表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
上位存在の下請けを押し付けられたら、世界一マナが集まるポジションだった  作者: ヲワ・おわり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/70

第39話 試算書の送信

 送信確認が端末に届いた。


 数分後、アルダからの通信が入った。珍しく速かった。


「神崎さん」とアルダが言った。「この試算書は……どのデータを使いましたか?」


「管理画面の収益レポートと、公表されている法案の条文です」と俺は答えた。「計算根拠は全てページに記載してあります」


「……(長い沈黙)……」


 霧島さんが俺の横で「アルダさん、今まで一番速い反応だ」と小声で言った。


「……これは、本社に上げる必要があります」とアルダが言った。


「はい」


「確認ですが、この試算書を本社に提出することを許可しますか?」


「はい、むしろそうしてください。本社が判断材料として使うなら、追加データも提供します。第三ダンジョンの稼働データや、防衛型のシミュレーションも手元にあります」


 また沈黙があった。


「……わかりました。報告を待ってください」


 通信が切れた。


「本社に上げる、って」と宮代が言った。「本社が動いてくれるんですね」


「動く可能性があります。確約はできません」


「でも可能性はある」と霧島さんが言った。「試算書が届いた瞬間、アルダさんの反応が変わったんですよね。普通じゃないスピードで折り返してきた」


「上位存在の担当者にとっても、この数字は無視できないはずです。Q2のコスト削減指示が出ている中で、担当区域収益が十五パーセント以上落ちる見込みがあれば、対応しないわけにはいかない」


「あとは待つだけですか?」と宮代が訊いた。


「待つだけではありません。本社の判断次第で次の手を考える必要があります。ただ今は、アルダさんが動くのを確認するのが先です」


 夕方、宮代が第十七-Aの巡回から戻った。


「飯塚さんに会いました」と宮代が言った。「試算書を送ったことを言ったら……"うまくいくといいが"って言ってました」


「そうですか」


「なんか、飯塚さん、昨日とは少し表情が違いました。少し……応援している感じ?」


 霧島さんが「飯塚さんがそういう顔をするの、想像できなかった」と言った。


「人は変わります」と俺は言った。


 翌朝、管理端末に通信が届いた。アルダからだった。


「神崎さん」とアルダが言った。「少し、異例のことをお願いしてもいいですか?」


「はい」


「本社に提出する報告書の草案を……確認していただけますか。下請け管理員に本社資料の確認を求めるのは初めてです。ただ——」


 間があった。


「——あなたの視点からの確認が必要だと判断しました」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