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D-DAY+169 2027年6月上旬 楽園島・イギリス国交締結式典 その2

* 10:30 楽園島・イギリス国交締結式典


ロンドンの空は、この歴史的な日を祝福するかのように珍しく晴れ渡っていた。バッキンガム宮殿の「ボールルーム(舞踏室)」は、数百年の歴史の中で最も特異、かつ重要な儀式の舞台となっていた。深紅の絨毯が敷き詰められた会場には、ユニオンジャックと、それと対等の大きさで掲げられた楽園島の「朱雀と宇宙」の国旗が並んでいる


王室大典侍(Lord Chamberlain):

「これより、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国と、楽園島による国交樹立調印式を執り行います」


大典侍の厳かな声が響くと、会場の空気は張り詰めた弦のように引き締まった 最前列の賓客席には、日本のK総理、M子様、K子様、ウクライナのZe大統領、フランスのMa大統領らが着席している

M子様はロイヤルブルーのスーツで堂々と、K子様はクリーム色の参内服に同色のトーク帽を合わせ、少し緊張した面持ちで前を見つめていた


大典侍:

「英国王室御一家、ならびに楽園島朱雀王家の方々のご入場です」


ファンファーレが高らかに鳴り響く

チャールズ国王陛下とカミラ皇后陛下を先頭に、ウィリアム王太子ご夫妻、そして特例として会場内での見学を許されたC王女が入場する


続いて、楽園島使節団の入場である 120kgの巨躯を、黒と灰色を基調としたディレクターズスーツに包んだp.admin(朱雀 椿)が姿を現した。ARホログラムに表示される不可視のガイドを従った歩みは、驚くほど威厳に満ちている

その傍らには、三人の妃たちが寄り添う。銀座で調達した「デイタイム・ドレス」を着用し、W子は知的なベージュ、R子は気品ある淡い青、S子は華やかなピンクを纏い、夜の晩餐会のために温存されたイブニングドレスとはまた違う、清楚で洗練された外交官としての装いが、会場の感嘆を誘った


中央に置かれたアンティークの机で、歴史的な署名が行われる

英国J首相が厳粛にペンを走らせ、続いてp.adminが一呼吸置き、流れるような筆致で「Tsubaki Suzaku」と署名する

最後に、王室による承認と祝福の証として

チャールズ国王が最後に特別立会人としてサインを書き入れた瞬間、万雷の拍手と無数のフラッシュが会場を包み込んだ

二つの異なる文明が、正式に手を結んだ瞬間だった


続いて、チャールズ国王が演台陛下に立った


チャールズ国王陛下:

「本日、我々は新しい友人を迎えました。しかし、彼らは既に友人以上の存在です。 先般、我が国に設置された『医療ベイ』により、多くの市民が救われました。そして本日、朱雀陛下より『計4台の医療ベイ』を宮殿へ設置完了したとの報告を受けました。 これにより、難病に苦しむ英国の子供たち、未来ある命が、分け隔てなく救われる道が開かれました。我々は、この慈愛に深く感謝いたします」


4台という具体的な数字と、子供たちの救済への言及に、会場からはどよめきにも似た歓声が漏れた


次にJ首相が登壇し、興奮を隠せない様子で宣言する


J首相:

「この友好関係は、我が国の経済と地理的概念を根底から覆します。 第一に、楽園島の土木技術支援により、スコットランドと北アイルランドを結ぶ『ノース海峡橋(North Channel Bridge)』の建設が決定しました。 第二に、英連邦コモンウェルスの絆を物理的に繋ぐため、カナダのトロントとバンクーバー、そしてオーストラリアのシドニーに、ロンドン直通の『ワープゲート』が開設されます! これにより、我々は距離の壁を超え、かつてない繁栄を共有することになるでしょう!」


会場がどよめきました

その発表は、産業革命以来の衝撃として各国の首脳たちを戦慄させた

カナダT首相とオーストラリアA首相が満足げに頷いています。これは物流と人の移動における「産業革命」以来の衝撃です


最後に、p.adminが演台に立った。彼はN君が用意された手元の原稿を一瞥もせず、静かに、しかし会場の隅々まで届く声で語りかけた


p.admin(朱雀 椿):

「……私は、政治家でも演説家でもありません。ただの『執行官』です。 私たちが持つ力は、支配するためではなく、調和のためにあります。 飢えや病、そして理不尽な武力による悲劇。これらを抗い、過去のものとすることが、私たちの願いです。人権と自由を尊重し、全体主義的な抑圧を許さない。 その信念を共有できる友として、本日、英国と共に歩めることを誇りに思います」


