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第42話 お仕事の準備

やっぱりどこまでも真面目なんだなぁ~、と苦笑している私にこそっとライルが聞いてくる。


「これ、どこまではサポートするんだ?種付けるまでの魔力って相当必要だった気がするだが」

「んー。ライルはちなみにこれ、誰と行ったの?どうせ師匠か前学院長辺りが一緒の時だったんじゃないの?」

「いや、まぁ。前学院長だけど『ワシはもう歳だし受けたお前らがやらないと意味がないからなー』とかいって剣士メインの俺も含めて五人くらいで魔力を全力で注いでやっと一つ採取できたんだが……」

「うん、予想通りのドSっぷりに感心しちゃう?あの人なら一人で後先考えないなら五個くらいは実らせられると思うけど?多分適当な冒険者の人に声かけたんだったら学院生の練習用に他に取られないようにってわざとじゃないかなー。多分道中も魔法援護ほとんどしなくてみんな割りと消耗してたんじゃない?」


一緒に組んだのが学院生だったらコツを教えるためにもっとあの人も協力的だったんじゃないかと思う……。そんな呟きを聞いてまじかーーー!と過去の真実から崩れ落ちるライルであった。なむい。


「じゃあまずは依頼を受けてきちゃいましょー。その依頼書もってあっちのカウンターに提出行くわよ」

「はい!……えっと、ライルさんはどうされちゃったんでしょう?」

「あー、ちょっと昔のことを思い出してショックを受けてるだけみたいだからほっときましょ。依頼を受けたら野営の準備とかで買い物行かないとだし急ぐわよー」


ついでにちょっとした自分の用事のためにカウンターに一緒に行く。


「メリーさん、メリーさん。メルナの依頼受注と……後、ついでにこれからあれですし私の冒険者を休止部分解除お願いしても良いですか。村周辺限定だったのを追加で王都周辺採取、討伐依頼の受諾を付き添い限定で復活にしようかと思うんですけど……。まだちょっと指名依頼は休止のままで……色々めんどくさいので?」

「はいは~い、依頼の受諾はすぐにー。ミルの活動範囲についてはギルドマスターに言っておくからまた連絡が行くと思うわー」

うん、ひとまずこれで処理は完了。


採取関係の二種を受諾して準備のために街に出る。とはいえこの辺りはほとんど食料など消耗品が目当て。冒険者として必需品であったり旅に必要なものはギルドで買う方がお得な為、その辺りは買い物済みで街に出てきていた。


「ミルさんと一緒に買い物も久しぶりな気がしますねぇ」

「なんだかんだで時間が合わなかったからねー。とりあえず野営の準備と保存食は必須だからそこからかな」

「はーい」


うきうきと隣を歩くメルナと二人で店に向かって歩きながらちらり、と新しく仕立てた衣装を見てため息をつく。全く……フレアさんも悪乗りしすぎだと思う。フレアさんは素質や人に宿る属性を色で目に見ることが出来る。それと同時に意思を持っている精霊がいれば魔霊ほど強い力がなくとも意思の疎通が出来る。

そして新しく出来た衣装を纏うメルナは破格の闇の魔力を纏っている。イメージがよくない、というだけであまり使ってもらえない闇の色をメインとしたことでよりいっそうメルナは闇の精霊や魔霊に懐かれてしまったようで……。知らないがゆえに本人も綺麗な薄紫ですねーとかいって喜んでるし……。

そんなわけで本人が思っている以上にメルナの衣装には精霊に好かれるというか力そのものが染み込んだものになっている。下手をすれば簡単な護符以上の効力を発揮できそうなくらいには。


「はぁ~……伝えるべきかそっとしておくべきかって感じだわ~……」

「どうした?何かあったか?」


ライルがはしゃぐメルナを横目に聞いてくるがまた後で周囲に人がいない時にでも話すことにと流して旅の準備を進める。


「とりあえず防寒用品と食料は必須ねー。今回は多分一泊でいけると思うけど万が一を考えて少し余裕を持った食料が必要なのは基本!だけど最低限にしないとかさばるからその辺のバランスはよく考えてね。行き先が遺跡とかじゃなく森やら海やらって時には現地調達もありえるからそこらへんの知識は最低限必要になるけど……これは案外メルナは既に知ってそうねぇ」

「はい、森の恵みは大切なんですよー。でも海はさっぱりなのでこれから勉強しないとですね~」


森の恵みで暮らしていた子には愚問ってこともありそうだけど基本として忠告。

でもまぁ野営に抵抗がない上に基礎知識があるのはありがたいかなぁと考えながらも初期用の基礎の準備を進めておいた。さすがに小さな子を連れてそんな深くまでの予定はしないだろうから軽めのキャンプしか経験がない可能性もあるしうっかり今回の途中で大型の熊とか出て解体とかはじめてとかなるとどうだろう、とかちょっと心配しながら準備。


まずは力量と順応力を鑑みながらのゆったりクエストの予定……


が、予想外のスペック(と運)であっさり終わったので唖然として地道な経験がある先輩たちによる補習授業が行われる羽目になるとは思ってもいなかったのであった。

だいぶのんびりしてた…と見せかけてじわっと思いついたせいでミルの学生時代の外伝的なお話を別途UPしてました。

シリーズ化?としてますので興味があればぜひ読んで頂ければと思います。

外伝で出た人物もちらほらと本編で使っていけるといいなーと思ってます?

あ、ちなみに裏?設定的にミルたちが学生時代の溜り場として使っていた家が現在のミルたちの住処としていますがとある依頼で頂いた~っていうのは王太子妃のごたごたの報酬絡みって言う設定だったりします。

その辺のも学生時代のどたばたの一部ってことでコメディ増量?で書けたらいいなーと思ったり思わなかったり……。

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