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第7話 6.突然の出会い

「えぇーーーーーーー?!」


国際通りのTシャツショップを後にし、ホテルから歩いてすぐの浜辺に到着した三人。

しかし、浜辺横にある船着き場に到着して早々、遊覧船閉鎖のお知らせと書かれた立て札のよこにある看板を見た華から大きな声が上がる。


「……しばらくの間、バナナボートは中止します……なんでぇ!」

「変だね。一昨日も確認したけど、中止の告知はなかったのに……」


冷はスマートフォンを取り出し、詳細を確認している。

その横で、肩をがっくり落として落ち込む華の背中を、麦は優しくなでていた。


「……あれ、4時間前に更新されてる」

「なんて?」

「……“数日前から近海で巨大な生物の目撃情報が相次いでおり、船舶への接近・接触などの被害も確認されています。このため、安全が確認されるまでの間、沖合でのバナナボートの運用を当面中止いたします”……だってさ」

「巨大な生物? クジラかしら?」

「何かは書いてないけど……船に被害が出てるってことは、相当危険なやつだと思うよ」


その時だった。

話を聞いていた麦の背後から、驚き交じりの高い声が上がる。


「ふえ?」

「え、なに?」


華と冷が振り向くと、

いつの間にか、麦のすぐ後ろに首から黄色い石がついたペンダントを下げた一人の男の子が立っていた。


「なに突っ立ってんだよ! あぶないだろ! ケツデカおばさん!」

「なっ……!」


突然の罵声に、麦の表情が一瞬で強張る。

次の瞬間――その顔は、怒り一色に染まった。


「へーんだ!」


片方の目の下を引っぱり、あっかんべーをしながら、男の子は走り去っていく。


「な、なんなのかしら……あの子……!」


麦が呆然と立ち尽くしていると、

男の子の進行方向の先に、一人の年配の女性が立ちはだかった。


振り上げられた拳が――


ゴツンッ!


小気味いい音とともに、男の子の頭を痛快に叩く。


「いっっっってぇぇぇ!!」


その場で動きを止め、頭を押さえて悶える男の子。


しばらくして、年配の女性はその服の襟元をつかみ、ずるずると引き寄せるようにして華たちの方へ歩いてくる。


近づくにつれて、その体つきがはっきりと見えてきた。

横に大きく、ふくよかな体型の女性だ。


「すみません! この子がとんだ早とちりを……!」

「あ、いえ……」


女性の深い会釈に、麦も思わず頭を下げる。


「……あら。もしかして、バナナボートに乗りに来たのかい?」

「はい。でも、しばらく中止みたいで。どうしようかと思っていたところです」


冷が事情を説明する。


「だったら、うちに寄っていくかい? 近くなんだよ」

「うち……?」

「海の家、やってるんだよね!」


女性の言葉を聞いた瞬間、

落ち込んでいた華の顔が早送りでぐいっと上がる。


「海の家……食べ物!」


(あ、復活した)

(食べ物につられたのね……)




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