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異世界人視点  作者: 天梅
勇者の大きな歩幅
2/10

第1話 《勇者召喚》

処女作です。言い訳ですが、趣味で始めたものなので

出来が悪いです。

小説を書いたことも知識もないので読みにくいかもですが温かい目で見ていただければ嬉しいです。

 〈魔王〉の封印が解ける周期は66年である。


 封印を再び行うには〈勇者〉の力が必要であり、その勇者は異世界より召喚しなければならない


 初代勇者の力が秘められている『宝玉』

 最上位の魔術師数千人規模の『魔力』

 それらを内包し、崩壊することのない異世界人の『肉体』


 これら全てが召喚に必要となる【素材】である



 ◇



 (今日は勇者様が召喚される日か…)


 ベッドから起き上がり早々に憂鬱な気分に浸る。

 それもそのはず、俺にとって今日より仕える主君が一時的とはいえ変わってしまうことになるのだ


 本来、俺が仕えている主君はここ【アグレイド王国】の第1王子であるグレイフィ・シル・アグレイドであり、今日より仕えることになるのは召喚される勇者なのである


 グレイフィの命により召喚される勇者様の指南及び護衛として魔王を封印するまでの間、行動を共にしなければならないのである


 (了承してしまった以上、やるしかないか……)


 正装に身を包み、朝食を済ませ屋敷をでる。

 馬車に乗って向かうのは王城の〈祭壇の間〉


 すでに儀式は開始されており、そこらじゅうに魔力切れとなった魔術師達が倒れている。

 医療班により運ばれていく彼らを横目にグレイフィのもとへ向かう。


「順調のようですね、グレイフィ殿下」


「あぁ、だが思っていたより時間もかかっている。と言ってもそろそろ終わる頃合いだろうね」


 と話しているのも束の間、魔法陣から術式が現れ眩しい光の橋が天に昇った。皆に緊張が走る。

 ピリピリとした空気を肌に感じながら魔法陣の方へ目を向けると


「……………………こ……ここは…?」


「…え………なに…なんなんだよこれ」


 困惑と恐怖の入り混じった顔で辺りを見渡す青年が2人。そこにいた



 ◇



「…成功したのか?………!!!!」

「間違い無いだろう!」

「これで、世界が救われるのか………!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 〈祭壇の間〉が歓喜の声に震えている。

 そこに来ていた皆が安堵の表情を浮かべ、成功を噛み締めている。


「2人…ですね」


「ここまで嬉しい誤算もない!これで民を安心させてやれる!!」


 (グレイフィ様の喜びに満ちた顔を見るのは久方ぶりだ。…姉君のこともあり、かなり気が滅入っていたが…民に関する問題があれば自分の気持ちなんて二の次でいられる。本当に強い人だ)


 そんな彼を見て、改めて覚悟を決めた。


「グレイフィ様。只今より、私は勇者様方の護衛の任に就きます。暫くの間、貴方様の側を離れる非礼、どうかお許しください。」


 グレイフィへ片膝をつき、拳を胸に当てる。

 彼に忠誠を誓いながら、彼の側にいれぬことを嘆く気持ちを抑え許しを乞う


「私が命じたことだ!抜かるなよ、ヒューマ。」


 そう言って不敵に笑うグレイフィの瞳には、幼馴染にしか分からない信頼の色が混じっていた



 ◇



 勇者として召喚された二人は、俺とともに謁見の間へと向かった。

 そこで国王陛下から現状と成すべきことのあらましを言い渡された後、さらに詳しい情報を共有するため、俺は二人を自室へと招き入れた


「いきなりこのような場所に連れてこられ、未だ心の整理もつかないことと存じます。ですが、我々にはゆっくりと立ち止まっている時間はございません。改めて、今後の計画をお話しいたします」


 俺がそう切り出すと、二人は戸惑いながらも小さく頷いた。

 それを見届けてから、俺は詳しい説明を始める


「今回、お二人が召喚された理由は『魔王の封印』にあります。なぜ討伐ではなく封印なのか。それは、魔王という存在が、神の創出したこの世界の『欠陥』そのものだからです」