短く、しかし明確な「反全体主義・平和主義」の宣言

それは、列席する民主主義国家のリーダーたちへの強力なメッセージとなりましたは割れんばかりの拍手に包まれた


その光景を、楽園島関係者席の片隅から、万感の思いで見つめる一人の女性がいた かつて高等専門学校で教鞭を執り、若き日のp.adminが憧れを抱いた恩師、Lee先生である

彼女は今、楽園島の幹部として、そして若返り治療によって往年の美貌を取り戻しつつある姿で、かつての教え子の晴れ姿を見守っていた


Lee先生:

(……Azureくん。いえ、朱雀陛下。 あんなに不器用で、いつも教室の隅でパソコンと睨めっこしていたあなたが、まさかバッキンガム宮殿の演台に立つ日が来るなんてね。 『執行官』だなんて謙遜しているけれど、あなたのその言葉には、昔と変わらない優しさと、世界を背負う覚悟が詰まっているわ。 ミャンマーの時もそうだった。あなたはいつだって、弱い立場の人たちのために怒り、泣き、そして動く。 立派になったわね……でも、根っこの部分は、私が知っているあの頃の『Azureくん』のままで、少し安心したわ)


Lee先生は目頭が熱くなるのを覚え、そっと目元を拭った。そして、隣で緊張のあまりガチガチになっているSADA大使の背中を、バシンと叩く


Lee先生:

「ほら、SADA大使。シャンっとなさい。教え子があんなに立派にやっているのに、大人の私たちが無様は見せられないわよ」


SADA大使:

「い、痛いよLee先生……いや、そうだね。しっかりしないと」


一方、最前列の賓客席。K子様は、熱っぽい視線を壇上のp.adminから外せずにいた。


K子様(内心):

(朱雀陛下……あなた様は、なんと遠く、そして眩しい場所へ行かれてしまったのでしょう。 お父様は『相応の名分』と仰いました。皇室の娘として、私もその重みは理解しているつもりです。でも、今のあなた様を見ていると、そのような形式的な言葉すら小さく感じられます。 あなた様は、世界を変えてしまわれました。その背中はあまりに遠い。 けれど……不思議です。あなた様が語られた『理不尽への抗い』、その言葉の響きだけは、誰よりも私の胸の奥に届いている気がいたします)


その隣で、M子様は冷静に、しかし楽しげに会場全体を見渡していた


M子様(内心):

(……やるじゃない、朱雀陛下。 あのお父様に釘を刺されて青くなっていた人が、堂々とチャールズ国王と渡り合っているわ。 それにしても、あのJ首相のスピーチ……『英連邦ワープゲート』ですって? カナダとオーストラリアを巻き込むなんて、とんでもない外交カードを切ったものね。Nさんの入れ知恵でしょうけど、これで世界の物流地図は書き換わってしまった。 日本政府も、もう「同盟国」という胡坐をかいてはいられないわね。……K子の見る目は、あながち間違っていなかったということかしら)


M子様は、舞台袖でニヤリと不敵に笑うN君と視線を交わし、小さく肩をすくめてみせた


M子様(内心):

「さて、お手並み拝見といきましょうか。この後の晩餐会、本当にダンスができるかどうかをね」


#### アナザー視点:K首相の焦燥


バッキンガム宮殿のボールルームが万雷の拍手に包まれる中、日本のK首相は拍手をする手を止めず、隣に座る外務大臣に向かって、噛み殺したような低い声で囁いた


K首相:

「……聞いたか、外務大臣。ロンドンからカナダとオーストラリアへの直通ワープゲートだと……!?」


K首相の額には、冷や汗が滲んでいた

英国J首相が高らかに宣言した『英連邦ワープゲート構想』

それは、単なる移動手段の提供ではない。物理的な距離をゼロにすることで、英国を中心とした巨大な経済圏が瞬時に統合されることを意味していた。


K首相:

「やられたな……我々は『同盟国』という立場に安住しすぎていたかもしれん。英国は、なりふり構わず楽園島の力をフル活用し、かつての大英帝国の栄光を、いや、それ以上の『超広域経済圏』を現実にしようとしている」


外務大臣:

「総理……我が国も、国内主要都市間のワープゲート開設を、もっと強く朱雀陛下に打診すべきでは?」


外務大臣が小声で提案するが、K首相は苦虫を噛み潰したような顔で首を横に振った


K首相:

