表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
上位存在の下請けを押し付けられたら、世界一マナが集まるポジションだった  作者: ヲワ・おわり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/70

第41話 廃止手続きの通達

 公文書の内容を霧島さんが声に出して読んだ。


「……管理局廃止に向けた事前準備として、現行業務の引き継ぎリストを六週間以内に提出すること」


 霧島さんが読み終えて黙った。


「……これ」と霧島さんが言った。「本当に廃止の準備をしろってことですよね」


「そうです」


「六週間って……二ヶ月もない」


「四十二日です」と俺は言った。


 宮代が「どうするんですか、神崎さん」と訊いた。


「二つあります。一つは本社からの反応を待つこと。アルダさんを通じて報告書を送った。上位存在が動けば、法案に圧力がかかる可能性がある」


「もう一つは?」


「緊急停止権の使用を検討します」


 霧島さんが「緊急停止……マニュアルBにあったやつですか」と言った。


「そうです。管理権限の中に、緊急時のダンジョン停止権があります。ダンジョンを数日間完全停止させることができる」


「何のために使うんですか?」


「ギルドが管理権を持っても、実際には運営できないことを証明するためです。管理スキルがなければダンジョンの内部設定は変えられない。停止状態のダンジョンをギルドが再稼働させようとした場合——再起動にも管理権限が必要です」


「……つまり、ギルドには管理できないって見せる?」と宮代が言った。


「そうです。事実を作る」


 霧島さんがしばらく考えた。「……私、まだここにいます。できることをやります」と言った。声は静かだったが、はっきりしていた。


「僕も」と宮代が言った。「観察眼スキルで現場の情報を最大限集めます」


「ありがとうございます」


 夕方、飯塚が来た。


「引き継ぎの公文書が届いたと聞いた」と飯塚が言った。「ギルドの中でも話が出てた。……表情が険しくなるのは仕方ない」


「廃止手続きの開始です」と俺は言った。


「どうするんだ?」


「まだ手があります」


「……あんたがそう言うなら、そうなんだろう」と飯塚が言った。「何か俺にできることがあれば言ってくれ」


 飯塚が帰った後、俺は管理端末を開いた。引き継ぎリストの作成——形式上は着手する必要がある。でも最低限でいい。時間を使うべき場所は別にある。


 緊急停止権。使用条件を確認する。


 規定には「管理員が安全上の理由から判断した場合」とある。安全上の理由。解釈の余地がある。


 本社からの連絡が来るまで待つ時間があれば、待つ方がいい。でも——待てない可能性もある。


 端末にアルダからの通信が届いた。


「神崎さん」とアルダが言った。「本社での検討が続いています。……時間がかかる見込みです」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