第40話 ナイスな質問!
「ミルさーん、冒険者カードもらいました!とりあえず魔術師で登録したんですけどいいんですよね?」
「ん。もうすでにいくつかの魔法は使えるわけだし問題ないよ。で、今から行けばすぐに終わりそうな採取系がこの辺でちょっと遠いところだけど二泊もすれば終わりそうな依頼がこの辺りね。二つくらい選ぶならどうする?」
うーん、と壁に貼り付けられた依頼書で私が指差した物を読んで行って振り返って知らない植物のことなどを確認してくる。今見ている依頼では採取の依頼があるものでほとんどは特に危険のない薬草や木の実の系統だがひとつだけ採取に条件があるものが……。
「じゃあ採取のこの二つにします!……もしかしてミルさんのお薦めとかありますか?そっちを優先したほうが良ければ教えて貰いたいですけど」
「ん~……」
実は後見必須の登録の場合、後見人本人、もしくは後見人が依頼をした冒険者が最初の3回は同行、もしくは監視となる。そのため後見を得ての登録の場合、第一の関門はまさにこれ、クエストの選定。大体のパターンは三つに分かれるらしい。
一つ。後見となる人が付いて来てくれる、とか貴族が後見の場合は腕の立つ先輩が一緒に来てくれるから余裕だろー?って本人の実力には程遠いクエストを受けてしまうという場合。本人のランクから上下2までのランクは確かに受諾可能な為、さっさと助っ人の人たちの力でランクを上げてうはうはしたいっていうのが見え見えで大体ここでこういうのを選ぶ冒険者は後見になってくれた人からも割りとすぐに見切られる。……と思う。もちろん、最初の一回目でひどい目にあってそこから成長する場合はその後もしっかり見てもらえるとは思うが……。最初ので命を落としたりその後冒険が出来ないほどのことにならない場合は後見を外されてしまって半端に困ることもあるとか…。本人が無駄にランクにしがみついて上のものを選ばない限りは基本的には普通にランクEとかから始めた人たちと同じ様なスピードで成長していけるのではないかと思う。
二つ。後見の人がいて自分にそれなりの力があると無駄な力が入った人がいる、という場合。そしてそういう場合割と多いのは一緒に付いて来てくれる人たちは監視役でうまくクエストを出来ないと捨てられてしまうのではないかという強迫観念のようなものに追われてる人。実際のところこれから育つんじゃないかって言う期待含めた想いから応援するよ!って意味で後見を名乗り出るので冒険者の実際の仕事の中身には興味がない貴族が多いのでぶっちゃけ序盤の仕事なんて全く見ていない。よっぽど貴族がらみの仕事を請けてしまってどうしていいか。とかいう事態でもない限りほんとに見ていない。
三つ。後見がいても護衛として腕の立つ人が付いてきてくれると分かっていてもマイペースな人。実際のところ個人で登録の場合は特にこのパターンが長く続けていける気がする。後見となる人たちの力をうまく使いその上で自分の力を過信せずちょっとだけ力を借りれば達成可能なものを選ぶ。その目が必要となる。ただしせっかく後見がいるにもかかわらず自分の力だけで進もうとすると当然ながら時間がかかる。それもまた後見人がわざわざ後ろ盾をする意味を奪ってしまうので微妙といえば微妙な場面もあったりする。
メルナが選んだクエスト二つはどちらも本人の力にはおそらく沿ったものではあるが……
「んー。地味って言うか、いや、地味としか言いようがないわねぇ」
「え、あれ?そうですか……?村での感覚だとトリエフの収入とかすごいってイメージだったんですけど……」
「いや、生活にすごい密着した感じの選定ではあるんだけどねー」
「ちなみに聞いてみるんだが。収入はおいといて護衛というかバックアップでミルがついてきて力を借りられるのを考慮した場合は違うのを選ぶのか?」
「え?うーん……」
ナイスな質問ライル!
「そうですねぇ……。うーんうーん。……せっかく二つ選べるってことなのでこっちの採取の簡単なほうは自力でやってみたいです。で、もう一つをもう少しランクアップするかどうか相談してみようかなという感じでしょうか?」
「……なるほどー。ミルは堅実派だねぇ」
「年齢の割にしっかりしてるよな~。もっとわくわくしてはっちゃけたのを選ぶかと期待したんだが」
つまりご自分はやっちゃったんですね……ライルくん。ちょっとジト目で見たら目をそらされたので図星だったようだ。とりあえずよく言えば堅実、悪く言うと冒険心がない。向上心がない、ということはないので性格とか育った環境によるとは思うけど。
「念のために選んだ基準みたいなのがあったら教えて欲しいんだけど。一般的には結構もっと突き抜けてるのが多くてメルナみたいな選定する人は珍しいんだよねー」
「え!?ええぇぇぇ!?もしかしてまずかったですか!変?私がおかしいですか!」
「育った環境もあるから変とは言わないが……首都のギルドでの選定なら相当珍しいんじゃないか?」
「普通から逸脱しすぎてるライルは口を出さない。……とはいえ、初めてのクエスト選びってだけで見るとその選定能力は一般とだいぶ違うのかもしれないわ。ていうのもあって選定の基準というか判断になった考えを教えて欲しいかな?」
だいぶ前から間が開きました!申し訳ありません…。
でもやっぱり次も悩み中な感じで…ちょっと間が開きそうな感じかもしれないです。
めるっちはなんかかわいいなぁ…うっかり詐欺に合わないか心配です!(ぉ




