第38話 なぜお前までいる!?
引き続き半分以上は説明回に……
「ギルド登録に関してはそんな感じかな。今回は二番目のケースで行くわ。私が後見人になってメルナは冒険者ランクEになる。メルナが仮のランクからちゃんとしたランクになれるまでは大体三つくらい依頼をこなすことが必要だけど助言は出来ても直接的な手伝いはその三つの依頼中は出来ない。本登録が済めばもちろん一緒のパーティで組むことは可能だけど各種褒章はランクや貢献具合に比例した分配をされる。下手すると選んだ仕事によっては私と組むとメルナの冒険者経験値はゼロに近くなることもあるかもね。だから常に私と組む必要はないし私がいなかったりする時は自分で出来るものを選ぶのもいいわ」
ギルドの登録について簡単に説明をしながら反応を見る。
「なんかちょっとズルしていいランクに登録なのかと思ったらそうでもないんですね……。さすがにしっかりしてます~」
「冒険者、って響きはいいかもしれないけど命がけだからね。Gランクだと街の近くでの採取か街の中でのお手伝いみたいな仕事が多いわ。Eもそんなに差はないけど採取で行ける範囲が広くなったり少しだけなら討伐関係の仕事もあるわね。FもGと大差ないけど登録方法のほとんどが仕事ありき、だったり学院生で登録できるようになったからみたいな人が多いのもあって多少は討伐もあるけど街の近隣の一般人でも対処できる程度のものだけかなぁ」
響きだけに憧れて冒険者ギルドに登録に飛び込んでくるオトコノコは多いらしい。でも当然登録できるのはGランクでそこからちまちまこつこつと努力を重ねることが出来る子のほうが冒険者として残る子は多いらしい。冒険譚に憧れるだけの子が時折事故にあう話はそこそこ良く聞く話だった。
「ミルさんたちはやっぱり学院だとそういうのって授業で聞いたりするんですか?」
「うーん、依頼に関するとこは一般論がメインというか教える側がそもそも冒険者活動ある人たちばっかりだからある意味実践的話が多かったかなぁ……。人によるけどこういうパターンでどんどん仲間を失った、って語る人もいるし淡々と『細かいことだが調理道具が何もなくて三泊の間ずっと干し肉と水だけで過ごすのはつらい』って語る人もいたし……」
「……よく生きてましたね、というかその場で肉を狩って食べるってわけじゃないんですね」
「そりゃ森の中の調査とかならそういうのもあるかもだけど……何とかについて調べて来い、って言われてるような場所で採れたものを食べるのはねぇ?あと諜報系の仕事もどうだろ。まぁ物によるだろうなーって言う感じは……」
調査系なら色々と採取する、というのも考えられなくないが生態の異常を調査中やその護衛で遺跡とか引いてしまうと依頼主にも寄るが大変な目にあったとか言うのもなくはない。特に低ランクの価格で依頼できるような依頼主では食事とかは自分でなんとかして。って人も多く本人も頓着しない人だとほんとに携帯食だけで数日済ませてしまう。勘弁して欲しいとこです……。
「まぁ明日登録に行ったからってすぐにそんな無茶なのを受けろとは言わないし最初のうちは受ける前にどれを受けたいかって言うのを相談してね。受けるかどうかって言うのはよっぽどじゃない限り口を出さないけど依頼の紙を見てどういうところに注意したほうがいいって言うのは口を出させてもらうし明らかに無理なっていう時は止めさせてもらうから。一人でやることになった時もどれを受ければいいか、とか自分の力に見合ったものか判断に迷うときは遠慮せずにギルド職員に相談すればいいと思う。話を聞いてくれそうな先輩冒険者でもいいけどどちらにしても人脈を作ってからってとこねぇ」
「はい!見ただけでは最初は分かりませんしよろしくお願いします!」
はきはきと答えて頭を下げる姿を見てしみじみと思う。あぁ、ほんとにメルナは素直でかわいくて癒されるなぁ……
ひとまず今日の簡単な説明はこれくらいにして明日に備えてさくっと休むことに。
―――翌日 冒険者ギルド―――
「わー!さすがに王都の冒険者ギルドとなるとすごいですねぇ!」
「まー、人が多ければそれだけ仕事も増えるからねー。稼ぎやすいし色々なのがあって経験も積めるから人が増えるのもしょうがないわ」
「お~。相変わらずでかいよなー。人も多いし、メルナは迷子にならないように気をつけろよ?」
……初めてのギルドにはしゃぐメルナはいい。なぜお前までいる!?
「ねぇ……なんでいるのよ?しかも何でそんなにここに馴染んでるのよ!?」
「ん~?ちょっと妹から今日は冒険者ギルドの登録にメルナちゃんが行くそうですわー。って聞いたから面白そうかなーって」
あなたが犯人か!意外な敵だった……。いや、私の授業以外も増えたしこれ幸いと確かにメルナとしっかり修行するかと思ったしこの前のでだいぶ仲良くなったみたいだったけどどこでやり取りしてたんだろう……。
だいぶ間が開いてしまいました!
申し訳ないです…(´・ω・`)
まだまだ全然書き貯めも出来ない状態で次もちょっと間が開くかも(汗
そして次に出すおねーさんの名前が全く思い浮かびません!
が、がんばります……。