第21話 2つ目のダンジョン
担当追加の承認が来たのは、申請から五日後だった。
「第十七-Bダンジョンの担当管理者が空席のため、追加委託する」とアルダが通知してきた。
「担当が増えた!」と霧島さんが言った。次に「書類が増える……」と言った。
「採掘型ダンジョンです」と俺は言った。「攻略型とは構造が違います。現地を見に行きましょう」
第十七-Bダンジョンは、管理局から徒歩二十分の場所にあった。第十七-Aとは違い、入口には採掘業者の車が何台も停まっていた。重機を持ち込んでいる業者もいた。
中に入ると、採掘業者のリーダーらしい人物が驚いた顔をした。
「管理局の人が来るの初めてです」と言った。「何かあったんですか?」
「担当が変わりました。現地を確認しに来ました。何か要望があれば聞きます」
採掘業者が困惑した顔をしたが、しばらくして「……それじゃ、奥の鉱脈の質が最近下がっているのが気になってます」と言った。「昔は良いものが出たのに、今は平均的なものばかりで」
「管理画面で確認できるか試します」
管理画面を開いた。第十七-Bには鉱脈の位置と質のデータが記録されていた。過去のデータと比較すると、確かに高品質の鉱脈が出る頻度が下がっていた。
「配置を調整できるか確認します」と俺は言った。
「本当に変えられるんですか?」と業者が言った。
「試してみます」
帰りの道で、宮代が「採掘型って攻略型と全然違うんですね」と言った。「観察眼スキルで見てると、鉱脈の位置が光るみたいな感じがあって。たぶん使えます」
「鉱脈の位置が見えるということですか?」
「なんとなく、くらいですが。訓練したらもう少しはっきり見えるようになるかもしれないです」
「それは使えます。現地巡回の時に鉱脈マップを作ってみてください」
「やります!」
霧島さんが「担当が増えた分、書類も増えますね」と言いながら、「でも、なんかこっちも面白い。攻略型と採掘型って、管理の仕方が全然違う。同じダンジョンって概念の中に、こんなに種類があるとは知らなかった」
「種類ごとに最適化の方法が違います。その方が面白い」
「面白いって言える神崎くん、やっぱりちょっと変わってる」と霧島さんが言った。
「そうですか」
「褒めてます」
収益レポートを確認した。第十七-Bは現在、攻略型より単価は低いが稼働時間が長く、安定した収益を生んでいた。最適化の余地がある。
採掘型は「長時間・低消費」が基本だが、特定の鉱脈発掘時にマナ消費が急上昇するという特性がある。
この特性を活かせば——。




