第46話 世界の礎システムの謎
学院入学後、色々と残っている伝承や神殿にある記録を読み漁った……。
基本的には前任の礎となった人が力を使い果たし、後任が必要となった時に使いの者が現れるということしか分からない。
使い果たしてからじゃ遅いっつーの!!
資料を見つけ繰り返しそれを見るたびに叫びだしそうだった。
今、この世界に目に見えた異常がないと言うことは母はまだ健在のはず。だが、本来は私が当時の魔力保有量がトップだったので当然その役目は私のはずだった……。母は確かに魔力容量は大きかったがあの時は暴走した私の魔力を吸い取りいつもより増えていただけで本来の保有魔力量は人よりは多めくらいで回復量は並み程度。そうすると歴史に残っているように百年単位といった長さはきっと持たない……。使い果たすよりも前にどうしても見つけ出して交代しなくては……。
どうすればあの時の使者と連絡が取れるのか。何が条件で世界の均衡が崩れるのか。どのくらい力がなくなったときに次世代が選ばれるのか。そもそも世界の礎のシステムそのものが何なのか。そのたった一人が担う制度を変えることはできないのか。ずっと考えていた。
表向きには突然の母の失踪事件ということで処理をされた。うっすらとその日の記憶が残った私は自分の魔力をちゃんと使えるようになって母を助けに行かないと!と心底必死になって魔力や魔法について勉強をした。が、まだ学院に入れる年齢でもなく独学に近い状態でやっていたのでちょっとした爆発などを起こすことはあったがある日、前に良くやっていたような規模の魔力の暴走が起こってしまう。
昔は魔力容量は大きいが回復量は並み程度で余裕がある母がいつも近くにいたので吹き荒れる魔力を吸い取り大きな事故にはなっていなかった。……だが。
(あー……、これはもう無理かもしれない)
自分の周りを荒れている魔力の嵐。
村に程近い草原で日々の日課にしていた魔術の練習をしていて調子が良かったのでもっといけるかも、とどんどん練習やっていた結果、どこかで調整が甘かったのか組み立てた術式が間違っていたのか分からないけれども暴走した魔術は私の魔力を全力で放出しようと荒れ狂っていた。村で行われている子供向けの学校の授業を終えた後で一人荒野へ向かい練習をしていたので周りに人はいない。
(まぁたとえ誰かいてももう母さんはいないから助けてって言いに行ってもらうこともできないんだしね)
魔力の暴走はさまざまだが今回は術式の組み立て間違えか組んだ術式に対して込めた魔力が多すぎたかどっちかかなぁ……?結構魔力の制御は最近いい感じにできるようになってきたって思ってたんだけどなぁ……。
ぼんやりとしてくる思考でそう考え全力で力を抑えようと気合を入れようとした。でも……
今ここで暴走したとしてそんなに困る人なんている?
子供が魔力の暴走を起こしたことなんて事件にすらならない。地方ニュースに載って魔術の危険性と教育の大切さが一時的に言われて終わるだけなんじゃないの……?
もしここでわたしがしんじゃったらこのまりょくがおかーさんのとこにとんでいったりしないかなぁ……?それかこのぼうそうするまりょくがおかーさんにとどいてかいほうされておとーさんのところにもどってこれたりしないのかなぁ?……いま、わたしががんばることにいみなんて、あるのかな……?
とりとめもない考えに支配されぼんやりしてくる。誰かが見かけて声をかけたのか村の人たちが数人こっちに向かって来ているのがうっすらと見えたが高濃度の魔力と激しい風に阻まれて声も聞こえない。
――やっぱり、このままわたしはしんじゃうのかな?
どごぉん!
荒れ狂った風を割いて人の手が現れた。ぐっと右手を取られ意識が浮上する。
「このっ!馬鹿っミルが!しっかりしなさい!」
「メイム……ねえちゃん?」
ぎゅっと握られた手から急速で魔力が吸い取られていく。従姉であるメイムは確かに細かな魔法の扱いには長けているが大きな魔法を使ったところを見たことがなかったので自分の魔力を全力で受け取れるほどの容量ではない、と思っていたら……。実は後で聞いてみたら容量は大きいが生産量が少なくいつも余裕がないので今まであまり大技な魔法を使うのを見たことがなかったらしい。そして私も手を握られるほど近くに人がいるならもちろん全力で力を抑えなくてはという意識が働いたこともあり程なくしてその暴走は収まった。
4月から急にリアルで転勤の話があり超どたばたしてました。だいぶ間が開いて申し訳ないです。
引越し先を決めたり手続きしたり転勤先職場に慣れようとしたり車通勤になったりでどたばたどころじゃ収まらないほどに個人的には転換期でした…。
そしてここ数日から急に気温は真夏に転換。
地球どうしちゃったの……。