「馬鹿を言え。東京と大阪、あるいは福岡をワープゲートで繋いでみろ。新幹線も航空会社も高速道路の収益も、その瞬間に死に体だ。既存の交通インフラ産業への打撃が大きすぎて、国内調整だけで内閣が吹っ飛ぶ……英国は、海を隔てた連邦国という『地理的弱点』を逆手に取り、国内産業と競合しない形で最強のカードを切ってきたんだ……なんというしたたかさだ」


指をくわえて見ているしかない現状への焦燥感が、K首相の胃をきりきりと締め上げた


一方で、外務大臣は会場内を油断なく観察していた視線を、ふとある一点で止めた


外務大臣:

「……総理。経済の話も重大ですが、会場の『異変』にお気づきですか?」


K首相:

「異変?」


外務大臣:

「はい……あの席をご覧ください。本来なら、同盟国の慶事には必ず顔を出すはずの、駐英アメリカ大使の姿が見えません」


K首相がハッとして視線を巡らせる。確かに、主要各国の代表が揃う中、常に日本の隣にいるはずの星条旗を背負う同盟国の影が、今日に限って完全に消えていた


K首相:

「……まさか、招待されなかったわけではあるまい。あえて『欠席』することで、楽園島主導のこの式典に対する、無言の不快感を示しているのか……」


外務大臣:

「あるいは、楽園島側がアメリカを牽制しているか、です……それともう一点。国王陛下の近くにお座りの、C王女殿下です」


外務大臣の視線の先には、大人たちに混じって式典を見守る12歳の王女の姿があった


外務大臣:

「まだ未成年の王女殿下が、これほど高度な政治的式典の、しかもメイン会場の席に座られるなど、英国王室の儀礼プロトコールでは異例中の異例です。通常ならバルコニーでのお手振りか、別室待機のはず……」


K首相は呻くように呟いた


K首相:

「……英国王室は、本気ということか」


外務大臣:

「ただの外交儀礼ではない。王室の未来そのものを、朱雀王家とリンクさせる気だ……もし将来、あのお子様が楽園島との縁談の対象になるようなことがあれば……」


K首相:

「ええ。日本皇室の優位性は、根底から覆ります」


K首相と外務大臣は、華やかな式典の裏で渦巻く、英国のなりふり構わぬ生存戦略と、沈黙するアメリカの不気味さに、底知れぬ寒気を覚えていた


K首相:

「……M子様とK子様を送り込んでおいて正解だったな。これ以上、日本が『蚊帳の外』に置かれるわけにはいかんぞ」


K首相は、前列に座る二人の内親王の背中に、日本の命運を託すような視線を送った


#### PM 12:00 公式ランチョン(State Lunch)


* AM 11:30 「朱雀王家スタイル」


国交締結式典がおわり、p.admin一行がバッキンガム宮殿のゲストルームに一旦戻りました

公式ランチョンを30分後に控え、室内は静かな戦場と化していました

楽園島御用達のデザイナーと3人のアシスタントが、W子、R子、S子の最終調整に追われています


特にW子かおりは、鏡の前で困惑した表情を浮かべていました


W子:

「……あの、デザイナーさん。この頭に乗せている飾り……『ファシネーター』でしたっけ? なんだか鳥の巣が乗っているようで、落ちてこないか心配で首が動かせないんですけど……」


デザイナー:

「皇后陛下、それが英国の正装なのです。角度は完璧です、優雅に顎を引いてください!」


アクセサリーの最終確認に入ると、デザイナーはふと手を止めました。 W子とR子の耳元には、昨日銀座で購入したスワロフスキーのピアス(数万円)が輝いていますが、首元には以前から持っていた数千円程度の華奢なネックレス

対照的に、S子は自前のTiffanyのネックレスとピアスで付けています


そして極めつけは、p.admin(朱雀 椿)の右手首でした(p.adminは右利きだが、腕時計を右手に付けるのが長年の習慣)

袖口から覗くのは、彼が長年愛用しているCASEO OCEANER

機能美に優れた素晴らしい腕時計ですが、価格は10万円前後。王侯貴族が集う場では「庶民的」すぎる選択です


アシスタント(小声で):

「先生……王様がカセオで、皇后様が数千円のネックレスですが……よろしいのでしょうか?」


デザイナー溜息交じりに微笑んでいなが回答した


デザイナー:

