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上位存在の下請けを押し付けられたら、世界一マナが集まるポジションだった  作者: ヲワ・おわり


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8/25

第8話 攻略者の要求

※本作は第70話で完結予定です。

※毎日5話ずつ、07:00 / 12:00 / 18:00 / 21:00 / 23:00 に投稿予定です。

※もし続きが気になったら、評価で応援いただけると励みになります。

 一週間後、飯塚は約束通り来た。


「回答は?」


 俺は試算書を取り出した。


「難易度を下げた場合の収益シミュレーションです。現在の難易度を飯塚さんの要求するCランク対応に下げた場合、月次収益が三十パーセント減少します」


「だから何だ?」


「担当上位存在から毎月、収益二十パーセント向上の指示が来ています。難易度を下げると逆方向になります。この判断を私がするには、収益への影響を上位存在に報告し、承認を取る必要があります」


 飯塚がしばらく俺を見た。


「……管理局って、そんな計算するのか」


「計算しないと判断できません」


「前任者はすぐ難易度を下げてたぞ」


「前任者の判断については把握していませんが、俺は管理収益への影響を無視して変更はできません」


 飯塚の顔が少し変わった。怒りとも困惑ともとれる変化だった。


「じゃあ上位存在に聞けばいいじゃないか」


「聞きます。ただし結果次第では、変更できない可能性があります」


「……できない、って言うのか管理局が」


「データが根拠であれば、管理判断として正当です」


 飯塚が「……ふん」と言って去った。宮代が「怒りましたね」と言った。


「怒っていました。でも反論はなかった」と俺は言った。


「なんで怒ったのに動じないんですか? 神崎さん」と宮代が訊いた。


「感情で動く必要がない判断だったので」


「……私、それができないです」


「そのうちできます」


 管理局に戻り、試算書を整理した。アルダへの報告書として提出するフォーマットを確認すると、管理画面内に「上位存在への報告書提出」という機能があった。


「この機能、使えますね」と俺は言った。


「え、管理画面から直接送れるの?」と霧島さんが訊いた。


「できるみたいです。前任者はたぶん知らなかった」


「前任者は何も知らないまま怒られていたわけか……」と霧島さんが言った。少し複雑な顔をしていた。


 報告書を書いた。「攻略者による難易度変更要求の収益影響試算書」。現状の収益、変更後の予測値、ノルマへの影響。三ページにまとめた。


「これって、飯塚さんの要求をデータで断るってことですか?」と宮代が言った。


「そうです。感情で断るのではなく、数字で断ります」


「……すごくないですか、それ」と宮代がつぶやいた。


「普通の判断です」


「普通じゃないと思います」


 霧島さんが「でも、アルダさんが受け取ってくれるかどうか。前任者は一方的に要求されるだけだったから、逆方向に情報を送ったことがなかったと思う」と言った。


「規定の範囲内であれば、対応しなければならないはずです」


「……そうね。じゃあやってみるしかないか」


 翌朝、報告書の送信画面を開いた。


 「送信しますか? Yes / No」という確認が出た。


 あとはアルダが規定通りに動くかどうかだ。


 俺はYesを選んだ。


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