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第41話 もしミルさんに甘えても良いなら

「え、えぇ~。そんなに珍しいんですか……初めてのクエストだからちゃんとしないとってすごい気合を入れて考えたんですけど」

「気合を入れて考えるようなのがむしろ珍しいんじゃないか?普通は初めてだからこそわくわくして飛んでもないのを受けようとして周りに止められるイメージなんだが」

「つまりライルはやっちゃったのね」

「ぐふっ!墓穴を掘った……」


胸を押さえて蹲るライルはほっといてもう一度メルナと二人でクエストボードを見る。


「知らない植物や動物に関してはところどころで聞いて来てたけど他は全部知ってるものばっかりだった?」

「え?いや、半分以上は知らないものではあったんですけど。すごく怪しいのを除いて受けても良いかも、って思った中で知らないものについてだけ聞いたんです」


やっぱり生活密着型の堅実思考(笑)


「ぷっ……。ちなみにすごく怪しい、って何の基準で?というかどれを見てそう思ったの?」

「あのですねー。確かあの辺に……あ、あれです!あれ!良く村の周りでも見ていた薬草と同じような場所が採取場所って書いてあるのに個数三個で薬草採取の十倍くらいも依頼料があるんですよ!絶対何か怪しいですよね!?」

「ぶはっ!やっぱりそれに引っかかったのねー!なんかそんな気はしたんだけどねっ」


爆笑している私を見てライルも同じ依頼書を見て納得の顔。ある条件さえ満たせるなら採取は難しくないけど条件を満たすのが人によってはちょっと厳しい材料なのだった。


「あー、でもしょうがないんじゃないか?俺も初めてそれを見た時絶対詐欺かいたずらだと思ったし」

「えっ?えっ!?あれって普通の依頼なんですか?しかも良くあるような??」

「……がんばろうな、メルナ。俺は単独でアレは採取できないけど採れたらお金も貢献度もがっつりだぞ」


そんなライルの励ましをみてさらに笑い転げるのであった。



「それで、結局どういうことなんですか?あれは正当な依頼だって分かったんですけどこんなに報酬が高いのは何でなんですか?」

「ふっふっふー……。ある植物の種なんだけど魔法の研究とかには良く使われるのよ。ただ研究をメインにしている魔術師たちにとっては採りにいくのが大変だしその時間ももったいなくて依頼に時々出てくるの。人によってはそれを採取することは簡単だけど難しい人もいる、ってことで採取の条件がちょっと限られるから高額依頼になってるのよ」

「大体出てくるとお前ら学院の生徒連中がさくっと持っていっちまうんだよなー。まぁ俺とかだとちょっと受けられないが……」


条件的にライルでは無理と思われます!何しろこの植物の種が取れるのは日没後数時間経ってからでなおかつ大量の魔力を消費する。対象の植物を昼間に探しておいて夜になるのを待って魔力を大量にその植物に注ぐことで種が完成するというめんどくさいけど人によってはカモといえるほど簡単なもの。その採取された種は一時的に魔力を溜め込むことが可能で魔術師の研究などでよく使われている。実験の材料になることもあるし大量に魔力を消費する実験をする際に本人が食べることもできる。……超苦いけど。一時的なドーピングや緊急回復用として研究者が依頼を出すことが多く採取の手間や緊急時用ということもあってちょっと高額なのだ。大体ギルドから依頼のものが届きました、って連絡を緊急で入れると種の魔力保持時間はそこまで長くない為、速攻で取りに来てできればその場で魔力充填まで依頼されてお小遣いも追加でもらえる。魔法を得意とする学院生にとっては格好の収入になるのであった。


「はぁぁ~……そんな植物もあるんですね」

「まぁもっと長期間魔力の溜め込みができるのもあるけどこんなのの比じゃないくらい高額よ~。魔法関連のお店に行くとたまーに売ってるけどびっくりするほど高いし」

「お前……種類が違うとはいえそれを大量に使った物を使ったの持ってる……ぐぼぁっ!」

「ライルは余計なこと言わなくていいのよー?」

「きゃー、先輩、黒い笑顔が怖い……、……すみませんでした」


分かればよろしい。魔石の説明はメルナに後でしておこう。一緒に暮らしてると問題になることもあるかもしれないし。下手に片づけをしようとして自爆されたら困る。


「じゃあどうしよう……もしミルさんに甘えても良いなら二つ目の依頼でこれを受けてみていいでしょうか?魔力がどれくらい必要かもわからないので私では力不足かもしれないですし場所もよく分からないですけど」

「おっけーおっけー!そういう知ってる人がいるならその知識を学ぼう、ってできる依頼を序盤はどんどん受けるべきだと私は思うわよー?ランクが上がっちゃうと何で知らないんだって思われちゃうからねー?特にこの二つの依頼をこなせばメルナはランクE冒険者と認められるの。何でも聞ける、知らないことがたくさんあるのはDランクくらいまでだから知らないことや怪しいなーって思った判断とかはがんがんに聞きなさいな」

「っ!そっか……知識がなくてもランクだけで経験があるって思われちゃうんですね……本で知ることが出来るものだけじゃ全然足りないのに……」

メルナちゃんはまじめすぎーって感じもしますが個人的にそんな感じで一生懸命な感じが好きなので!

…これで力任せ適当~になると師匠にかぶりすぎですから…(ぉ

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