「……いいのよ。煌びやかな宝石で着飾るだけが王族じゃない。あのチグハグさも含めて、これが飾らない『朱雀王家スタイル』。もう、これでいきましょう」


* PM 12:00 ブルールームへの入場


正午。重厚な扉が開かれ、一行は「ブルールーム」へと案内されました

そこは、青いダマスク織の壁紙と黄金の装飾が調和した、宮殿内で最も美しい部屋の一つです


チャールズ国王陛下、カミラ皇后陛下をはじめ、J首相、英外務大臣らが既に待機しており、温かい拍手で迎えられました p.adminたちが着席した後、少し遅れてM子様とK子様が入室し、係員の案内で席に着きます


座席配置:

中央: チャールズ国王陛下 ⇔ p.admin

側面: カミラ皇后陛下 ⇔ W子、R子

右翼: ウィリアム王太子 ⇔ S子

左翼: M子様 ⇔ N君

対面: K子様 ⇔ p.admin(真正面)


K子様(心の中で):

(……目の前。こんなに近い距離で、公務中のあなた様と向き合うことになるなんて……視線を外してはいけませんね、私も日本の内親王としてここにいるのですから)


* 補足:内親王殿下方の「特別招待」


通常、他国(楽園島)の国交締結式典に伴うランチョンに、第三国(日本)の皇族が招かれることは外交儀礼上、極めて異例です

しかし今回、英国王室は以下の二点を根拠に、M子様とK子様を「Guest of the Guest(主賓の身内)」として厚遇しました


「同伴者」としての扱い: 両殿下が日本政府専用機ではなく、朱雀王家の「ワープゲート」を利用し、共に宮殿の土を踏んだこと。これにより、英国側は彼女たちを「朱雀一家の親しい友人・随員」と見なす解釈を採用しました。


K子様への感謝: 先日のイギリス市民へ医療支援におけるK子様の献身に対し、チャールズ国王個人が深い感謝を抱いており、公式晩餐会ほど堅苦しくないランチョンで、直接言葉を交わしたいという王室の総意がありました。


***


全員が席に着くと、チャールズ国王陛下がグラスを手に立ち上がりました


チャールズ国王陛下:

「親愛なる朱雀陛下、そして日本の内親王殿下方。ようこそお越しくださいました。この部屋は数々の歴史を見てきましたが、今日ほど未来への希望に満ちた日はありません。乾杯」


続いて、p.adminが答礼に立ちました


p.admin:

「陛下、温かいお言葉ありがとうございます……私はこれまで、治療のために何度もこの宮殿にお邪魔しておりました。しかし、このように正門から堂々と入り、皆様とテーブルを囲むというのは、かつてよりも遥かに緊張しております。不作法な点がありましたら、どうかご容赦ください」


その率直で飾らないスピーチに、会場からは温かい笑いが起き、緊張した空気が一気に和らぎました


* 海峡にかける「異星テクノロジーの橋」


メインディッシュの「鹿肉のロースト」が運ばれる頃、J首相が身を乗り出しました


J首相:

「さて、Oza土木総括官。先ほどの『ノース海峡橋』の話ですが……あの荒れた海に橋を架けるなど、本当に可能なのでしょうか?」


J首相の問いかけを聞いたOzaさんの技術者の目が光った


Ozaさん:

「ええ、可能です……朱雀陛下、チャールズ国王陛下。少し失礼して、テーブルの上に資料を出してもよろしいでしょうか?」


許可を得ると、Ozaさんは異星タブレット端末を操作し、テーブルの真上に鮮明な大型ホログラム映像を投影しました

突如出現した3Dの橋梁図に、英国側の参列者が息を呑みます


Ozaさん:

「従来の工法では、海底の地盤調査と橋脚建設だけで10年は掛かるでしょう。しかし、我々は楽園島の『重力制御技術』と、宇宙で精製された『M型小惑星由来の高強度合金』を主要構造に使用します。これにより、橋脚のスパンを数キロ単位で飛ばすことが可能となり、海底地盤の制約をほぼ無視できる他、既存航路にも妨げません……言うなれば、海の上に『高く浮いている島』に近い構造の橋を架けるのです」


J首相はホログラムを見上げ、興奮を隠せず口を開いた


J首相:

「なんと……! これなら、着工から数年で開通も夢ではないと?」


Ozaさん:

「いいえ、スコットランドと北アイルランドの接続道路の工事次第ですが、橋梁は宇宙区間でプレハブ化して転送しますので、主要構造(スケルトン)だけなら数週間程度完成できます。その上に、道路路面の敷設や現地の需要に対する接続道路側工事を含めると、1年程度で開通できるかと」


