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上位存在の下請けを押し付けられたら、世界一マナが集まるポジションだった  作者: ヲワ・おわり


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第2話 管理局の実態

※本作は第70話で完結予定です。

※毎日5話ずつ、07:00 / 12:00 / 18:00 / 21:00 / 23:00 に投稿予定です。

※もし続きが気になったら、評価で応援いただけると励みになります。

 地下一階への階段は、電球が一本切れていた。


 もう一本の電球が薄暗い光を投げているだけで、足元が見えにくかった。霧島さんが「気をつけて、段差があるから」と言いながらついてきた。来る気がなかったのに来てしまったというような顔だった。


「十年以上、ここには誰も来ていないんですか」と俺は訊いた。


「前任者は来ようとしたらしいんだけど。鍵を開けた後、真っ青な顔で戻ってきて、翌日辞表を出した」


「何があったんですか」


「わからない。何も言わずに辞めたから」と霧島さんが言った。「もしかして危ない何かがある部屋かもしれないから、気をつけて」


 鍵穴にIDカードをかざすと、電子ロックが外れた。ドアを開けると、埃の匂いがした。


 部屋は四畳半ほどの広さで、デスクの上に端末が一台置かれていた。モニター、キーボード、本体。見た目は普通のコンピューターだが、デザインが少し違う。ケーブルの規格も見慣れないものだった。


「本当にあった」と霧島さんが言った。


 俺はデスクの椅子に座り、IDカードを端末横のカードリーダーにかざした。


 何も起きなかった。


 もう一度かざした。


 モニターが光った。


「うわ」と霧島さんが言った。俺も少し驚いた。


 モニターに文字が現れた。〔ダンジョン管理システム ポータル画面 ようこそ、管理員 神崎凌〕。


 ログインしていた。スキルが自動で認証を通したらしかった。


「起動した」と霧島さんが言った。「初めて見た。本当に動くんだ」


 俺は画面を見た。管理局の書類仕事とは違う、整理された画面だった。タブが縦に並んでいる。「ダンジョン概要」「モンスター配置」「難易度設定」「収益レポート」「施設管理」「規定書」「緊急機能」。


「かなり機能がありますね」


「そうなの? 私には何が書いてあるかわからないけど」


「管理画面です。ダンジョンを管理するための機能が全部ここにまとまっている」


 霧島さんが「管理って、何を管理できるの?」と訊いた。


「まだわかりませんが、タブの名前を見ると……モンスターの配置を変えたり、難易度を調整したり、収益を確認したりできそうです」


「そんなことができるの?」


「見た限りは」


 収益レポートのタブをクリックした。「権限不足。フルログイン後に閲覧可能」という表示が出た。


「権限不足か」と俺は言った。


「だめだった?」と霧島さんが言った。


「フルログインが必要みたいです」俺は画面の下部を探した。「……認証ボタンがある」


 スキルを意識した。管理スキルがこのシステムの鍵なら、認証もスキルを通せば開くはずだ。画面の認証ボタンに触れながら、スキルを使う感覚で押した。


 光が走った。


 〔フルログイン完了。全機能が利用可能になりました〕という表示が出た。


「なった」と俺は言った。


 収益レポートのタブをもう一度クリックした。


 数字が並んだ。


 最初に目に入った数字を、俺は三秒見続けた。


「……この数字は」と俺は言った。


 おかしかった。ひと月の数字とは思えない桁だった。


「どうしたの?」と霧島さんが訊いた。


「攻略者が使った量と、システムが回収した量が全然違います」と俺は言った。「使った量より、回収量の方がはるかに多い」


「……それっておかしいこと?」


「物理的に考えると、使った量より多く回収できるはずがない」俺は数字を見ながら言った。「何かからくりがあります。もう少し確認させてください」


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