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上位存在の下請けを押し付けられたら、世界一マナが集まるポジションだった  作者: ヲワ・おわり


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15/25

第15話 経費申請の連打

※本作は第70話で完結予定です。

※毎日5話ずつ、07:00 / 12:00 / 18:00 / 21:00 / 23:00 に投稿予定です。

※もし続きが気になったら、評価で応援いただけると励みになります。

 承認事例が一件になった時点で、俺はリストを見直した。


 次に必要なものは明確だった。上位存在のシステムをもっと深く理解するための資料。管理スキルについての専門書。そして現地視察のための機材。


 二度目の経費申請を出した。「マナ経済学の専門書および上位存在行政システムの解説書、計十五冊」。


 翌日、アルダから問い合わせが来た。


「専門書は管理業務に必要ですか?」


「上位存在のシステムを理解することで、より適切な管理が可能になります。理解が深まれば収益への貢献も大きくなります」


 間があった。


「……それは、私には反論できません」とアルダが言った。「……規定上、問題ありません」


「ありがとうございます」


 三度目の申請は翌週。「月次現地視察費用。交通費および現地巡回記録用機材の購入費」。


 今度はアルダからの問い合わせが一日で来た。


「現地視察費は何回分ですか?」


「月三回程度を予定しています。管理精度の向上のため」


「……わかりました」


 アルダの「……わかりました」が早くなってきていた。


 三回の申請で届いた荷物を宮代が整理していた。本の箱が二つ。機材の箱が一つ。


「これ全部読むんですか?」と宮代が言った。十五冊の本の山を見ながら。


「読みます」


「全部?」


「必要な部分は全部」


「……神崎さん、それが普通だと思ってるんですよね」と宮代が言った。少し呆れた顔だった。


「読まないと知識にならないので」


 霧島さんが「なんか、アルダさんとのやり取りがもうパターンになってきてるね」と言った。「申請が来る→問い合わせが来る→神崎くんが反論できない理由を言う→アルダさんが渋々認める。このループ」


「ループで問題ありません」


「アルダさん、大変だろうな」


「規定通りのことをされているだけです」


 本の整理をしていると、一冊だけ他と雰囲気が違う本があった。


 「上位存在管理システムの内部構造(非公開版)」という表紙だった。他の本は一般書籍の体裁だったが、これだけ制作元が違う印刷物だった。


「これ、申請リストにありましたか?」と俺は言った。


「えっと……」と宮代が確認した。「リストにある十五冊の中にはないですね」


「じゃあどこから?」


「管理局への荷物に混入してたのかも。あるいは申請システムが自動で追加した?」


 俺は表紙をもう一度見た。「非公開版」という言葉が気になった。


「一般には出回らない本です」と俺は言った。「どこで手に入れたんだろう」


「管理局に送ってくれるってことは、管理員に見せていいってことじゃないですか?」と宮代が言った。


「かもしれません」


 俺は本を開いた。最初のページに「本書は管理権限保持者向けの内部資料です」と書いてあった。


 つまり、管理スキルを持つ者だけが読める権限を持つ本らしかった。


 読み始めた。


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