。



 ウッドランドとに国交も復活させたいと言っていた。

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