第四十六話 リセ・ディアル・パラミス
短いですけども、お待たせしました。
「おい。席に着け、ホームルームを始めるぞ」
サンドラの話を聞いていると、紫色の髪に褐色の肌をした巨乳の女性が出席簿で自分の肩を叩きながら入室する。
この三組の担任・リセ先生。
本名をリセ・ディアル・パラミス。
担当教科は全教科と。非の打ちどころのない完璧鉄壁な女教師であり女性騎士だ。
唯一欠点を上げるなら、男以上に男勝りな点がある所だろう。
それ故に男日照りらしい。
しかし、今日も良い乳してるな……。
「今日はお前達が待ちに待った実戦演習の日だ」
俺が初登校した三週間前。担任はリセではなかった。
別の教師が担任となっていたのだが俺が編入する事が分かった、その日に辞表を出しこの学園を去ったという。
なんとも情けない話だ。
担任が不在では流石に恰好がつかないため、主任教師だったリセ先生が引き継ぐ形で三組の担任をする事になった。
俺としては嬉しい限りだ。
毎日こんな美人を拝めるんだから。
周りにもいるには居るが、あれは全てアシヲスをしたって来た奴らだからな。正嗣を慕って集まったんじゃない。
「おい。館――」
そんな事を思っていると、リセ先生に呼ばれてしまった。
「何ですか? リセ先生」
リセ先生は何故か切羽詰まった顔で俺を見ている。
「今日は頼むぞ」
「ああ。まあ、それなりに頑張りますよ」
「それなりじゃ困るんだよ!
私はお前達に掛けているんだ!!
絶対に負けるなよ!!」
生徒の実戦演習で賭け事をするな。
たく、なんて教師どもだ。
「いいか負けるなよ?
負けたらどうなるか……わかるな?」
コクコクと首を縦に振る生徒達。
もちろん隣に座るヤザフやレックス、エレミナ、サンドラ達も例外ではなかった。
このクラスでの実力者と言える四人でさえも首を縦に振るうほど恐ろしい事があるのか。
これは負けられない……のかな。
「では、出席を取った後は各自で移動を開始しろ。
集合場所は体育館だ」
リセ先生は生徒の出席を取り終えるとウィンクと投げキッスをして教室を後にした。
数名倒れる生徒もいたが。
「それでは陛下。
更衣室へ向かいましょう」
前に座るレックスが着替えを手に立ち上がり、俺に移動を進めて来る。
「そうしようか。
早くいかないと場所がなくなってしまうからな」
「ではお荷物は俺が持ちます」
当然のように俺から荷物を受け取り(取り上げ)教室の外へ。
「いつも悪いな」
「いえ、これも仕事であり、使命ですから」
うーん。
これで良いのか。第三王子。
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