第48話 すっきりしない朝
今日もいい日だ元気に頑張ろ――。
前日の夕食時の雑談のせいか昔のことを思い出す断片的な夢を見た。
おかげでうっかり途中で目が覚めたりしたせいかなんとなくすっきりしない朝になった。
「あ、ミルさんおはようございます~!!この家ほんとに過ごしやすいですよね~」
「おはよー。まぁ庭の子以外にも色々住み着いている精霊とか多いからねー……。もし見かけても邪魔しないであげてねー。目に見える魔霊じゃないようなのも結構多いから」
そんな報告と注意をしながら準備してもらった朝ごはんを食べる。
今日は久々に人が来てうれしかったのか寝坊している私を起こさず屋敷に住み着いた魔霊やら精霊が張り切ってくれて簡単なご飯を勝手に作っていたが本来ありえないので明日からは適当に準備しようと思う……。
今日は私が行う講義はお休みというか現在姫様ズの教育は再構成真っ最中。私が簡易で作ったそれぞれへの教育方針お勧め指南書に沿いつつ教育に従い必要となるであろうものをきっと専門の人が考えてくれる予定。
なので今後もしあるとすれば魔法に関することだけに絞られるはず。
それ以外のことについては必要性さえ気づいてくれれば専門の人に任せる方が断然いいもんねー?
ひとまず今日は本人たちにも希望を聞いてカリキュラムを作り直しするとのことで丸一日空いたのでメルナと一緒に冒険者ギルドに行って依頼を受けてみるかなって話になった。
「わぁ……相変わらず冒険者ギルドは活気があってわくわくしますね!!」
「いやー、みんな憧れの妹候補が現れてソワソワと行儀よくしてるだけじゃないかなぁ……」
「え?」
「いやー、なんでもない。とりあえずギルドの依頼に何があるか見てみよっかー」
数刻後――
……。
誰だ、私が今戻ってきてるってそんな早く広めたやつは……。
明らかに魔法に偏った依頼が増えている上に一部には「青銀の髪の女性魔術師優遇」とか「銀髪の女性魔導士歓迎」とかいう採取依頼やら討伐依頼やら護衛依頼やら……。
情報漏らした奴も依頼者もそのうちしばく……。
「うふ……ふふふふふ……。メリーさーん?」
「ごめーん。今日はメリーはお休みなのよー?ミルちゃん何かあったー?」
思わずどす黒いオーラを纏いながら元凶に一番近い可能性の人を呼べば届いた答えはよく似た声の別の人。
「はっ!?マリーさん!え、っとちなみに私が王都に戻ってきて依頼を限定的に受付始めたって知ってました!?」
「ミルちゃんおかえりなさいー。ちょっと最近私も忙しくてあんまり来れなかったのよねぇ。妹からミルちゃんの復帰は聞いてたけど条件が家の雑談じゃわからなかったから今日出勤して条件確認するまでは特に誰かに話したりはしてないわねぇ」
「まぁ、マリーさんならそうですよねぇ……。依頼書になんかやたら特定っぽいものが増えたから誰かが漏らしたのかと思って……」
「なんですって!?」
どうやら自分が出勤した後に発行された依頼書以外はあまり確認していなかったようで掲示板に慌てて駆け寄り新規に貼られた物から確認して微妙な顔になっていく……。
「ごめんね、ミルちゃん……。うちにもダメな子はいくらでもいるみたいで再教育はまたやっておくから……」
「いえ、まぁ……。とりあえず解除の手続きをしたのがメリーさんだったからうっかり周りに何か言ったのかとか思ったんですけどね……。その場にいた冒険者の人たちは弟子の教育の為っていうのも聞いてただろうし制限付きっていうのも聞いてるかなって思ってたけど知らない人もいるかもですし……」
「へぇ~なるほどー。解除手続きはメリーなのねー。……ちなみにそれの話を出した時ってココで話してたの?そのあともずっと?」
「え?まぁ雑談みたいな流れでそのまま色々聞かれるままにカウンターで話してましたけど……?」
なんとなくマリーさんの表情が怖くなっていくなー……
「……あの糞妹が!!」
ひぃっ!爆発したー!!??
一瞬恐怖に引いたが顔をこちらに向けたときにはいつも通りのふんわりした顔でほわーっと強制的な指示をくれた。
「とりあえずミルちゃんがお弟子さんと一緒にふわっと行ける高難易度のはあんまりなさそうだから適当にここの検査は終わっていいみたいですー」
家族のやり取りがその後どうなるんだろ?……お疲れ様です~。




