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第45話 自分で道を決める時

ここから珍しく?しばらくシリアス系になりますが貯蓄がない為、軽めのノリでテンポ良くを思う方はご期待に添えないかと!

――本来、私がここに今、いるはずはなかったんだけどね……。



そっと一人、部屋に戻って思う。



あの日、礎になるべくこの世界からいなくなるはずの存在は私だった。強く目を閉じて薄らと残る記憶を辿る。誰よりも忘れない為に。






……光に包まれた何かがいる……。頭がぼんやりする。あぁ、また魔力を暴走させちゃったのかな……。母さんがまた寝込んじゃう……。


そんなのもういやだってあの時ほんとに思ったのに。誰かの声が聞こえる。


ないて るの ?


母さん?


いま、だれと  なに  を  はなして  いるの?



『いやです!まだこの子はあまりにも幼い!何も分からない子供を洗脳するかのように役目について理解も出来ないままに利用するつもりですか!?』

『そう、いうつもりはなかったのですがタイミングが悪かったといいますか。現在の礎の力が残っているうちに次代には就任頂けないと困るのです。世界そのものが不安定になってしまうので我々よりもむしろ貴方たちのほうが困るのではないかと思います』


光に包まれ宙に浮く自分の体。両親が手を伸ばしても光の幕に弾かれていた。


『っ……!理屈が分かっても人間の感情って物はそれに従えない時だってあるのよ!』

『落ち着け!**っ!』

『でも貴方っ!まだミルは五歳なのよ!物事の良し悪しだって分からない!自分で判断が出来ない子にやることだけを押し付けろって言うの!?』


遠い記憶の本来封じられるはずだった記憶。迎えのモノと両親の会話。


その会話がどれくらい続いたかは分からない。途切れ途切れにしか残らない記憶。そして消されたままの記憶の一部。


『……本当にいいのですか?確かに貴女も彼女に次いで現時点では魔力は高いです。ですがその提案を実行することによって貴女自身の命について本来の長さは保障出来ませんしその子の寿命も同様に言えます。また、相応の対価はかかると思います』

『構いません。たとえ寿命が短くなったとしても普通の魔力保有量の人と比べても長くなるでしょう。むしろそれで釣り合いが取れることもありますし。それに私が力尽きるまでにはミルも十分に成長し自分で道を決める時が来るはずですから』


思ったように体を動かすことも声を出すことも出来ずただぼんやりと目の前でのやり取りを見ているしかなかった。そして封印された記憶の影響で記憶の中の映像は靄が掛かったようにぼやけている。それでも雰囲気で決意を持った母の凜とした印象が残る。


『分かりました……。主にも現在の状況から了承頂けたので貴女の要望でこの度は礎の作成をさせて頂きます。但し、今のやり取りなどに関する記憶は彼女から封じさせて頂きます。体に負担の掛からない範囲の記憶の封印でよいとのことなのでこの短時間の記憶を封じる方向で考えています』

『構いません。それで対価となるなら今のやり取りは記憶に残らないほうが……むしろ良いでしょうし……』


そんな母の様子が余りに心に痛くて。自分のせいで起こったことを忘れることなど絶対に嫌で。無意識に抵抗をしていたらしい。


『……っ!だめですね……無意識かもしれませんが本人が抵抗していてこの記憶をすべて封印することは難しいようです。ほとんどの映像などは封印出来ましたが対価としてはあと少し足りないですね……。力ずくで会話なども封じますか?』

『っでも、力技になると負担が掛かりますよね?』

『おそらくは……。影響もさまざまですが彼女はまだ幼いので……身体と精神面どちらに影響が出るか、もしくは両方に出る可能性も……』

『ホクマー殿。対価に必要なのはあと少しなのであれば……。この子の記憶から**の名前を封じることで足りないだろうか』

『……やってみましょう。今、この時間以前の記憶にも遡り彼女から名前を封じれば十分に足りるかと思います』


それまで母のそばに立ち支えていた父が進言し、今までの記憶にもあった『母の名前』を私の記憶から封じることでこのぼんやりとした記憶は残った。


忘れない。


いつか 母を 取り戻す。


その時強く願った想いは今でも欠片も変わらない。学院に入り、まずは自分の力を使いこなせるように必死になった。


早く、力をつけなきゃ。


早く、かあさんを迎えに行くから。


早く、自分の務めを果たせるようになるから。


早く、はやく……。


数年の月日を重ねても。




学院で学び、力を使えるようになってふと気づいた。どうやって迎えに行けばいいんだろう……。

居場所も分からない。連絡の仕方も分からない。そもそも今現在、どこでどうしているのかすら分からない。

力を十分使えるようになったと思った時にそんな現実に直面して愕然とする。


まぁ実はリアルで急遽?転勤の辞令が出て先月から死ぬほどドタバタです……orz

何とかして業務自体に沿って引越しを今月中に終わらせろ!ってことなんですけどもうほんとに、全然余裕ないです……

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