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罪の重ね着[壱]
私が人間だった頃は、とても不幸だった。
生まれついて、様々な病を経験した。
縁に恵まれていた、無辜なる魂に数えきれぬほど巡り合った。
幸せは感じていた、しかして生きる希望となる輝きは存在しなかった。
私の幸せは宇宙のようだった、暗闇の中にある一つ一つの星を手繰り寄せて、小さな手で囲むようなものであった。
私は生を望まなかった。
自我が無いままこの世界にいる人々を眺めて、幸も不幸もただ見つめていたかった。
生きていても、私が苦しみ辛い。
それも、時間が経てば止むことだが。
私は生よりも死の方が、唯の傍観者である方が、きっと幸せだったのだろうな。
生きることは、死に向かうまでの時間を足掻く虚しい時だ。
生きている時にしか味わえない快感も、苦しみも、私は必要を感じなかった。
時間は罪深いものだ。
生の時間は罪を重ねて着続けるような、進むにつれて重さを増していくような、ただ生きているだけで私という存在が罪を重ねているような感覚が、何処かしらにある。
謝って許してもらえるようなものではない、本来の私は既に死んでしまっているのに、生きてはいけない悠久の時間を過ごしているような。
既に私は生きていない、罪の重ね着をしている私はこの世を彷徨う亡霊だ。




