志半ばで
この星の周りをものすごい速さで回っているエネルギーがある。
あまりに高速な為、星の周りの空間も、かなりの歪みがある。
星自体はゆっくり回っているが、何も寄せ付けたくないかのように、そのエネルギーは高速で回っている。
船で近くに寄ろうものなら、そのエネルギー圧で吹き飛ぶ程だ。
この星の歴史に侵入したい者は大勢いた。
だが揃ってこの星を諦めるのだ。
この様だと確かにかなり難しい。
だが必ず突破口はある。
あのレジェンドも、一度侵入を試みようと思ったが
「この星はいいや」
と、簡単にやめたらしい。
諦めたとかではなく、本当に選択肢から無くしたと聞いた。
危ない橋を渡ってきたレジェンドも、この星は数にも入れないような危ない星のようだ。
そんな星に今、私は挑もうとしている。
阿呆だとは思う。
実は前日の講義をきいて、俄然やる気が出てしまったのだ。
レジェンドが挑まなかった星も、時代が進めば楽勝!ということもある。
私は、文明の力を使えば行けそうな気がする。
時代が進んだからこそ、今、この時、この思いを逃したくはないと思った。
私は考えた。私の時空船に搭載されている船の頭脳である、助手のヤマト王と2人でのりこえる道をひたすらに考えた。
「星の周りはかなり歪んでいるので、そこを利用して侵入できないか?」
『ボス。その辺にある丁度いい星を、私があの星にぶつけてみましょうか。エネルギーを少しだけ多方面に分散し、一点でも弱いエネルギーの箇所を作って突入です。それか、星の周りの歪んだ空間部分をもっと伸ばして星も歪ませたあと、跳ね返りのエネルギーを利用して突入。どうでしょう』
「お前天才だな」
『やはりやめましょう。ボス、私は桂町整備士の顔が浮かんできました。また怒りを買ってしまいそうです。今度こそ本当に私、消滅させられそうです』
「今ならやれる気がするんだ!!おまえもおもうだろ!」
『…』
静かな空気が流れていくと、突然激しい音楽が船の中に流れてきた。
『噂をすればですね。こちらSUM-A1ヤマト。キャッチしました。
キャプテンNo.4260056 咲也 。』
少しの間が、恐ろしい静寂のリズムを刻んでいたのを感じた。
本人を目の前にしているわけではないが、幻影が現れる怖さで身震いを感じていた。
低い小さな声が響くように聞こえてきた。
「おいおいおいおいおい。おまえらの考えなんかわかるんだよ。むりなんだから戻れや。今から50秒以内に戻らなかったら、お前らわかってるよなぁ」
志し半ばで撤退を余儀なくされた1名と一機。身震いしながらその場を離れた。
『ボス。やはり怒られてしまいましたな。簡単な、我々に見合う星へ向かいましょう。以前行った、あの重力のすごい星にいきませんか?
』
「おまえ、また歪むぞ」
星は限りなくある宇宙で探索できるのはまだ、ほんの一部だけ。
どのような星でも探索出来るような、そんな新たな未来を願っている。