J首相は満足げに頷き、外務大臣と「これは次の選挙の目玉になる」と囁き合いました


* ワープゲートの攻防とK子様の静観


会場の空気が「楽園島技術への期待」一色になったタイミングで、J首相は更なる提案を投げかけました


J首相:

「朱雀陛下。これほどの技術があるのなら……イギリスと日本、同じ同盟国として、『ロンドン・ヒースロー空港』と『東京』の間にも、直通のワープゲートを開設してはいかがでしょうか? 航空需要や産業の流通の補完としても画期的です」


p.admin(内心):

(うっ……来たか。ロンドン⇔東京直通は日本の既得権益や国際民間航空機関(ICAO)等との駆け引きが地獄だ。それに、俺としては運用しやすい『筑波宇宙港』にハブを集約させたいんだが……)


p.adminは以前、ネイビーゲーザーの輸送機が成田空港にいるFAA幹部によって、離陸を妨害された経験があるから

筑波宇宙港を新設し、さらに日本K首相にお願いして、国土交通省の管轄からあえて外してもらった形でワープゲートを開設した経緯がありました


p.admin:

「……魅力的なご提案です。ただ、日本と貴国間のワープゲートは、我々楽園島だけではなく、日本側との合意も必要です。さらに、日本国内の交通網への影響や、セキュリティ保証の観点から、まずは東京から北東60kmを離れた『つくば』をハブとして運用実績を積みたいと考えております。東京との接続は、K総理とも慎重に協議が必要でしょう」


J首相:

「なるほど、あくまで慎重に、ですか。しかし、期待しておりますよ」


正面に座るK子様は、この会話が持つ政治的な爆発力を瞬時に理解しました


K子様:

(ロンドン・東京直通……もし実現すれば、世界経済の中心軸が変わります。でも、日本の航空会社への打撃は計り知れません。陛下が言葉を濁されたのは賢明だわ……)


K子様は「客の客」という立場をわきまえ、表情には一切出さず、静かにミネラルウォーターを口に含みました


* N君の活躍


会話が進む中、N君はp.adminの言葉足らずな部分を絶妙なタイミングで補足し、熱くなりかけたOzaさんの足をテーブル下で軽く突っついて制止していました


N君(小声で):

「Ozaさん、技術自慢はそこまで。予算の話はさや妃殿下やSADA大使に振ってください」


そして同時に、隣に座るM子様への対応も怠りません


J首相がワープゲートの話をp.adminに振った時に、M子様は優雅にナイフを使いながら隣のN参事官に問いかけた


M子様:

「ねえN参事官。さっきの『東京ワープゲート』の話、あなたも一枚噛んでいるのでしょう? 日本政府への揺さぶりにしては強烈すぎるわよ」


N君:

「買い被りですよ、殿下。あれはJ首相のアドリブです……まあ、日本政府が良い刺激を受けてくれれば、僕としても動きやすいですがね」


* PM 13:30 ランチョンの終わりとW子の嘆き


1時間半に及ぶ濃密なランチョンが終了し、男性陣は外交協議へ、女性陣は夜の晩餐会に向けた準備のため控室へと戻りました

ドアが閉まった瞬間、W子は疲れるあまり、苦言を漏らした


W子:

「疲れた……」


R子:

「お疲れ様、かおり(W子)。大丈夫?」


W子:

「もう、生きた心地がしなかったわ。ナイフとフォークの順番は合ってるか気になるし、何よりこの『ファシネーター』! ずっと頭の上で鳥が巣作りしてるみたいで、気になってスープの味も分からなかったわよ……早く取りたい……」


W子の疲労と対照的に、S子は余裕の表情で話した


S子:

「あら、よく似合っていたわよ。でも本番は夜よ、かおり。次はティアラという『もっと重い鳥の巣』が待ってるんだから、覚悟しておきなさい」


W子:

「ええ〜……もう帰りたい……」


W子の悲鳴に近い嘆きが、控室に響きました。しかし、休む間もなくヘアメイク担当が部屋に入ってきます。彼女達は、少しだけの休憩の後、「夜の戦い」が始まります


お待たせしました

最近、一話8000字オーバーが本作のデフォになっている気がする

次は晩餐会まで書きたいですが、シナリオ的には国交締結式典のこの日は沢山の出来事がある故…最悪4話に分割されるかもしれない


因みに、著者の私が一番気に入った腕時計は

CASIO OCEANUS OCW-P500です

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