「欠陥……ですか?」


「はい。なぜそのような欠陥が生まれてしまったのかは、それこそ神のみぞ知る、といったところですがね……」


 なぜ欠陥だと言い切れるのか。

 それは初代勇者が神から直接そう説明された、という記録が残っているからだ


「初代勇者様はまさしく最強であり、神に最も愛された存在でした。しかし、そんな御方ですら、魔王や魔族らを魔界に封印することしかできなかったのです」


「なら、僕たちにそんな封印なんてできるんですか……?」


 不安と恐怖に声を震わせ、一人が問いかけてくる。


「率直に申し上げます。お二人のみでは不可能です。確実に」


「じゃあ、っ……!」


「ですが、ご安心を。初代勇者様は己の力をいくつかの『宝玉』に分け入れ、後世へと受け継げるようにしてくださいました。今現在、確認されている宝玉は六つ。それぞれに途轍もない力が秘められています。それらを勇者召喚の儀式に触媒として用いることで、力を受け継いだ勇者が誕生するのです」


「それが、僕たち……」


「ええ。ですが、初代勇者様の力を受け継ぐには、肉体が耐えきれる限界があります。全てを一人で受け入れられる器など、そうそう現れません。そのため、複数人の勇者様が力を分配され召喚されます。……今回は、お二人でした。これは、お一人が宝玉の力の半分を持ち得ているという証明。歴代の勇者方の中を見ても、召喚されたのがわずか二人という例は過去にありません」


 宝玉の力を複数人に分けることで、肉体が崩壊するのを防いで召喚する。

 だが、これは召喚に選ばれた異世界人の肉体の強さに左右される。

 酷い時は30人以上に力が分配されてしまい、個々がかなり弱い勇者集団が召喚されてしまうこともあった


 人数が多くなればなるほど個々の実力は低下し、連携にも支障が出る。

 だからこそ、単体であったり、今回のような少人数での召喚が成功したというのは、国にとって最大のアドバンテージになる


「各国で勇者召喚を行っておりますが、今のところ最低でも5人が同時に召喚されているそうなので2人は我が国が初ですね。今後の計画では、他国の勇者様方との顔合わせも予定しております」


「人見知り激しいから、あまり大勢の場所は嫌なんだけどな……」


「まだ不安は残るけど、同じ世界から来た人がいるっていうのは、それだけで安心感があるな」


 会話を重ねるうちに、二人の気分もようやく落ち着いてきたようだ。


「それでは、今後の予定を大きく四つに分けてお伝えいたします。魔王封印の決戦が予想されているのは、一年半後。それまでに成すべきことは――」


 俺は机の上に資料を広げ、指で示していく。


「第一に、戦闘訓練や修行による『力の発現と制御』。


 第二に、魔王軍の侵攻を最前線で食い止めつつの『実戦経験』。


 第三に、他国の勇者様方との合流、および連携強化のための『合同修行』。


 そして第四に、魔王軍討伐および封印のための『全面戦争』。


 大まかに、この四つを主軸として動いていただきます。王国軍もこの一年半の間に、物資の調達や戦力の強化を死に物狂いで行います」


「「はい!」」


 やるべきことは明確だ。

 そして、それを行うための準備には膨大な時間がかかる。

 だが、俺たちに残されている時間は僅かであり、その一分一秒をいかに有意義に使うかが、世界の命運を分けることになる


 俺は背筋を伸ばし、深く一礼した


「私はメイダット侯爵家の嫡男、『ヒューマ・エル・メイダット』。これから一年半、この命に代えましてお二人を全力でお守りいたします」


「僕は梅凪 康太(うめなぎ こうた)です!よ、よろしくね…!!」


「俺は綾瀬 涼(あやせ りょう)、よろしく!」

趣味ではありますが、今のモチベではかなりの長期連載になるはずです。他にも同時並行で作品をいくつか書いていくつもりです!世界線は繋げるつもりですが「全てを読まないと何かがわからなくなる」ということはないようにします。

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